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平成19年度都道府県医師会
勤務医担当理事連絡協議会

常任理事 安里 哲好

去る11 月30 日(金)日本医師会に於いて、 標記連絡協議会が開催された。

協議会では、全国医師会勤務医部会連絡協議 会に関する事項として、本会から平成19 年度 報告として去る10 月13 日に本会において開催 された同協議会について報告し、お礼を述べ た。次に、千葉県医師会から平成20 年度担当 するにあたっての概要の説明があった。また、 都道府県医師会からの勤務医活動報告として、 4 つの県医師会(1)栃木県、2)富山県、3)奈良 県、4)鳥取県)より勤務医に関する取り組み状 況などの報告があった。

報告のあと、予め岩手県、福岡県、広島県、 愛知県、大阪府の5 府県から寄せられた質問や 要望について協議(意見交換)を行った。以下 に会議の模様を報告する。

日本医師会勤務医担当の鈴木満常任理事の開 会の辞に始まり、唐澤人会長は、「本連絡協 議会は、日本医師会が勤務医に関わる諸問題に ついて、検討していく大きな柱の一つである重 要な会議だと認識している。また、先般、沖縄 県で開催された全国医師会勤務医部会連絡協議 会においては、全国から多数の先生方にご参加 頂き誠に感謝申し上げる。担当県である沖縄県 医師会の宮城信雄会長を始め役職員の皆様に は、この場をお借りして厚く御礼申し上げる。 さて、昨今の医師不足の問題、過重労働の問題 は、長年に渡る医療費抑制策が本質的な要因と なっていることはご承知のとおりである。日医 としても、グランドデザイン2007 の各論に示 してあるとおり、医師不足に対する政策とし て、緊急対策、短期的対策、中期的対策を提言 し、財源手当てを伴った体制を整備するための 活動を推進しているところである。また、勤務 医の過重労働の負担軽減を図るべく、メディカ ルクラーク等の財源確保を強く求めている。」 と挨拶し、議事に入った。

報 告

1.全国医師会勤務医部会連絡協議会について

1)平成19年度報告(沖縄県医師会)

本会を代表し、私から報告を行った。(内容 は印象記を参照)

2)平成20 年度担当医師会(千葉県医師会)

平成20 年度担当の千葉県医師会石川広己理 事より、次回開催期日について報告があった。

  • 期日:平成20 年11 月22 日 10 : 00
  • 場所:東京ディズニーシー内 ホテルミラコスタ

埼玉、沖縄と勤務医の窮状が訴えられたが、 千葉では少し出口が見える様な論議を考えてい る。詳細が決まり次第連絡を予定しているの で、全国から多数の参加をお願いしたい。

2.都道府県医師会からの勤務医活動報告

4 つの県医師会から勤務医活動について報告 が行われた。

1)栃木県医師会 福田健常任理事

平成18 年度より勤務医部会を立ち上げ、以下 9 項目の基本的活動方針(1)勤務医に対する定期 的な医療情報提供、2)勤務医の意見発表機会提 供、3)県医師会が設置する委員会への構成委員と しての参画、4)勤務医の組織強化、5)勤務医の福 祉増進ならびに親睦、6)勤務医の勤務環境の向 上、7)地域医療の充実、8)生涯教育の充実、9)そ の他目的達成に必要な事項)を定めている。

本部会の主な特徴としては、部会内に3 つの 特別委員会(1)勤務医と医師会のあり方検討委 員会、2)医療政策委員会、3)労働環境調査委員 会)を設けている。各委員会では、勤務医にヒ アリング等を行い、対策を盛り込んだ答申を2 年間かけて作成し、県医師会へ提出する。1)勤 務医と医師会のあり方検討委員会では、勤務医 が医師会及び勤務医部会へ入会しやすい環境を 作るために何が必要なのかを検討しており、2) 医療政策委員会では、医師不足問題を中心に、 勤務医の待遇改善、医療事故の法整備、専門性 の確立と情報発信など検討。3)労働環境調査委 員会では、勤務医の厳しい労働環境、また、女 性医師の抱える問題等について調査し検討する。

