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平成19年度九州医師会連合会第1回各種協議会

去る9月15日(土)、長崎市のホテルニュー長崎において、九州医師会連合会主催の標記 協議会が開催され、1)地域医療対策協議会(地域ケア整備構想など)、2)介護保険対策協 議会(高齢者医療など)、3)庶務会計対策協議会(公益法人制度改革など)の三つの協議会 が開催されたので、その概要を以下のとおり報告する。

1.地域医療対策協議会

副会長 玉城 信光

常任理事 大山 朝賢

当協議では、(1)地域ケア整備構想(2)有 床診療所の療養病床転換(3)医療費適正化計 画(4)医療計画の見直しと3疾病の連携体制 (5)特定健診・特定保健指導について情報交換 すると共に、日本医師会内田健夫常任理事から コメントをいただいた。

地域ケア整備構想については、各県とも療養 病床転換意向調査結果等を踏まえ県行政との調 整を行っていると説明があった。できるだけ多 くの医療療養病床を確保していきたいが、一方 で来春の診療報酬改定を控え、国の転換支援策 が次々と打ち出される中でこのような方針でよ いのか不安である、日医に早急な対応を求める 意見があった。熊本県から県民意識調査につい て報告があった。

沖縄県からも「転換意向調査結果について県 行政と調整を進めている。入院患者やその家 族、医療現場の声を反映させることが重要」と 回答した。

有床診療所の介護老人保健施設等への転換に ついては、各県とも条件的に非常に困難である との意見であった。急性期から慢性期・終末期 まで医療・介護に対応できる柔軟な病床を残せ るよう日医から国に働きかけていただきたいと 要望があった。

医療費適正化計画についての各県医師会独自 の取り組みについては、各県とも医療費適正化 検討委員会が設置され既に協議を行っており、 地域特性を考慮した必要病床を確保したいと考 えているとのことであった。また、都道府県レ ベルに来る前に日本医師会の段階で止めてもら いたいとの要望もあった。

本会から、新たな医療計画の見直し等を通じ た医療機能の分化・連携における3疾病(脳卒 中、急性心筋梗塞、糖尿病)の医療連携体制構 築について伺ったところ、県の委員会へ参加す る他、医師会内にプロジェクト委員会を設置し て3疾病についても詳細に検討している県もあ った。

特定健診・特定保健指導の九州各県の準備状 況・健診の一括契約については、各県とも行政 や保険者協議会と調整を図っているようである が、調整があまり進んでいない県もあった。沖 縄県からは、県行政・国保連合会・郡市医師会 を交えて意見交換会を開催して協議を行ってお り、集合契約を検討している旨報告した。保健 指導研修会を予定しているのは沖縄県の他数県 あったが、日医に医師向けのプログラムを作っ ていただきたいとの要望も出された。

日医の内田健夫常任理事から、「特定健診は、健診内容が従来の健診より後退することのない ようお願いしたい。保健指導カリキュラムにつ いては、300 分位を目処にカリキュラムを作り たい。健診結果の提出・請求については、紙ベ ースでも出せるよう行政と折衝を進めている。 地域ケア整備計画についての厚労省の政策はあ まりに短兵急なことであり、地域の実情を考慮 したものとするよう厚生労働省に要望してい る。厚労省も実際にはできないと言い出してき た。各地域からの積み上げで、検討材料を作っ ていただければありがたい。」とコメントがあ った。

印象記

玉城信光

副会長 玉城 信光

地域医療対策委員会で(1)地域ケア整備構想(2)有床診療所の療養病床転換(3)医療費適 正化計画(4)医療計画の見直しについての議論がなされたが、かなりの部分が介護療養病床の削 減にともなうことである。小渡副会長が介護保険の会議に出席しているので私が答弁することに なった。現場の意見が大切になることは各県の医師会でも承知しており、各地域における行政と の協議が大切になる。一番印象に残ったのは熊本県からの患者、家族に対するアンケート調査の 中間報告がなされ、医療者側のみでなく現場の家族の声が聞けたことはよかった。現実には老老 介護や一人での生活を余儀なくされる場合もあり、落ち着く先はどこなのか沖縄県でも検討され るべき課題である.

有床診療所の療養病床の転換意向の調査では沖縄県でもおなじであるが、療養病床が5床、6床 では転換後どのような状況で有床診療所の運営ができるのか検討がつかないといわれている。有 床診療所は一般病床や療養病床などの細かい区分けではなく、有床診療所病床というどのような 対応もできる病床群として認可されるべきであると大変貴重な意見が述べられていた。

今後、行政との意見交換がすべての分野において大切になると思われる。

それにしても医師会の仕事をしてから出張が台風に追われることが多い。最近つきが落ちてい るのだろうか。出発は台風のせいで一便遅れの福岡行きであった。医師会の職員はチケットの変 更で大変難儀をした。私は東京に用事があり帰りは9月17日東京発那覇行きの全日空便である。 沖縄地方に台風並みの大雨が降り、那覇空港に2度着陸を試みたが雨のために滑走路がみえず、鹿 児島に向かった。鹿児島で待つこと3時間、那覇へ発ったが、もし降りられない場合は関西空港 か羽田に向かうとのアナウンス。明日の手術をどうするか.羽田発6時の便に乗れれば1時間遅れ で手術が開始できる。いろいろ考えているうちに、雨の隙間をついて那覇空港についた。バンザ イである。羽田を出てから10時間ほどが経過していた。またしても昨年の日医出張時の羽田空港 ベンチ宿泊の疲れが思い出された。

翌日の手術はもちろん2例とも無事終了したことを報告しておく。

印象記

大山朝賢

常任理事 大山 朝賢

医療制度改革における医療費適正化の中長期的対策として、生活習慣病対策の強化が打ち出さ れ、平成20年度より特定健診・特定保健指導が医療保険者に義務付けられ実施されます。上記に ついて福岡県や宮崎県から各県医師会の進捗状況について情報提供の依頼がありました。

長崎県で開催された去った9月15日の協議会で、福岡県は10月5日に特定健診・特定保健指導 実践者育成研修会を持つことを、また本県も10月7、8日に研修会を開催することを発表しまし た。他の県はまだ準備段階のような状態でしたので本県は若干先んじている感じを持ったもので す。ちなみに10月7日に開催された「第1回沖縄県医師会標準的な健診・保健指導プログラム研修 会」には、355名の出席者がありうち医師は95名でした。