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沖縄県福祉保健部長 伊波 輝美 氏

伊波輝美氏
P R O F I L E
昭和47年3 月
お茶の水女子大学卒業
昭和48年4 月 沖縄県職員採用
平成9 年4 月 児童家庭課長
平成10年4 月 石嶺児童園長
平成12年4 月
男女共同参画室長
平成14年4 月 福祉保健部参事(兼)女性相談所長
平成15年4 月 出納事務局長
平成17年4 月 福祉保健部参事監
(沖縄県社会福祉協議会常務理事)
平成19年4 月 福祉保健部長

福祉保健部は、課題が多く、 やるべきことがたくさんあり ますが、課題解決に向けて自 ら走り回ります。

Q1.これまで経験された部署をお教え下さい。

昭和48年に総務部総務課へ採用後、昭和55 年に児童家庭課、昭和58年に保健総務課に勤 務し、その後、平成9年児童家庭課長、平成10 年石嶺児童園長、平成12年男女共同参画室長、 平成14年女性相談所長、平成15年出納事務局 長、平成17年沖縄県社会福祉協議会常務理事 を経て、現在に至りますが、福祉保健部の業務 を多く経験しています。

Q2.その中で特に苦労された部署または印象 深かったエピソード等があればお聞かせ願え ますか。

児童虐待の問題が、ちょうどクローズアップ されていた頃に勤務した石嶺児童園が大変印象 深いです。

本人自ら父親から虐待されたと申し出て、入 園してきた子供がいましたが、この子が求めて いたことは、お父さんが謝って迎えに来てくれ ることでした。子供の気持ちは、成長とともに 変わるものだし、子供は自分の気持ちをうまく 大人に伝えられず非行化していくものだと実感 しました。

また、保護された兄弟二人がいましたが、上 の子から「自分だけ親元に帰されるのではない か。とても怖かった。」ということを保護され てから2年後に聞かされました。子供は、お互 いに信頼しあい安定して話せる環境にならない と本当の気持ちを話さず、その信頼の醸成にも 時間が必要だと認識しました。

Q3.福祉保健部長に指名された時の第一印象 をお教え下さい。

福祉保健部は課題が多く、やるべきことがた くさんあり、とても大きな荷物を背負う感じが しました。

けれども、与えられた仕事は精一杯やりたい と思います。特に児童虐待やメタボリックの問 題など自分ができることからやってみたいと思 います。

知り合いの保育園の先生の話では、朝食を摂 らずに登園してくる子が何人もいるということ です。子供の成長には、食べること、寝ること の基本的なことが必要です。子供の成長に一番 重要なことだと発信していきたいと思います。

また、メタボリックの問題も予防に重点を置 かないといけないと思います。バイオリズムの 話になりますが、ちょっとリズムを変えるだけで改善します。例えば一日2食ではなく3食に する、夕食を午後8時までに食べるなど生活習 慣を少し変えるだけでも改善できることがあり ます。まずは身近なところから、部内の職員か ら実践させていきたいと思います。

色々ありますけれどもこちらに来て3ヶ月、 毎日が運動会の駆け足でした。色々な課題解決 に向けて自ら走り回ってみたいと思います。

Q4.これまでの県政とは違って政策参与が任 命された訳ですが、福祉保健部との連携はど のようになるのでしょうか。

政策参与は、県政における重要課題の解決を 促進するため、課題や政策について調査、研究 することを目的として設置されました。

保健・医療・福祉は、県民生活を支える重要 な基盤であり、課題を解決し、知事の公約であ る「健康、長寿世界一の復活!」等のために、 専門家の意見や助言を保健福祉行政に反映させ ることが重要だと考えております。

政策参与には幅広い役割が期待されており、 玉城政策参与を通じて保健・医療・福祉の関係 団体と連携し、課題の早期解決を図っていきた いと考えています。

Q5.本県が抱える様々な医療問題、例えば離 島へき地の医師不足、助産師・看護師不足等 数多くあって頭を抱える事ばかりですが、何 か解決の道筋は見えてきましたか。

○医師不足について

医師不足の背景には、新臨床研修制度に伴う 大学医局の医師供給力の低下、厳しい労働実 態、患者の医療への期待の変化等、さまざまな 要因が存在しています。

特に本県においては、離島等における産婦人 科や脳神経外科等の専門医の確保が課題となっ ています。

このため、県では、県立病院の後期臨床研修 事業における専門医等の養成や自治医科大学へ の学生の送り出しを行っています。

また、今年度から新たに「離島・へき地ドク ターバンク等支援事業」を実施し、県内外の医 療機関等からの医師確保を図っており、7月13日から座間味診療所へ常勤医師を派遣したとこ ろです。

さらに「医師修学資金等貸与事業」を実施 し、離島医療に意欲を持つ医師の養成を図って いきます。

県医師会の皆様には、現在進めている「離 島・へき地ドクターバンク等支援事業」の登録 について、御協力をお願いします。

○助産師・看護師不足について

御承知のとおり、助産師不足の解消が県の大 きな課題となっているところです。

このため、現在業務に従事していない助産師 に対し、診療所等への就労促進を図るため、平 成18 年度から助産技術研修を実施するなど、 助産師の養成・確保に取り組むとともに、県立 看護大学において、養成人数を5人から10人に 増加し対応しています。

なお、助産師養成については、県立看護大学 を充実・強化していく中で、将来にわたって安 定的な助産師の養成・確保に努めていきます。

看護師については、民間看護師養成所に対す る運営費の助成と指導、浦添看護学校での看護 師3年課程の新設を図るほか、修学資金の貸与、 就業希望者に対する再就業の促進など、看護師 の養成・確保に取り組んでいるところです。

Q6.最後になりますが県庁内で一番の大所帯 である福祉保健部長のお仕事は極めて激務だ と思いますが、日頃の健康法、又は趣味等を お教え下さい。

バランス良く食べること。寝ること。ストレス をためないこと。これだけは気をつけています。

また、健康のため日頃から歩くことを心がけ ており、通勤時は自宅と首里駅間の往復30分 を歩くようにしています。

私は旅行が好きですが、今は忙しくてなかな か出かける機会がありません。でも花や緑が好 きなので、土日にガーデニングをして気分をリ フレッシュしています。

インタビューアー:広報担当理事 村田謙二