最近実施した栃木県内の勤務医師数調査では、 各医療圏を代表する13 の基幹病院へ過去10 年間 の医師数の推移について調査を行ったところ、 2004 年(H16)から総医師数の著しい減少が見 られ、小児科・産婦人科に加え、内科医師数も同 様に減少してきていることが明らかとなった。ま た、本年8 月の勤務医部会総会において、県医師 会、勤務医部会の連名にて声明文を採択し、関係 省庁や外国人メディアに発信した。

2)富山県医師会 能登啓文理事

平成19 年7 月14 日に勤務医部会設立総会を 開催した。総会では日本医師会唐澤会長より祝 辞を頂き、特別講演では、日本医師会鈴木満常 任理事より「医師不足を巡る最近の状況」、日 本医師会男女共同参画委員会委員長の保坂シゲ リ先生より「男女共同参画は、医師会の未来を 拓く、日本の医療の未来を拓く」と題し、熱く 語って頂いた。

今回勤務医部会を設立するにあたっては、劣悪 な勤務環境の中、労働基準法を遵守するには程遠 い点や労働の質に見合った報酬が得られてないこ と。あるいは、不可避と思われる合併症への訴訟 と刑事訴追の介入、新医師臨床研修制度の導入 に伴い、研修医が都市部へ偏在していることなど をしっかり議論し、希望が持てる勤務医の将来展 望を築くということが目的となっている。

勤務医部会役員構成で重きをおいたのは、幅 広い委員構成を目指した点である。部会長に富 山大学の教授に就任頂き、副部会長3 名は公的 病院、民間病院、県医師会役員、理事26 名は、 各医療圏から12 名、公的病院から5 名、民間病 院から2 名、女性医師から3 名、県医師会から 若干名とした。また、監事は公的病院から2 名、 顧問は富山県医師会長に就いてもらう構成にな った。未だ始まったばかりであるが、積極的な 活動を展開し、次年度の協議会で報告したい。

3)奈良県医師会 山本博昭理事

平成元年、全国20 番目に勤務医部会を立ち 上げた。平成15 年度には、全国医師会勤務医 部会連絡協議会を担当した。現在、県下約 3,000 名の医師がいるが、医師会への加入は 2,000 名に留まっている。勤務医には、医師会 に入会してもらうよう鋭意努力をしているが、 最近会費の問題等々もあり減ってきている。そ の要因に施設が会費を補填しなくなった影響が 強く出てきており苦心している。

奈良県医師会各種委員会および学術・専門部 会役員に占める勤務医数については、平成15 年度の全国大会を機に、年々徐々に中心的役割 を担う勤務医の先生方が増えてきたことは1 つ の成果だと考えている。

また、平成17 年度には、勤務医・研修医の 会員数を増やしていくための試みとして「医師 会入会のご案内」のパンフレットを作成し、県 内の各病院や地区医師会などへ配布した。ま た、研修医会員(C 会員)の年会費を24,000 円から6,000 円に引き下げ、今年10 月初めて 1 名加入頂いた。また、昨年度、勤務医部会内 に女性医師の委員会を立ち上げた。女性医師の 会は今後、非常に力を付けて来ると考えてお り、心強い限りである。

研修医に関する取り組みとしては、医師職業 規則を独自で作成し、各医療機関で掲示するよ う周知している。また、オリエンテーションに 担当理事を派遣し、説明会を設けている。医師 の倫理に力を入れている。

4)鳥取県医師会 武田倬理事

昭和62 年1 月に全国13 番目に勤務医部会を 立ち上げ、各地区医師会勤務医部会と連携を図 りながら、勤務医の医師会への入会ならびに医 師会活動への参画促進の役割を担ってきた。平 成12 年10 月には鳥取市において第21 回全国 医師会勤務医部会連絡協議会を開催した。

本部会における実績としては、平成15 年度、 翌年に控えた新医師臨床研修制度の施行にあた り、研修医の会費無料化ならびに勤務医の入退 会手続きの円滑化を、県ならびに地区医師会へ 提案。その結果、各医師会から理解を得て、平 成16 年4 月より研修医の会費無料化が実現、 県内で臨床研修を行うほぼ全ての研修医が県医 師会、地区医師会へ入会するようになった。ま た、勤務医の入会金は県、地区医師会とも徴収 せず、入退会異動手続きにおいても、各医師会 事務局が勤務医の所属する病院の事務部と連絡 を取り合いながら、円滑に進むようサポートを 行う体制を構築した。なお、臨床研修終了後、 約2/3 が会員を継続している。

