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平成19年度九州医師会連合会第1回各種協議会

2.介護保険対策協議会

小渡敬

副会長 小渡 敬

平成19年9月15日(土)長崎市において介護 保険対策協議会が開催された。出席者は、私と 今山理事と事務局の計3名。

協議会では、療養病床の再編を中心とした計 11題について協議が行われた。

療養病床の再編については、厚生労働省は療 養病床の転換先として、医療機能を強化した (仮称)医療機能強化型老健施設を来年度に創 設する方針を示しているが、各県ともに、「療 養病床転換意向等に関するアンケート調査を行 ったところ老健施設等への転換を希望する施設 は非常に少ない」と説明があり、その理由につ いては、「医療機能強化型老健の報酬や人員配 置基準が明確にされておらず、また従来の老健 との区別が明確でないこと等が挙げられてい る」との説明であった。また医療機能強化型老 健については、厚労省が従来の老健からの転換 は認めないと示していることから、各県より、 「従来の老健においても充実した医療を提供し ている場合があるにも関わらず転換が認められ ないという財源ありきの施策に疑問を感じる」 と意見された。

日医の天本常任理事より、「介護療養病床の 再編については財源ありきで検討が行われてお り、利用者のニーズや医療提供体制のあり方等 については後から正当化しようとしているの で、いろいろと矛盾を生じている」と意見が述 べられ、介護報酬改定が1年前倒しで行われよ うとしていることについて、「事業計画に必要 な単価、人員配置基準を明確にするということ で1年先に報酬を改定する方向で話が進んでい るが、先ずは既存の老健の人員配置の実態等の検証や、医療区分1の全て、医療区分2の30% の病床を削減するという問題を、もう一度原点 に戻って考えていくべきであると日医は主張し ている。来年、報酬改定があった方が良いのか 無い方が良いのか非常に迷っているところであ る。報酬改定が前倒しになると、結局ファジー な形に収まる可能性もある。もう少し議論した い」との見解が示された。

来年度から施行される後期高齢者医療制度に ついても協議が行われ、各県より、「後期高齢 者医療制度の設立に合わせて現れた“登録医” や“総合医”等の制度については、その意図が 何であるかを確実に把握し、日医として積極的 な提言や発言を行っていくべきである」と意見 され、日医の天本常任理事より、「あくまでも 機能としての幅広い視野で問題を解決するとい う医師については、日医が生涯教育として主体 的に養成していこうということで現在カリキュ ラム作成に取りかかっている。国の登録医制に つながるということは絶対に認めない」との見 解が示された。