沖縄県医師会 > 沖縄県医師会の活動 > 医師会報 > 4月号

平成19年度九州医師会連合会
第2回各種協議会

2.介護保険対策協議会

副会長 小渡 敬

協 議

1.療養病床再編に伴う受け皿等の問題につ いて(福岡県)

<提案要旨>

今後の療養病床再編に伴う受け皿や医療・介 護難民の問題について、各県の対策及び日医の 見解をお伺いしたい。

2.療養病床の転換に関する事項について (沖縄県)

<提案要旨>

厚労省は、特別養護老人ホームの設置を医療 法人に解禁する案を撤回する方針である。各県 の状況等をお聞きしたい。

3.療養病床を老健施設に転換するための大 きな障害について(大分県)

<提案要旨>

療養病床を老健施設に転換させるための種々 の支援策が厚労省から出されているが、全く現 場のことを考えていない緩和策であり、未だに 転換を決めた医療機関は少ない。日医の見解と 各県のご意見を伺いたい。

1、2、3 は一括協議。

<各県回答>

療養病床の再編については、九州各県より、 各県医師会が試算した目標数が国の参酌標準に よる目標数を大きく上回ることが報告され、各 県ともに、医療・介護難民を発生させないため にも、地域の実情に応じた病床数が継続して確 保できるよう、療養病床の削減数をいかに最小 限にとどめるか県担当局と協議を重ねている状 況であると回答された。

特別養護老人ホームを医療法人が設置できな くなったことについては、九州各県で行われた 療養病床転換意向等アンケート調査結果による と、特別養護老人ホームを希望する施設は九州 各県ともにわずかであったことから大きな混乱はないであろうとの意見であったが、大分県よ り、「福祉関係団体の強い反対を受け医療法人 による特別養護老人ホームの設置案は撤廃され たが、我々が介護療養病床の廃止を強力に反対 しても全く効果がないのはどうしてか」と意見 された。また、大分県より、医療法人が特別養 護老人ホームを設置できるとした支援策は場当 たり的であると意見され、反対に社会福祉法人 が医療機関を無制限に開設させないためにも、 医療は医療機関で、介護は特別養護老人ホーム が主として提供するという基本姿勢を崩すべき ではないとの見解が述べられた。

療養病床を老健施設に転換するための支援策 の問題については、九州各県ともに、療養病床 から老健施設に転換した際の一人あたりの床面 積を6.4 uから8 uにしなければならないとい う点が大きな障害であると意見され、本県から 「老健の面積基準を6.4 u以上とする経過措置 の延長について情報が錯綜している。延長の方 向性を早く固めてほしい。」と述べ、大分県か らも「夜勤要員が確保できない。看護職員確保 のためにも早く夜勤配置を示すべき。」と意見 が述べられ、各県より日医の厚労省に対する強 い働きかけが求められた。

<日本医師会コメント>

天本日本医師会常任理事より、概ね以下のと おりコメントが述べられた。

療養病床再編に関しては、先ず医療区分1 が 診療報酬上どうなるか、エビデンスでは、医療 区分1 のADL 区分3 によっては、医療必要性、 ケア時間ともに医療区分2、3 と同程度の医療 の必要性があるとのデータが出たが、その理屈 が通らない現状となっている。今回の政策は、 とにかく財源を削減するという大命題に基づい ており、医療療養病床の機能の検証と介護施設 の医療のあり方についての検証、という2 点の 結論が出されていないまま進んでいる。

転換型の老健については、平成21 年の介護報 酬改定で初めて示されるが、それを1 年早めてい ただく方向で動いている。しかしこれについて は、自民党で、今になって介護療養病床の廃止 の廃止ということが議論され始めており、報酬 改定を早める必要はないのではないかと議論さ れている。私はそこに出て行き、転換型老健が 経営的に成り立つか、利用者への対応が実際に 可能かどうかの絵姿を早めに出していただき、 それがもし経営的に成り立たない、あるいは利 用者にご迷惑がかかるということであれば、さら に報酬改定を望んでいくという姿勢で行きたい と考えている。今回、一つの大きな突破口とし て、介護保険施設の中に医療保険を導入する形 としての転換型が今議論されている。転換型で 医療保険を導入し、うまくいくようであれば次 第に既存の老健においても医療保険を導入する ということで、介護保険施設における医療のあ り方をもう一度モニタリングしアクションプラン を立てていく一つの第一歩として医療保険の導 入が検討されている。そのための具体的な人員 配置基準、夜間の看護師の配置等の報酬を至急 出していただきたいということで、平成20 年度 の介護報酬改定で示していただくという方向で 動いている。従って、平成20 年度の診療報酬や 転換型老健の絵姿ができることで、平成20 年3 月から5 月頃には移行の動きがかなり出てくると 考える。ただし、これは実際にやってみないと分 からない状況である為、安易に転換ということ ではなく慎重に転換することが重要である。

