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第2回地区医師会長会議

真栄田篤彦

常任理事 真栄田 篤彦

去る1 月29 日(火)、ロワジールホテル那覇 において標記会議が開催されたのでその概要に ついて報告する。

冒頭、宮城信雄会長から下記のとおり挨拶が あった。

挨 拶

沖縄県医師会長 宮城信雄

県医師会は「地域に根ざした活力ある医師 会」を目指して運営をおこなっているが、各地 区医師会が元気でなければ県医師会の活躍は望 めないことから、各地区における諸問題、ある いは県に対する提言がないかどうか意見交換を 行い、県医師会の方向性を決めると共に、地区 医師会との連携強化を図るべくこの会議の定期 開催を提案している。

中央では診療報酬改定により本体部分が 0.38 %アップとなったが、全体としては0.82 % のマイナス改定となっている。全体としてプラス になれば現在中医協で行われているような論議は 無くて済んだかと思うが、実際は0.82 %のマイ ナス改定のため色々問題が生じている。

特に議論になっているのは、診療所の再診料 をどうするのかということだが、恐らく診療所 の再診料を下げる方向にいくのではないかと思 う。これは今週中に決まるということだが、そ の他のことも含めて診療報酬がマイナスになる 傾向が続いているという流れを止められない点 に大きな原因があると思う。

医師不足、医師偏在、勤務医の労働過重とい った問題が取りざたされているが、この問題を どうするか、あるいは沖縄の医療についても県 医師会、県福祉保健部と定期的に連携をとりな がら相談しているし、県の各種委員会に対して も県医師会は色んな提案・提言をしている。

昨年の暮れに全国の平均寿命が発表された が、私達は数々のデータから女性の一位確保は 先ず無理であろうという予測をしていたが、か ろうじて一位の座を保つことが出来た。しかし 次の発表では恐らくそれも滑り落ちるであろうと思っている。

男性は平均寿命が1 歳延び、順位も1 ランク 上がっているが、全国の平均寿命に及ばない状 況にあり、完全に長寿復活という道筋は見えて いない。そういうことからも県医師会として県 民公開講座の開催、新聞等における啓発活動を 行っている。

本日の地区医師会長会議は本会から、会館建 設に関する件、産業医契約の件、特定健診の件 について提案している。特に会館に関しては、 昨年6 月の代議員会において承認を得て作業を 進めてきたが色んな事情があり、当初のスケジ ュールより遅れている。本日、その状況説明を 行い、改めて今後のスケジュールを確認したい と考えている。また、4 月から実施される特定 健診・特定保健指導に対しても広域連合、保険 者と折衝を重ねているのでその経過について説 明をさせていただく。

また、北部地区医師会から救急ヘリの件につ いて提案をされている。

それぞれ直近の課題に関する事項となってお り、先ほど申し上げたとおり、活発な論議を行い 今後の私達の活動の指針としたいと思っている。

議 事

1.会館建設に関する件

(1)会館建設工事の進捗状況と今後の作業ス ケジュールの件

粟国設計士から報告を行った。昨年9 月から 着工を予定していたが、開発許可と建築確認が おりず着工が遅れた。

開発許可は1)敷地内の雨水排水の抑制と2)車 の乗り入れ口の位置の調整の2 点が大きな問題で あった。特に雨水排水抑制については、国道、県 道、南風原町の3ヶ所との調整が必要で時間がか かった。また、タイミング悪く去る7 月の集中豪 雨で牧志一帯が冠水し県が雨水対策に慎重になっ た。そのため医師会に対して、敷地内で雨水浸透 を図るよう指示があり、それがコストアップにな っている。9 月11 日に開発許可がおりた。

建築確認は、6 月の建築基準法改正により構 造計算適合性判定審査を受けなければならなく なり、建築構造物の耐震強度の検査チェックが 厳しく、許可がおりたのが12 月12 日で予定を 大幅に遅れ、構造計算書作成料も従来より増額 になった。