この様な結果から研修医、勤務医が医師会へ 入会しやすく、しかも早い段階で医師会活動へ 参画でき、地域医療の視点を持って貰うという 取り組みが良かったと考えている。

その他、喫緊の課題である勤務医の過重労働、 医師不足・偏在等について、非会員を含む勤務 医がどのように感じているのか等幅広く意見を 収集すべく、勤務医意識調査を行ったことが報 告された。その結果から、週8 時間以上外勤務 を行う勤務医比率は7 年前に比べ20 %増加し、 月100 時間以上の時間外勤務を行っている勤務 医が1/4 にも達していることが明らかになった。 更に、身体的負担のみならず、精神的負担も過 重となっている実態が示され、職場へ不満を持 つ者の比率は7 年前に比べ倍増していた。

協議(意見交換)

日医勤務医委員会池田俊彦委員長の進行のも と、予め岩手県、福岡県、広島県、愛知県、大 阪府の5 府県から寄せられた質問や要望につい て協議(意見交換)を行った。

1.医療崩壊に対する取り組みについて (岩手県)

岩手県医師会の望月泉常任理事は、新医師臨 床研修制度発足とともに、大学から地方への医 師派遣体制が崩れ、医師の偏在、診療科の偏在 が顕著となり、地方の病院から医師がいなくな る医療崩壊の危機が叫ばれるようになった。こ の医療崩壊に対する取り組みとしては、医師を 増やすことが必要であるが、現状での短期的対策としてマグネットホスピタル構想も視野に入 れた医師派遣体制を構築して、地域における診 療を担っていくしか方法は無いと考えている が、各県の状況は如何か。(※各県から意見は あがらなかった。)

2.入会促進および入退会の手続きについて (福岡県)

福岡県医師会の家守千鶴子理事は、勤務医の 入会率が高い医師会では、入会促進についてど の様な工夫・取り組みがなされているか、ま た、所属する医師会を異動する際の諸手続きの 問題について簡略化を検討中であり、各県の取 り組み事例があれば伺いたい。

茨城県医師会の伊東良則常任理事は、入会に 対するメリット・デメリット論は論外、メリット は無いに等しい。学会と同じように全員が入れる ような仕組み(会費引き下げ)を作るべきであ る。そうすれば開業医だけの団体であると誹謗中 傷されることはなくなる。旧態依然の会費の問題 を改めて考えて頂きたい。医政なくして医療なし というように、政治と結びついてやっていかなけ ればいけない時期にきていると強く訴えた。

また、福井県医師会の大中正光副会長は、先 の代議員会で静岡県からあがった質問(弁護士 会と同様の仕組みが取れないか)で、日医は一 度調べてみるとの返答であったが、その後如何 かと質問した。

これに対し宝住副会長は、強制加入について は自己規制が多く我が国では馴染まないと考え る。また、思想信条の問題などが出てくる。ま た、国家統制が強くなり、種々活動が制限され てしまう。皆が自発的に入会出来るようになれ ば、それと同等の機能を持つようになると考え る。今度、公益法人を取得する際に今の意見も あったことを踏まえ検討したいと回答した。

また、愛知県医師会の川原弘久理事は、会費を 安くして、開業医と同等の権利というのは難し い。現状の加入率を上回ることはなかなか無いと 思う。何も全て組織されなくとも勤務医の抱える 諸問題を色々な場面で解決していくスタイルを日 医執行部は取っていけば良いと思う。そういう視 点が欠けていたように感じると指摘した。

また、山形県医師会の武田憲夫常任理事は、 勤務医の意見を直接聞くため、直に行って話を 伺うことも一つの手である。昨年、山形県では 会長が3 ヶ月かけ県内病院を訪問し、直に勤務 医から話を伺った。同行して感じたことは、医 師会の顔が見えてきたことである。具体的な成 果は分からないが、そこに参加した勤務医の意 識が微妙に変わったのを感じた。今出来る範囲 で生の声を聞くシステムを作って頂ければ良い と提案した。

3.全国医師会勤務医部会連絡協議会のあり 方について(広島県)