また、もう一つ重要なことが第4 期の参酌標 準である。この点をきちっと視野に入れていた だきたいと思う。これは都道府県毎に設定さ れ、介護保険料にリンクするものである為、そ の計算をきちっと問題提議していただきたい。

もう一つ重要なことが受け皿の問題である。 大都会では、特定施設、有料老人ホーム、高齢 者専用賃貸等が急速な勢いで整備され、東京で は営利法人との競合が起きている。大都会で起 こることは必ず各都道府県に移行していくと思 う為、各県においても特定施設等が非常に増え ていくことが想定される。そのような中で、 我々の医療を提供するための連携も非常に重要 になってくると考える。

特別養護老人ホームの問題については、全く 賛成と全く反対の二つ通りの意見があった。反 対の意見は、社会福祉法人が今度は逆に医療に 参入することを誘導することになりかねないと の意見であり、賛成の意見は、転換の選択肢と して特養も必要であるとの意見であった。特養 については、今後、低所得者の特定施設という 位置付けとして大きな議論になる。医療法人設 置の撤廃については、最終的に老施協が強く反 対したということで政府案として出さないこと が決定した。議員立法という特殊な方法によっ て、あっという間に与党、野党、衆議院、参議 院すべて反対なしで通過した。ほとんど我々が 関知できないところで進んでしまった。先程、 介護療養病床の廃止について同じような方法で 撤廃できたはずではないかと意見が上げられた が、これは大きな違いがある。介護療養病床の 廃止は内閣として決まっており、議員立法で覆 すことはできない。ただし、それを遅らせるこ とは不可能とは考えない。日医としても今後も 強く反対していきたい。

4.介護保険における介護施設のあり方につ いて(熊本県)

<提案要旨>

介護保険の中で、介護施設はいかなる役割を 担うのかが揺らいでいます。特に介護老人保健 施設において2 種類の介護施設を目指していま すが大変問題です。

特に、地域ケア整備構想における体制のあり 方について不透明な状態が続きますが、大変対 応が難しくなっております。

日医の見解と各県のご意見をお伺いしたい。

<各県回答>

各県ともに、老健施設のダブルスタンダードの 考え方は、老健施設の役割や機能が不明瞭であり 違和感を覚えるとの回答であった。また、各県よ り、介護療養型医療施設が担ってきた役割を転換 型老健で補えるのか、転換型老健ができること で、既存の老健において医療機能が低いと思われ てしまわないか等の意見が上げられた。

<日本医師会コメント>

基本的には全く同じ考えである。箱によって きまるというのは全くおかしな話で、介護施設 に入所している利用者の状態に応じて、医療と 介護がどれだけ必要かを判断すべきと考える。 しかしそういう形での転換型と既存老健におけ る医療提供体制を考えるとなると、平成21 年 あるいは24 年という時間が必要になってしま う。そうなると転換するための事業計画や経営 的な意思決定ができないということがあり、と りあえず最初は転換型から進めようという考え になっている。基本的には、日医は両方とも必 要に応じて同じ医療が受けられるべきというス タンスで進もうと考えている。

5.介護保険における介護サービスのあり方 について(熊本県)

<提案要旨>

本来、介護保険は高齢者及び特別疾病の障害 者の生活支援又は生活自立支援のための介護サ ービス体制を構築することになっていた。最 近、在宅医療の推進の中で終末期の看取りの介 護サービスの充実をうたっている。介護保険の 中での看取り介護は可能でしょうか。日医の見 解と各県のご意見をお伺いしたい。