12 月21 日に工事関係者全員で着工会議を開 催し、12 月26 日現場で建物の位置を確認し た。1 月10 日にパイル打ち工事を開始しようと したら赤土防止対策の問題が出てきた。やっと 保健所の了解を得て、沈殿池を設置してからパ イル打ち工事をすることになり、1 月28 日に工 事を再開した。工事は遅れたが、敷地が広いの でトラックの搬入が容易であること、職人の動 員が十分できるということから、工事の短縮は 可能であると思う。完成日程は10 月末を予定 している。今後は工程会議を持ち監理をしっか り行い納得いく建物を造りたい。

以上の説明の後、工事が遅れたことと10 月完 成に向けたスケジュールについて了解された。

次に、2)「会館建設委員会を設置する件」と 3)「会館建設工事費不足額への対応の件」は一 括上程され、真栄田常任理事から説明を行った。

(2)「会館建設委員会を設置する件」

これまで会館の規模、内容等について「会館 建設検討委員会」で検討を進めてきたが、工事 に入るといろいろ検討する事が出てくる。また、 会館運営規則の作成、会館落成記念式典の持ち 方等についても検討していくことが必要になっ てくる。これらのことを検討していくため「会館 建設委員会」を設置したい。現在の「会館建設 検討委員会」の名称を変更し、そのメンバーで 構成するということで進めてよろしいか。

また、今後は頻繁に相談することがでてくる ことが考えられるので、その中で更に小委員会 を組織するか、或いは本会三役と担当理事に一 任していただくのかも協議していきたいと思う。

(3)「会館建設工事費不足額への対応の件」

工事が遅れたことなどにより、現在までに工事費が当初予算より2 千5 百万円余増額になっ ている。会館建設が遅れた理由は先に粟国設計 士が報告したとおりである。

開発許可の見通しが立たなかった状況から、本 会では建築業者との工事契約は、土地の開発許可 の見通しが立ってから締結することにしていた。

しかし、建築業者の高橋土建から5 月の入札 決定から本契約をする9 月25 日までに時間が かかり、その間北京オリンピックの建設ラッシ ュ等の影響を受け、僅か2 〜 3 ヶ月で日本でも 建築資材等の価格相場が高騰しているとのこと で、9 月10 日に建築工事費2,000 万円の増額要 求があった。

9 月18 日開催の本会理事会において、県内 の実勢価格の高騰をも確認し、粟国設計士の意 見を参考に、要望額の75 %の値上げを認める ことにした。その結果1,574 万5 千円の増額と なった。

(建築費増額 1,574万5千円〈3億6,740万円 →3億8,314万5千円〉)

また、雨水排水処理のため敷地内に浸透性の アスファルトを敷くことになったので、その工 事費が500 万円の増額になる見込みである。

更に、耐震構造計算書作成料が320 万円の増 額となった。その他にも当初予定していなかっ た土地登録免許税や構造計算適合性判定手数料 などの業務手数料が発生し諸費用が121 万円余 の増額になっている。

以上の合計で現在までに建設工事費が当初の 資金計画より2,515 万5 千円の増額になってお り、完成までに支払う資金が不足する状況にな っている。

不足額については、長期的に見れば会員から 徴収している負担金で支払いすることは可能で あるが、会館が完成する11 月には全額払わな ければならないので、その対応について本会理 事会で検討した結果を受け、会長会議に提案す ることになったのでご協議いただきたい。

対応策としては

1)共済会特別会計からの借入金を増額する。

(借入予定額 1億5千万円→ 1億8千万円※ 3千万円或いは増額分)

2)会館建設に関して会員各位へ寄附金を募る。

但し、今回の資金の不足分への対応という ことではなく、会館建設への寄附金とする。 募金方法並びに寄付いただいた会員の公表等 取り扱いの細部については、会館建設委員会 で検討してもらう予定にしている。(尚、不 足額を賄えない場合は、共済会特別会計の借 入金を増額する)

