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理事退任にあたって

瀧下修一

前理事 瀧下 修一

平成16 年4 月から、琉球大学医師会(会員 数約280 人)代表として沖縄県医師会の理事の 一員に加えていただきました。退任にあたりご 挨拶と御礼を申し上げます。

琉球大学の法人化後の初代附属病院長とし て、病院経営の改善、患者指向の医療の実践、 同時にスタートした新医師臨床研修制度の運用 などに取り組んで参りました。このような中で、 理事として県医師会活動に参画できたことに感 謝しています。毎週火曜日夜の理事会には時間 の許す限り出席し、多くのことを勉強させてい ただきました。会長をはじめ理事の方々が当面 の医療問題だけではなく、県民の健康増進、福 祉の向上を図るために具体的な方策について熱 心に討論されています。県に提言するとともに 県民、マスコミにも働きかけていますが、さら に、平成19 年度から玉城副会長が県の政策参与 に就任されて、問題点をより明確にし、直接提 言することができるようになりました。活動が 着実なものになって行くことを感じています。

離島・僻地医療や産科・脳外科などの医師不 足・偏在の問題および、これらと後期(専門) 研修との関連についても、医師会活動の重要な 課題と位置づけられています。2 年間の初期臨 床研修を修了した研修医も今年で3 期生となり ました。他県に比べて初期研修医が多い沖縄県 では、この修了生を多く確保するとともに医師 不足分野への志望者を増やすことが課題です。 地域医療臨床研修委員会を通じて研修の連携が 模索されていますが、多くの問題があります。 琉大では、この2 年間は20 数人/年でしたが、 今年は40 人を超え、産科婦人科志望も増えま した。琉大も、これら専門研修医の連携、医師 派遣のシステム作りを図ることが要望されてい ると思います。

県内唯一の医育機関、特定機能病院、先進医 療推進機関、沖縄県がん診療連携拠点病院、エ イズ診療中核拠点病院、多くの学会認定専門医 制度の教育病院などの顔と責任をもつ琉大病院 に、県医師会側からの期待の大きさと責任遂行 の促しを感じた4 年間でもありました。今以上 に他の医療機関との学術・診療・医療技術など での交流、情報発信に努める必要があると考え ています。さらに、病診、病病連携を円滑に行 うための医療福祉支援センターを立ち上げまし たので、皆様と身近になれるものと思います。

理事の職務分担では、主として学術を担当し ました。医師会医学会では会長を補佐し、総会 の充実、一般演題のWeb 上の登録化、データ ベース化に関与しました。医学会分科会の活動 は盛んであり、また多くの研究会・学術講演会 があり、沖縄県の学術活動、生涯学習のレベル は高いものと考えていますが、これらへの関与 は会員間で濃淡がある可能性は否めません。

理事在任中、県医師会の理事の先生方ならび に事務職員の方々に大変お世話になり、ありが とうございました。最後に、地域に根ざした沖 縄医師会の益々のご発展を祈念し、退任の挨拶 とさせて頂きます。