広島県医師会の高田佳輝常任理事は、勤務医 を巡る諸問題は非常に多く、これらが医療崩壊 の一因となっていることはご存知のとおりであ る。全国医師会勤務医部会連絡協議会は、日本 全国から勤務医の先生方が300 人以上も集まる 一大イベントである。過去4 回この会に参加し ているが、協議会の進行は討論よりも報告主体 で、全体としてややマンネリ化し始めている。 医師会の組織力強化、勤務医の関心を目覚めさ せる観点から、討論重視の会に変えて頂きた い。それが最も効果的な方法ではないかと考え る。勤務医が医師会活動に目を向ける手段とし てこの会を活用して頂きたい。次期担当県であ る千葉県には是非、これらのことを踏まえ、ご 検討頂きたい。

追加発言で愛知県医師会の川原弘久理事は、 各県任せではなく、日医が指導制を発揮し、担 当県と綿密な打合せを行いながら、主要なテー マは何かということを、この数年は絞ってやっ ていかなければいけないと強調した。

これに対し、池田委員長からは、勤務医委員 会の中で先生方の意見を充分に承った上で、そ の結果を千葉県ともすり合わせていきたいと回 答した。

また、福島県医師会の有我由紀夫常任理事か らは、先の沖縄大会では素晴らしい盛り上がりを 感じた。翌朝、地方紙2 紙を購入したが、トップ 記事でこの協議会が取り上げられていた。沖縄大 会を踏まえて、是非、全国紙で紙上討論して欲し い。あの熱意を一度で消すのではなく、別の機会 で是非とも展開して頂きたいと要望した。

4.夜間における特定医療費の扱いについて (愛知県)

愛知県医師会の川原弘久理事から、現在医師 不足によって、救急医療では特に二次、三次の 現場では一次の患者が集中し煩瑣を極め、病院 医療は疲労を来たしていることは明白である。 色々セーブする方法を取らなければ病院事業の 崩壊はますます進行するのではないかと危惧す る。時間外、深夜の負担を高く設定すれば、少 なくとも病院外来患者の減少の一助となるので はないか。また、病院で設定している特定療養 費は深夜では徴収できず、割安感が患者サイド にあることも否めない。従って、特定療養費も 重複して徴収できるよう中医協等で要望して頂 きたい。(※池田委員長からご要望として承る 旨回答があった。)

5.一歩踏み出せ!全国の勤務医(意見) (大阪府)

大阪府医師会の藤田敬之助理事から、先の沖 縄大会で池田委員長が「一歩踏み出せ、全国の 勤務医」と提言されたことを心強く感じた。地 域医療の崩壊の原因は、政府の医療費抑制策に あることは明らかである。それを文章で書いた り、討議で話をしても何も改善しなかった。よ り悪化してきているのが現状である。市民集会 で良心に訴えかけることも大事だが、それでは 生ぬるい。今や地域医療がこれ以上崩壊しない ように勤務医は行動しなければならない。一日 ストライキ、あるいはデモ行進などのアクショ ンは如何か。患者に影響が少ない当直翌日勤務 のボイコット、諸外国でもあったようにデモ行 進は如何か。マスコミ向けにはインパクトがあ る。スローガンは、社会保障費2,200 億円削減 反対!総医療費をOECD 加盟国の平均並に増額 せよ!医師の数をOECD 加盟国の平均並に増や せ!とにかく一歩踏み出すことを提案したい。

池田俊彦委員長は、我々の不満や怒りを何と か見える形で行動に移していくことが非常に大 切であると述べた。

また、福岡県医師会の家守千鶴子理事は、本 県でも12 月にデモ行進を予定している。非常に 意義のあることだが、どれだけの人数を集める ことが出来るか心配している。こういう行動は どれだけの参加があるかが重要である。そうい う意味から、是非一度、日医で音頭を取って頂 き、大々的なデモを企画して欲しいと要望した。

6.その他意見

○宮城県医師会の橋本省常任理事は、勤務医に は医師会が何をしているのか見えていない。 日医は勤務医の実態を熟知していると思うの で、対外的情報発信の際には、勤務医という 文言を是非加えて頂きたい。グランドデザイ ンの総論・各論を見ても勤務医の文字は一切 入っていない。日医が勤務医のために骨を折 っていることを具体的に分かるよう提言して 欲しいと述べた。