<各県回答>

各県ともに、看取りについては医療的なケア が必要であり、医療で行うべきであるが、ケア マネジャー等の連携が不可欠であるとの回答で あった。また、宮崎県より、在宅における看取 り体制を整えるためには、在宅療養支援診療所 からの往診や訪問看護、退院後までを含めたト ータルケアを視野に入れたクリティカルパスへ の報酬配慮が必要であるとの考えが示された。

<日本医師会コメント>

今度の診療報酬改定において、かかりつけ医 とケアマネジャー等との連携やトータルアセスメントの部分等が評価されるということを聞き 及んでいる。それだけで簡単に進むとは思えな いが、終末期の介護には、医療、介護の両方が 必要である。そういう制度設計になっていなか なければならないと考える。

6.介護給付適正化について(福岡県)

<提案要旨>

介護給付適正化については、今年度中に各都 道府県で「介護給付適正化計画」を策定し、平 成20 年度より適正化事業が実施されることと なっている。

本県では、現在、要介護認定の平準化の取組 みの一環として、全認定審査会を対象とし、県 に設置した要介護認定適正化委員会で作成した 同一事例の模擬認定を行っており、今後は、討 議された内容及び結果を比較検討することとな っている。

また、本県においては、地域により重・軽度 変更率や分離判定にばらつきがあり、認定審査 会委員を対象とした現任研修等を通じて、平準 化に取り組んでいるところである。各県の現状 や取組み及び日医の見解をお伺いしたい。

<各県回答>

提案県の福岡県をはじめとした、熊本県、鹿 児島県、宮崎県、大分県の計5 県において、介 護給付費の適正化委員会等が設置され、要介護 認定の平準化に向けた取り組みとして、認定審 査会委員研修会の開催や審査基準のチェックテ ストが行われていると回答された。

7.介護施設におけるスタッフの確保につい て(熊本県)

<提案要旨>

最近、介護施設で働く介護スタッフが急激に 減少している実態に対して憂慮するものである。

各県の実態をご教示いただきたい。

<各県回答>

各県ともに、介護事業所における職員確保が 困難な状況になっているとの回答であった。鹿 児島県より、今後の超高齢社会に進む中、介護 スタッフのニーズが高まるのは必須であり、今 後、介護体制を維持できるだけの介護報酬の確 保が必要と考えると意見が上げられた。

<日本医師会コメント>

介護関係の学校の卒業者が就職する割合も減 っている。卒業者を100 とすると就職する人は 7 割位しかいない。また離職率も高く、平均的 な年齢30 歳位でずっと続ける人はほとんどい ない。給与体系ということで、与党、野党とも に、いろいろなところで話題になっているが、 財源の割合が大きいということと、どういう具 体的な方法で当事者にお金が回っていくかとい う仕組みづくりの問題もある。また、東京と地 方とで給与が倍違う等いろいろな問題を抱えて いる。これは全国的かつ非常に大きな社会問題 であるため早く対応してほしいと主張してい る。これは21 年度にずれ込みそうであり、ど の程度対応していただけるのか問題である。

8.かかりつけ医とケアマネジャーとの連携 促進について(福岡県)

<提案要旨>

介護保険施行当初よりかかりつけ医と介護支 援専門員の連携が重要であることが指摘されて いたが、現時点においても残念ながら緊密な連 携が取れているとは言い難い状況である。平成 20 年4 月より始まる、後期高齢者医療の診療 報酬体系の骨子にも、主治医等とケアマネジャ ーを中心として、相互の情報共有化を進める必 要があると明記された。今後、県医師会として かかりつけ医とケアマネジャーとの連携を促進 する必要があると思われる。連携促進のための 具体的取組みについて、各県のご意見をお伺い したい。

<各県回答>

各県ともに、かかりつけ医とケアマネジャー との連携は地域医療を推進するためにも必要不可欠であるとの回答であった。福岡県、熊本 県、宮崎県では、県医師会の中に介護支援専門 員連絡協議会を設置し、協議会や研修会等の開 催を行うことで、かかりつけ医と他職種の連携 を深めているとのことであった。

