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平成19年度九州医師会連合会第1回各種協議会

3.庶務会計対策協議会

常任理事真栄田 篤彦

庶務会計対策協議会は、コメンテータとして 日本医師会より今村聡常任理事がご出席され、 主に平成20年12月に施行され5年間の移行期間 を経て実施に移される「公益法人制度改革」に ついての意見交換、日医の対応等についての説 明が行われた。

この度の法人制度改革は、これまで公益法人 を隠れ蓑に様々な優遇措置を受けている団体が 見受けられることから、これらの問題を是正し、 民間の非営利部門の活動の健全化を促進するこ とを目的としている。

医師会は今後、公益認定社団法人、一般社団 法人のいずれかの法人格を取得することにな り、日医はいち早く公益認定を目指すことを決 定している。本会も先般の地区医師会長会議に おいて、本会及び法人7地区医師会は公益認定 を受ける方向で進める事を確認した所である。

当日の協議会では、まず、新法人制度移行に 際しての九州各県の具体的な取り組み状況、例 えば、定款変更、議決権の問題(従来、予算・ 役員選出等重要事項は代議員会議決事項である が今後は全て総会での決議事項となる)、公益 目的事業費比率(事業収益の50%以上を公益 事業に充てなければならない)等について意見 交換を行った。

各県の状況としては、当該法人制度改革につ いては改革の詳細を示すガイドライン、税制等 が示されていないことから、各県とも具体的な 検討には至っておらず、今後日医の指導を仰ぎ ながら対応を進めていきたいとの見解を示し た。その中で、特に郡市区医師会立の医師会病 院・健診センター等の共同利用施設の保健医療 事業が公益事業として認められるか等懸念する 質問等が多かった。

また、意見交換を踏まえ、日本医師会の今村 聡常任理事から以下のとおりコメントが述べら れた。

○当該法人制度改革については、改革作業の手 順となるガイドラインの作成が遅れているた め、具体的な作業ができない。

○所管の内閣府は公益認定を受けると、税制を 優遇(寄付金控除、公益目的に支出する費用 は非課税等)を主張しているが、財務省と見 解が一致しているわけではない。

○公益認定を受けると、公益認定法人○○医師 会と名称独占はできるが、行政・官庁からの 報告聴取や立入検査、監査命令等が出る可能 性があり、それに対応する事務員1〜2名の 増員が必要と言われており、都道府県レベル では対応可能だと思うが規模の小さい郡市区 医師会ではそこまでコスト負担ができるのか 問題もある。

○現在、医師会の開放型共同利用施設及びそれ を運営している医師会の行う医療保健事業は 非課税となっており、それについては継続し て貰うよう日医としても強力に要望してい く。そうすれば、共同利用施設を持っている 郡市区医師会が万が一認定を受けなくても法 人税は納めなくても済むことになる。また、 病院を独立させ社会医療法人病院として外出 し出来るよう税制措置に関する要望も強力に 進めていく。

○郡市区医師会の対応については、日医におい て指針のようなものを作成して配布したい。

印象記

真栄田篤彦

常任理事 真栄田 篤彦

平成20年12月に施行される「公益法人制度改革」について検討してきたが、肝心の改革のため のガイドラインが未だ出来上がっていない状況での協議なので、来年の1〜3月まで掛かりそうな 仕事である。公益法人への移行に関しては、日医の方針では、都道府県医師会の組織も、この公 益法人に移行して頂きたいとのこと。ただし、小さな郡市町村の医師会でこの法人に移行した場 合、法人化後の書類作成、報告等で手間暇掛かるので、担当事務員の新たな人件費用が1〜2名分 のかさむことになるとのことで、小規模の医師会に関しては、公益法人として費用面からの負担 が大きく、この法人化は「一般法人」と「公益法人」とに規定されるので、そのメリット・デメ リットを充分考慮してよく検討する必要があるとのことであった。法人化の移行は避けては通れ ない措置なので、今後新たな情報が入り次第、各地区医師会にお知らせしていきます。