以上の説明の後、意見交換が行われ次のとお り決定した。

議題2)の「会館建設委員会を設置する件」に ついては、会館建設検討委員会の名称を変更し、 メンバーは同じで委員会を進めていくというこ とで了解された。但し、4 月以降は人事があるの で、人選は各地区へ任せることになった。

議題3)の「会館建設工事費不足額への対応の 件」については1)共済会からの借入金増額につ いては了承された。2)寄附を募ることについて は、委員会で検討し再度提案することになった。

2.産業医契約の件

産業保健担当の金城理事から、みだし契約の 件について、資料に基づき次のとおり説明が行 われた。

現在、産業医の選任については、各地区医師 会を通じて照会を行っているところであるが、 契約条件が一定していない為、厳しい条件で契 約を結ばされる等の意見が本会理事会で出され た為、本会議において産業医の契約条件等につ いて取り上げ、情報交換を行うことになった。

沖縄県の産業医月額報酬基準料金は「産業医 月額報酬基準」のとおり、管理人数500 人以 内の場合、基本額20,000 円+(200 円×管理人 数)で示されている。

また、「契約書」にもあるように産業医が事 業主と契約をされる際に、医師会も立ち会うこ とにしている。なお、参考までに、「産業医報 酬基準料金について」、九州各県の状況を提示させていただいた。福岡県の基本給4 万円の他 は、各県とも基本給2 万円となっており、ほぼ 同様な内容である。又、福岡県は、産業医契約 は地元医師会と産業医、事業所の三者契約にし ており、金額等も地元医師会に一任している。

産業医の養成は医師会が行っており、その意 味では資格を取られた後、事業主と契約を結ぶ ところまで考慮する必要があるが、最近、事業 主と個人契約をして、報酬、労働条件等厳しい 条件で契約を結ばされるケースが散見される。

企業より、産業医の選任依頼があれば、各地 区において、産業医を斡旋することになってい るが、報酬・労働条件等の契約は産業医個人だ けでなく、医師会が仲立ちし、条件を調整する など調整力を持ってほしいと考える。

ついては、各地区の状況について、7 地区に アンケート調査を行った。(調査内容:1)事業所 からの選任依頼人数・事業所への紹介人数2)産 業医登録医数・活動数3)産業医不足4)契約の 際の医師会立ち会い5)産業医報酬基準の実施6)医師会の仲立ち・調整力について)

その結果、北部、中部、浦添市、那覇市、南 部の5 地区医師会は調整力を求めていることが 確認できたので、今後とも契約の際には指導力 を持って対応をしていただきたいと思ってい る。ご協力をお願いしたい。

説明の後、各地区から意見があり、中部と南 部より意見のあった学校産業医の報酬見直し及 び学校産業医の選任について検討した結果、本 会から沖縄県教育委員会の委員長宛要請文を出 すこととなった。各地区の意見は次のとおり。

●浦添市医師会 山内会長  かなり大きな企 業は以前から決まっており、産業医が変わる 時、前任者の条件を引き継ぐという形になって いる。浦添は中小企業が多いが企業サイドは、 産業医に関する認識が非常に薄いと感じる。先 ずは条件云々の前に、産業医を何とか置いて貰 いたいということを前提にしており、産業医に ついての話があれば応じるようにということに している。条件については、あまり詰めてなか った。今回、このような形で示されているの で、医師会としても今後、産業医が事業主と契 約をされる際には、仲立ちをして報酬・労働条 件等調整していきたいと考えている。

●南部地区医師会 永山会長  学校産業医の報酬は月額5,500 円で、一般の事業所産業医 と比べて低い状況にある。この状況について、 5 年前に南部地区医師会から、県立学校の産業 医報酬見直しを県医師会宛要請したが、その後 返事がない。又、九州の県立学校産業医報酬に ついても資料があればいただきたい。