9.特定高齢者の把握状況について(佐賀県)

<提案要旨>

平成18 年度より始まった介護予防事業の特定 高齢者把握事業については、厚労省の当初見込 みを大きく下回ったことから、19 年4 月から選 定基準が見直されたところである。厚労省の全 国調査によると佐賀県の特定高齢者の把握状況 は表1 のとおり、決定率が大幅に向上している。

また、第2 回調査時点では、介護予防事業を 実施している市町(全20 市町)は、通所介護 予防事業の実施が13 市町、訪問型介護予防事 業が4 市町であった。

各県の状況をお伺いしたい。

10.平成20 年度からの特定高齢者選定につ いての医師会の関わりについて(宮崎県)

<提案要旨>

一般健康診査を経た後に基本チェックリスト を用いた生活機能評価を行い、特定高齢者を一 次選定していた平成19 年度までの流れと違い、 20 年度からは一般健康診査の廃止により、地 域包括支援センター等からの訪問や連絡によっ て直接基本チェックリストを用いた生活機能評 価を行い、対象者を一次選定していくことにな るようである。

いわば医療関係の専門職が関与せずに特定高 齢者の候補者として一次選定された方に対し、 その後の医療機関の関わり(問診、身体計測、 理学的検査→総合判定)はどのようにあるべき か等について、来年度以降の事業説明や関与方 法、契約等、行政側とどの程度の打ち合わせが なされているのか各県の状況をお聞かせいただ きたい。

9、10 は一括協議

<各県回答>

各県における特定高齢者の把握状況が報告さ れた。本県では平成18 年12 月1 日時点で、基 本チェックリスト実施率22.9 %(23.0 %)、特 定高齢者候補者率0.96 %(1.18 %)、特定高齢 者決定率0.27 %(0.44 %)という状況である (※カッコ内は全国平均)。また本県における予 防事業を実施している市町村は23 市町村で、 そのうち通所介護予防事業を実施している市町 村が20 市町村、訪問介護予防事業を実施して いる市町村が9 市町村となっている。熊本県よ り、予防事業の取り組みについては各市町村に よって積極的に取り組むところとそうでないと ころがあると報告があり、医師会としての働き かけの必要性が述べられた。

また、平成20 年度以降の特定高齢者選定に ついては、各県ともに特定健診と同時に生活機 能評価を実施する方向が良いと考えるとの意見 であったが、実際には各市町村間で取り組みに 差異があり、県医師会としての具体的な取り組 みを行っているところはなかった。

<日本医師会コメント>

特定健診の方は、75 歳以上からは努力義務 で担当は広域連合となる。特定高齢者の選定は 必須で担当は市町村となる。医師会というより も医師会員の先生方が診療の中で生活をみてい ただき、少しでも生活機能が落ちた場合に地域 包括支援センターに連絡するというような役割 が非常に重要になってくるという認識である。 会員の先生方と広域連合と市町村が、健診と高 齢者選定との連携をどう組んでいくのか、その 辺りを医師会が重視していただきたい。

11.「介護サービス情報の公表」制度につい て(鹿児島県)

<提案要旨>

「介護サービス情報の公表」制度は開始以 来、調査機関の公平性、調査員の資質、料金の 問題など、本協議会において幾度となく問題提起され、協議を重ねられてきた。

去る、平成19 年11 月2 日の厚労省老健局振 興課の第二回全国介護サービス情報の公表制度 担当者会議報告によると、各都道府県における 本制度の事務手数料の収支状況は、情報公表事 務が46 都道府県のうち22 都道府県で黒字、調 査事務が30 都道府県で黒字と、制度開始当初 から高いといわれ続けて来た料金設定を如実に 裏付けるようなものになっている。

また一方、介護サービス公表にかかるインタ ーネットアクセス件数も、都道府県によってバ ラツキがあり、制度自体の機能の低調であるよ うだ。

会員からも高い料金設定や事業所ごとの調査 実施のわずらわしさなど相変わらず苦情の声が 寄せられており、早急に制度の抜本的見直しが 必要と考える。

日医と各県の状況と今後の対応についてご意 見をお伺いしたい。

<各県回答>

提案県の鹿児島県をはじめ、宮崎県、大分県 の計3 県において手数料の見直しが検討されて おり、福岡県、佐賀県、長崎県の計3 県におい て手数料の見直しを行うよう要望書を提出して いると回答された。

