沖縄県医師会 > 沖縄県医師会の活動 > 医師会報 > 4月号

県医師会の仕事

玉城信光

副会長 玉城 信光

2 年前に県医師会の仕事を始めた。あっとい う間の2 年であった。助産師不足の解決のため に助産師専攻科が県立看護大学に設置され4 月 から始まる予定である。また歴代の医師会執行 部の懸案事項であった医師会館の建設用地が確 定され、いよいよ着工の運びとなった。今年の 11 月完成予定である。女性医師部会も立ち上 がりこれから部会の大切さが女性医師の間に浸 透していくであろう。1 期目の仕事としては少 し進んだかもしれない。しかし積み残した仕事 も多々ある。一番の残りは後期研修の問題であ る。沖縄の研修システムを日本一にできない か。今年の大きな課題である。

また昨年の医療機能調査に基づき4 疾病、5 事業の地域医療連携が4 月から開始される。特 に肥満県沖縄の地域の医師会として糖尿病対策 をどのようにするのか、特定健診でチェックさ れてくる人々をどのように指導していくのか、 大きな事業である。

長寿県沖縄復活のためのプログラムの実施も 求められる。チャーガンジューおきなわ応援団 として県医師会も団体としてどのように関与し 実行するのかが問われる年になりそうである。 私を含め肥満の対策、自殺の予防、癌死亡の減 少が長寿日本一への近道である。

介護療養病床の削減による介護難民を出さな いためにも地域ケア構想を実行力あるものにし なければならない。地域における受け入れ体制 をどうするか。また今年度は県立病院改革の議 論が高まるであろう。県立病院の問題は各県立 病院のおかれている地域医療の問題として取り 上げられる。県医師会でも取り上げて検討する 予定であるが、地区医師会においても地域医療 の観点から、県立病院の役割を議論する必要が あるであろう。

県医師会の仕事は多岐に渡っているが実際に 実行する場所は地区の医師会である。各地区医 師会が協力して地域医療に取り組んでいくこと が医師会の社会的地位をあげ、県民から信頼を 得ることになる。

昨年は政策参与という仕事を拝命した。実際 に何ができたか?未完成だが、政策参与のもと に沖縄県で行われている健康に関する事業がた くさん説明される。たいへん面白い事業が多く 行われているのである。IT を使い健康情報を集 約、活用する事業や携帯電話を利用し健康情報 の管理、沖縄に来ると元気になるがどうしてな のかを検証する事業、沖縄の野菜を食すると健 康になるのか。大学院大学が軌道に乗ってくる と創薬という分野に踏み込んでいくことになる であろう。そのために沖縄型治験ネットワーク の構築をすすめる事業、医療特区等を含めた先 端医療が沖縄で出来ないか。治験センターを中 心に治験を進める中で、厚労省ではなくFDA の 認可を受けるシステムが構築できないか。

沖縄は新たな世界に踏み出そうとしている。 医師会の果たす役割は大変大きい。皆で力を合 わせ飛躍の年にしたいものである。