○県医師会安里常任理事 先ずは、産業医 選任率について述べると選任率は毎年向上して いる。

労働安全衛生法第13 条の定めにより労働者 50 人以上の事業所は、産業医を選任する義務 があり、選任しなかった場合は罰金もある。年 に2 回沖縄労働局などに出席いただく委員会で 指導もお願いしている。学校医に関しては、学 校医は継続していれば産業医を兼務することが できる。ただし、二重に報酬を取ってはいけな いとしている。

○県医師会真栄田常任理事 平成10 年〜 13 年に学校医の担当理事をしていた頃、厚生労 働省から、産業医設置に関する労働安全衛生法 の改正通知があった。私は、学校医そのものが 産業医ではないかということで、厚生省と文部 省に整合性をとるよう要望した記憶がある。学 校医の報酬については、九州各県、東京、東北 等が高いという情報を持ってきて、県の教育長 に資料を提出した記憶がある。九州の各種協議 会でも取り上げ、報酬は高く設定するようお話 した。結果としては非常に低い数値がでている。 又、学校医が産業医をそのまま継承するという ことも問題になり、過去に亘って学校医を継続 している先生方は、産業医として認めるという ことも話し合った。学校医で産業医をしたくない場合どうするかという時には、教育委員会で は、別の産業医を置くということであった。

●中部地区医師会 金城会長 10年ほど前 産業医に関する法律が改正された際、これまで学 校医をしている先生が産業医を兼ねるよう進める 通達が日本医師会よりあった。現在はそれが、会 員にとって負担になっている場合がある。学校の 校長先生は、黙っても医師会が産業医を配置する ものだという受け止め方をしているところがあ る。学校医も産業医も依頼主から指定された時間 だと負担になる。従って、学校医と産業医とは分 けた方が良いと考える。産業医については、事業 主が依頼して配置するものだということを自覚さ せる必要がある。産業医は県又は学校自体が医師 会に依頼をして、配置をお願いするという形にし ていただきたいと考えている。

○県医師会 金城理事 先ほど、南部地区医 師会よりお話があった「県立学校の産業医報酬 見直し」についての県医師会への要請について は、県医師会長からも沖縄県教育委員会委員長 宛、平成15 年2 月5 日付けで要請文書は出さ れている。また、沖縄県教育委員会産業医設置 要項の産業医選任要件によると、「当該学校医 として3 年以上の経験を有する者」とし、「県 立学校において産業医は、原則として学校医か ら選任して委嘱する」としている。

○県医師会 宮城会長 南部地区より提案の 「県立学校の産業医報酬見直し」の件は、本会か ら沖縄県へ要請しているが、残念ながら報酬の 改定は行われなかったようである。地区への報 告はなかったことについては、今後改めたい。

又、学校医と産業医は兼務するようにとは、 日本医師会から要望があり、本会も要望したこ とである。ただし、その当時学校医をしていた 方は産業医を兼務できるが、新たに学校医とし て選任された時には、産業医の資格がなけれ ば、産業医になれないことになっている。

●中部地区医師会 金城会長 中部地区医 師会では、70 名が産業医登録をしている。県 立学校の産業医報酬は安いが、要求は強い場合 があり、職場のメンタルなことなど前向きに取 り組む先生方を紹介したいと考えている。その 意味で、必ずしも学校医と産業医を同じ先生が やるべきだということは、日医の文書は過去の こととして、今後はそのことにとらわれない で、県医師会が当たってほしいと考えている。

○県医師会 宮城会長 各地区の状況をお伺 いしたが、その当時は医師会としても学校医と 産業医は同一にしてほしいいう要望のもとで、 このような情報ができている。現時点ではそれ が合わなくなってきており、学校医として、産 業医の資格をもってない方も増えてきた。そう いう意味で、学校医とは別に産業医を選任する 時にそれだけの熱意をもった先生が選任される はずであるから、報酬については考え直さなけれ ばいけない。学校医と兼務をしている状況の中 で5,500 円ということもよかったかもしれない が、新たに産業医として選任される時には5,500 円で担当する人はいない。いま新たに交渉する 時期に来ているのではではないかと考える。

