理事 宮里 善次
この度中部地区医師会長の金城進先生の推薦 で県医師会の仕事をすることになりました。
この文章を依頼された段階で担当部署はまだ 分かりませんが、与えられた分野で宮城会長の テーマである『地域に根ざした活力ある医師 会』を推進すべく、頑張りたいと思います。
さて、昨今の医療制度改革は国家や政府の中 長期展望と云うよりも、医療費削減がメインテ ーマになっており、パッチワーク的な改革で 様々な不具合が生じています。医療機関の倒産 も増加傾向で過去に例がないほどの数になって おり、公立病院も同様にそのほとんどが苦戦を 強いられています。
昨年、第166 回通常国会で成立した『地方公 共団体の健全化に関する法律』の施行を受け て、地方公共団体の病院事業の経営健全化が求 められることになりました。『公立病院改革ガ イドライン』として、12 月末に総務省から各都 道府県に通達がなされています。
改革の3 つの視点として
(1)経営効率化(3 年以内)
(2)再編・ネットワーク化(5 年以内)
(3)経営形態の見直し(5 年以内)、をあげており、一年以内に策定することや、実施期限も提示しています。
特に経営効率化においては経常収支比率、人 件費比率、病床利用率などの具体的な数字目標 (民間病院並の効率化を目差して)の設定を求 めており、独立法人化した時の、一般会計等か らの操出の制限まで言及しています。
累積500 億円の赤字を生み出したシステムに 対する対策は当然ですが、沖縄県で県立病院が 果てしている役割はあまりにも大きく、他府県 とは比べものになりません。気になるのは『公 立病院改革ガイドライン』の視点は財務からの 視点であり、安全で質の高い医療の提供と云う 視点が薄いことです。
県立病院の経営健全化の進め方によっては、 民間医療機関もバランスを失い『地域に根ざし た活力ある医師会』が根底から揺らぐ可能性も 否定できません。
沖縄県の医療の質を確保維持すべく、県医師 会は公立病院改革に対して積極的に提言してい くべきだと考えます。