<日本医師会コメント>

国から各都道府県に対し、費用徴収したもの についてどのような形でコストがかかったのか 公表するよう指示が出ているので、各県におい てその額が妥当かどうかを検証していただきた い。コムスンの問題等でアクセス数もほとんど 伸びていない。はたしてこの情報公表という制 度の趣旨が達成できているのか、継続する意味 があるのかという議論が少し出てきている。こ れについては、まだまだ未成熟の問題が多いの で、日医としても議論主張していきたい。

−中央情勢報告−

天本日本医師会常任理事より、概ね以下のと おり中央情勢について報告があった。

財源の問題が非常に厳しい状況である。医療 費の問題のみならず、日本の経済もこれからの 予測として、短期的ではなく長期的にも厳しい という意見を述べている人もいる。消費税の導 入の時期をずらしたために厳しい状況になりそ うである。医療費適正化、介護費適正化、すな わち削減ということで、中医協でも再診療の問 題等相当厳しく、我々も非常に苦慮している。 今回の診療報酬も非常に厳しい状況となってお り、声を大にして叫んでいるがなかなか受け入 れてもらえない。夜間の診療や救急医療等、部 分部分では議論しているか、全体として見た場 合になかなか理解していただけない。世の中も そういう状況となっており、我々サービス提供 者側が新たな財源ということを発言しにくい立 場になっている。非常に厳しい状況ということ を理解いただきたい。

このような状況においても、利用者側のかか りつけ医への要望や医療機関への要求は強くな ってきている。我々は地道に国民の信頼を得る ことから地域医療をご理解いただくことが重要 と考える。県民との身近な関係が非常に重要で ある。直接県民にご理解していただき、突破 口、風穴を開けていただければと考える。

もう一つの課題として、地域、都道府県の財 政との関係がある。地域医療計画の中で都道府 県の役割というものが大きく影響してくるの で、都道府県と医師会との連携が重要になって くる。都道府県での地域差があるので、その辺 りをいかに平準化していくかということもまた 難しい。医師の7 対1 の問題についても我々は 反対している。看護師の7 対1 も廃止にならず このまま進んでいく。我々としても医師会とし ても会員の先生方としてもとにかく現場の業務 改革、特に医師の間接業務を診療報酬として一 部で認められることになる。

今後も、日医として担当の厚労省と積極的に 関わっていきたいと思う。

印象記

小渡敬

副会長 小渡 敬

九州医師会連合会の第2 回各種協議会が平成20 年1 月26 日に長崎県で開催されました。今回 は医療保健対策協議会、介護保険対策協議会、地域医療対策協議会の3 議題で行われました。私 は介護保険対策協議会に参加したので、会の状況について若干述べたいと思います。

今回は各県より11 の提案事項がありましたが、大部分が療養病床再編に伴う受け皿や転換に関 する事でした。各県とも療養病床の転換については、転換型老健施設等の施設基準や介護報酬等 が明らかにされていないため、明確な転換計画が立てられず議論は混沌としており、これまでと 同様の議論を繰り返し行っている感がありました。このように基準は出さずに転換しろというよ うな厚労省の手法は、現場を混乱させるばかりであり、無駄に議論を労するばかりであります。 今後、様々な法改正がこのような手法で行われる場合には、日医は協力しない旨を国に対して強 く言うべきであると思います。

それ以外では、介護施設における介護職員の確保が困難であると提案事項がありましたが、介 護職員の不足は全国的に問題となり、国会質問にも上がっております。これは前回の介護報酬の 改訂で極端に介護報酬の引き下げを行ったために、若者が介護職の将来に不安を感じ、この職業 を選択しなくなった事によるものであると思います。これからの長寿・高齢社会を見据えている なら、今回の国の政策は失敗であり、将来に禍根を残すことにならないか危惧されます。

余談ですが、会議後、グラバー邸を見学したいと思っていましたが、懇親会・二次会と続き、 今回も見学する事が出来ませんでした。次の機会には、グラバー邸を見学したいと思います。