医師会がきちっと関与していかないと、学校 医の報酬の問題については、なかなか動かない と思う。以前、南部地区が提案したようなこと をもう一度、県に要請したい。

3.特定健診説明の件

資料に基づき、これまでの経緯並びに今後の スケジュールについて説明を行った。

○経緯説明:

昨年7 月より、地区医師会役員との検討会を 4 回開催。県医務国保課・県健康増進課・県国 保連合会にも参加していただき、説明していた だいた。また、地区医師会の意向を受けて県医 師会では、国保連合会と健診単価を中心に数回 調整を行った。結果、個別健診6,050 円、集団 検診5,000 円で双方了解した。最終価格につい て、各地区医師会に文書で意向を確認させていただき、同単価で了承する旨の回答をいただい たところである。

○今後の主なスケジュール:

  • 1)八重山(1/28)・宮古(1/29)・浦添看 護学校(2/6)で説明会を開催
  • 2)健診実施を希望する医療機関はHP を作成 して支払基金に申請
  • 3)各地区医師会にて実施機関を取りまとめ
  • 4)沖縄県医師会が取りまとめ
  • 5)沖縄県国保連合会との集合契約を締結する。

<質疑応答>

●公務員医師会 県立病院付属の離島診療 所も参加させていただけるのか。

○県医師会 県で纏めていただければよい。 離島も、集団健診だけでは難しい。検診率をア ップさせなければならなので、県医師会の会員 であってもなくても、付属診療所も健診に参加 していただきたい。

昨日の保険者協議会では、離島は総合保健協 会にお願いできないかということであった。た だし、移動する費用の予算がないとのことで、 結論が出ず再検討していくことになった。まだ はっきりしていない。

●中部地区 2 月6 日の県医の説明会につい ては、混雑するのではないかと思っていた。地 区医師会に持ち帰って会員に向けて説明会を開 くということで会員に呼びかけてもよいか。

○県医師会 地区でもお願いしたい。ホーム ページについては、県医師会で対応できる。

料金については、ご納得いただきたい。

周知徹底していただきたいのは、途中参加がで きないことになっているので、迷っている医療機 関に対しては、今の時点で集合契約に参加しない とできないということを指導していただきたい。

検診料金は、九州の中で一番低くなってい る、佐賀以下にはならないようにと交渉してき たが、残念ながらこの料金になっているのでご 了解いただきたい。

●南部地区 県が2 月5 日に中央保健所で行 う説明会に参加が必要か。

○県医師会 県が中央保健所で行う説明会 は、介護療養病床の削減についても説明もある ので、その先生方は参加していただきたい。

4.北部地区医師会が運行するMESH(メッ シュ)救急ヘリコプターの運航継続の件

名嘉真北部地区医師会長より資料に基づき説 明があった。

<提案内容>

北部2 次医療圏は本島の約50 %の面積を有 し、医療過疎地が散在し、伊平屋、伊是名、伊 江島などの離島を抱えている。国頭地区では、 救急者搬送に2 時間を要する地域もあり、平均 でも約60 分の搬送時間となっている。

いくら受け入れる医療施設が充実しても、搬 送に時間がかかっては救命の目的が達せられな い。どうしても北部地区の救急医療にはヘリコ プターによる搬送が不可欠である。

一方、昨年6 月16 日より開始したこの救急 ヘリ事業では、現在まで開始から約6 ヶ月間で 120 件以上の出動実績があり、ヘリ搬送の需要 があると考えている。

現在、北部地区医師会が運航費を全額自主負 担しているが、この救急ヘリが未来永劫やんば るの空を飛び続ける為には、どうしても外部援 助が必要となる。

平成20 年度には沖縄県の医療用ヘリ(ドク ター・ヘリ)の配備の為の予算措置が図られ る、明るい可能性もあるため、この機会に北部 の声を県政に届け、地域が求める医療を提供し たいと思っている。出動内容・症例・転院搬送 件数・地域別症例数・要請から治療開始時間・ 飛行地域と飛行時間は、資料のとおりである。

