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「私のアンチエイジング法」

真栄城徳秀

真栄城耳鼻咽喉科 真栄城 徳秀

私は昭和35年1月生まれの48歳である。年寄 りではないが若くもない。10年前に比べて随分 と無理がきかなくなっているのがよくわかる。 見かけ上も髪の毛が白くなるのは仕方ないとし て口ひげ・鼻毛にも白いのが目立ち始め、数年 前からは耳毛(耳の入り口の内側の軟骨から生 えてくるヒゲ)が生え始めた。立派な老化現象 である。老化を止める事ができないのなら老化 を遅らせようと考え、1 年程前から食事・運 動・睡眠に関して自分なりに取り組んでいる事 があるので紹介したい。

まず食事である。1日3食を必ずとるように し、特に朝に時間をかけ1日の摂取エネルギー のうち4割から5割を朝食からとるようにして いる。野菜・果物・大豆(納豆や豆腐)を毎日 食べ、朝は炭水化物中心、夜は蛋白質中心とし ている。1日1食は油を使っていない料理にして いる。私は甘党で生クリームやケーキが大好き なのだが、それらは朝食の時に食べるようにし ている。間食はしない。夕飯は粗食(値段が安 いという意味ではなくバランス食で低カロリー という意味)を心がけ、そのぶん医師会の班会 や各種講演会後の懇親会の席では豪華な食事を たらふく食べる様にしている。次に運動である が、最初の頃は仕事が終わってからジョギング をしていたが長続きしなかった。時間的にも肉 体的にも目いっぱいの状態で挫折してしまっ た。運動はたまにやっても効果がない。少しで もいいから毎日やる事が大事と考え、今では職 場にいる時間内に運動を取り入れている。朝出 勤してから診療が始まるまでに5階まで階段を 2段ずつ連続5往復している。その後軽いスト レッチ。時間にして10分程度だがいい有酸素運 動である。診療が終わってからもう3往復。この階段昇りは私にとってきつ過ぎず楽過ぎず、 短い時間でできその気になればすぐ出来るとい う最大のメリットがある。挫折せず現在まで続 いており天候にも左右されないため毎日でき る。何げなく足を後ろへ持ち上げると太ももの 後ろの筋肉が盛り上がってきているのに気づい た。うれしくなってもっと頑張ろうという気に なる。最後に睡眠であるが、睡眠をバカにして はいけない。食事や運動と同じくらい、場合に よってはそれ以上に重要だと思う。睡眠不足が 続くとちょっとした事で怒りっぽくなるが、す るとコルチゾールが過剰分泌され血圧も血糖値 も上がり今流行のメタボへ自分自身で向ってい る様なものである。また人間は睡眠中に身体の 疲れをとると同時に記憶の整理も行っているの だそうだ。したがって睡眠不足が続くと疲労が 溜まるだけでなく判断力、記憶力ともに低下し 仕事にも悪影響を及ぼす。必要な睡眠時間は人 によって異なると思うが、翌朝熟睡感が得られ る睡眠を確保する事は健康にとっても仕事にと っても、とても重要な事である。深い睡眠のた めに私は3つの事を心がけている。「眠くなって から床につく」「毎日決まった時間に起きる」 「昼寝は30分以内」である。夜遅いという理由 で床に入っても眠くなければ眠れるものではな い。時間が経つにつれ焦るだけである。眠ると いう動作は自分の意思でコントロールできな い。逆に起きるという動作は自分の意思でコン トロール可能である。人間は起床してから16〜 17時間たつと自然に眠くなる事が分かってい る。逆に言うと起きてから16時間ぐらいたたな いと眠くならないのである。したがって起床時 間が遅いとその日の就寝時間も遅くなってしま い、結局睡眠不足に陥りやすい。早く寝たけれ ば(早く眠くなりたければ)、早く起きる事で ある。その日の起床時間で就寝時間も決まると 考えるべきである。私は何時に寝ても起床時間 は一定にしている。そうする事によって睡眠不 足の日が続かない様にしている。また30分以内 の昼寝は体に良いが、1時間以上の昼寝は夜の 睡眠に悪影響を及ぼす事もわかっている。昼寝はしないよりはした方が良いが、30分以内にす べきである(休みの日はつい寝過ぎてしまうた め要注意である)。意識が変われば行動が変わ り生活習慣も変わります。さあ、皆さんも自分 なりの方法でアンチエイジングをしませんか。