○茨城県医師会の伊東良則常任理事は、近年、勤 務医にかかわる諸問題はかなり活発な討議が行 われている。出来れば、この会の内容を日医ニ ュースの紙面に掲載するのではなく、日医雑誌 の別冊として出して頂きたい。また、池田委員 長には是非とも我々の代表として、勤務医の声 を唐澤会長へ訴えて欲しいと要望した。

○日医勤務医委員会の泉良平委員(富山県医師 会副会長)は、今現在、都道府県医師会に29 しか勤務医部会がない。是非、全ての県で勤務 医部会を立ち上げて頂きたい。また、日医とし ても部会の設立を積極的に促して頂き、サポー トをお願いしたい。部会が設立されれば、そこ で勤務医の意見が集約されると述べた。

○愛媛県医師会の首藤貴常任理事より、本年4月、勤務医の医療環境の問題点を探るべく、 愛媛県医師会勤務医部会委員22 名を対象に 実施したアンケート結果を基に、税制上の働 きかけとして、医師賠償責任保険や専門医資 格、技術の取得・維持など生涯教育等にかか る費用等を特別控除して貰えるよう国に働き けて頂きたいと要望した。

まとめとして、宝住副会長から「学会出張や 当直料など、税制の問題はなかなか難しい問題 があるが、今、医師税制の検討委員会でお願い している。また、勤務医の待遇改善について は、最終的には医療費の増額に行き着くと思う ので、我々としては財政中立を払拭すべく努力 しているが、我々の力だけではどうにもならな いこともあるので、是非先生方の協力によっ て、政治力をもって解決していきたい。」と述 べ、会を締めくくった。

印象記

安里哲好

常任理事 安里 哲好

小生の日医での報告を持って、協議会の印象記とさせていただきます。

「高めよう勤務医の情熱、広げよう勤務医の未来」をメインテーマとし、都道府県医師会勤務 医担当理事連絡協議会を担当しました。協議会の折は北海道を始め、全国から多くの先生方のご 出席(総数381 名)の元に、唐澤人会長には特別講演、池田俊彦委員長には日本医師会勤務医 委員会報告をいただき、誠にありがとうございました。日医勤務医部会の委員の皆様には協議の 運営に多くのアドバイスと「沖縄宣言」文作成の折には貴重なご意見を、また、「沖縄宣言」文作 成には、大阪府医師会勤務医部会のご助言もいただき、感謝の念に耐えません。

印象に残ったと申しましょうか、当県のアンケート調査報告は基礎アンケート調査に独自の3 項目をテーマに追加し分析し、まとめに加え、エッセンスまで延べ、興味深い報告だったと思い ます。フロアーから質問したい雰囲気を感じましたが、時間もオーバーし、質問を受けなかった のは心残りがいたしました。

シンポジウムでは「病院の機能分化について〜勤務医の現状をふまえて〜」と言うテーマに沿 って、各々のシンポジストの発表は依光たみ枝先生の発表も含め、各々が素晴らしかったと思い ます。フロアーからたくさんの質問があり、予定時間を30 分もオーバーしたが充分に応えきれな かった嫌いもあり、松明が煌々と燃え上がる手前で、会を閉じ、「沖縄宣言」に移ったのは多少不 燃焼気味であったと感じるところであります。特別講演やシンポジストの人数を調整し、フロア ーからの意見を多くいただく時間を持つ点と、どんなテーマでも、医療行政や医療制度の質問が 出て来るので、それに対しても担当県は可能な限り、総力で情報を取集し、論陣を備えることの 大切さの二点を痛感しました。しかし、全国医師会勤務医部会連絡協議会において、皆様のご協 力を得て、素晴らしい「沖縄宣言」を採択できたことは祈念すべき一ページであったと思います。

「沖縄宣言」に関しましては、早速、唐澤会長より福田総理大臣、舛添厚労大臣をはじめ、多 くの関係各位に送付されたことに心より感謝申し上げます。昨今の新聞等で勤務医の労働環境の 厳しさやその延長上に地域医療崩壊があると言う論調が書かれており、また、診療報酬上の配慮 等のニュースが出ているようにも感じます。全国勤務医の労働環境改善の力強い後押しになれば と念願します。

最後に、埼玉県で燃え上がった勤務医の意識の昂揚が途絶えることなく、千葉県にバトンタッチが できたことを、本日、ご出席の皆様にあらためて、お礼申し上げ、担当県よりの報告といたします。