なお、現在、署名活動をしており、北部に知 り合いの方がおられたら是非署名にご協力いた だくようお願いしたい。

<県医師会回答>

北部地区医師会の要望は十分理解している。県 のドクター・ヘリ導入に関しての協議は正式には まだ行われていない。県医師会がどのように参加していくかもまだ決定していない。今後、運営等 を含めた協議会が発足すると思うので、その際に は、北部地区医師会の要望は伝えていきたい。

なお、去る1 月26 日(土)開催された九州 医師会連合会第2 回各種協議会―地域医療対策 協議会―にて、「九州各県のドクター・ヘリの 現状と国・県よりの補助」について、協議がな されたので参考にしていただきたい。福岡県が 1 億6 千5 百万、長崎県が1 億4 千7 百万とな っている。沖縄でもこのくらいの予算が動くの ではないかと考えている。

また、1 月9 日に開催された沖縄県救急医療 協議会において、ドクター・ヘリの国の基準が 高度救命救急センターとなっているが、高度を 外すよう要望している。現在、保健医療計画の パブリックコメントを募集しているので、是非 ご意見を出していただきたい。

<質疑応答>

○県医師会 おそらく来年度ドクター・ヘリ の予算がおりるようである。1 億6 千万円をど こにどう持っていくかまだ話していない。皆さ んの要望は、県に伝えているが、一つの予算を 2 カ所の病院に割れるのかどうか、救命救急セ ンターのようなものになるのか決まっていな い。また、次年度は、県立病院のあり方につい て、再編・民間への委託等について話し合いが 行われることになっており、どの病院が該当す るのか未定である。

●北部地区 北部地区にも救命救急センター の指定をお願いしますと県に依頼したが、断ら れた。国の基準ということではなく、地域の実 情に合わせて指定をお願いしたい。

○県医師会 北部地域は、県立北部病院と北 部地区医師会病院の二つしかない。地域のトータ ルとして、地域性を考えてやっていかないといけ ない。北部の要望は、福祉保健部も承知している。

●中部地区 北部地区の救急整備をすること は大変重要である。そうでないと、中部医療圏 に影響がある。県立中部病院のNICU が北部か らの患者でいっぱいになって、中部の開業の施 設に患者を送らないでという話もあった。中部 医療圏の医療が安定するためにも、北部地区の 救急医療の安定が必要である。北部地区医師会 が一生懸命やっておられるので、中部地区とし ても支援したいし、県医師会でもバックアップ していただくようお願いしたい。

○県医師会 北部からの要請は県福祉保健部 もわかっている。北部の趣旨は県医師会として も伝えていきたい。

福祉保健部との連絡会では、救命救急センタ ーの指定は難しいとの回答をいただいたが、近 未来的にドクターヘリを利用するシステムが普 通になると思う。その中で全国に先駆けて、現 在2 つの動いているドクターヘリを継続させて いくとういう考え方でもって、北部地区医師会 がやられているのを、県医師会としても支援し ていくのが大切である。指定条件は救急救命セ ンター等ぐらいにしていただいて、現実動いて いるものを発展させられるようにしていければ と考えている。

現在実施している署名活動はとても重要。継 続して、署名活動でアピールしていったらよいと 思われる。県医師会としても協力していきたい。

●北部地区 県の保健医療計画に入れられな いか。

●琉大医会 県の災害に対する体制作りが必 要。大学病院の果たす役割が重要になってくる と思う。救急部でも災害等に関して協力してい きたいと考えている。琉大もNICU のレベルが 高いので、協力して役割を果たして生きたい。

○県医師会 浦添総合病院も含め、運用でや っていければいいと考えている。

救急協議会には、大学から救急部教授も出席 されており、保健医療計画の中にも大学病院の 役割を明記すべきと話されている。

●南部地区 ドクター・ヘリの継続のために、 地区医師会長会議からの要請として出した方が よいのではないか。

○県医師会 まだ予算も決まっていないの で、タイミングをみて県医師会で要請を出して いくことにする。