金沢大学医学部十全同窓会沖縄支部幹事(安立医院)
安里 公
金沢大学医学部十全同窓会沖縄県支部総会及 び懇親会は毎年3月の第一土曜日に開催されてお ります。会員総数42名ですが、例によって日常 診療に多忙を極め、各々、日程調整が困難とな り当日出席者は20名程度です。会員は最古参で も昭和31年卒から、最若年は平成15年卒となっ ております。例にもれず逆ピラミットの高齢化 集団となっておりますが、県内の医療界では中 枢部、中堅層を占めるに至っております。
今年も首里城下、ホテル日航那覇の勧会の間 で開催されました。当日は簡単な支部長あいさ つがあり、幹事より事務連絡、人事動向、新人 の紹介、あいさつ等があります。当日のメイン イベントは「特別講演」であります。数年来、 毎年母校より理事の先生にお出頂き、母校の現 状等をお話頂いております。かなりのインパク トがあり、あの時代、学生時代のアカデミズム にタイムスリップしてしまいます。産地直売の 新鮮で香りのある出前授業か講義か講演か御講 話でなかなか味のある雰囲気を醸し出して酔っ てしまいます。
今回は十全同窓会理事(会報編集委員長)の 山本博教授(旧生化学)による御講演を拝聴し ました。山本先生は1)四校開学120周年祭のさ わりのところを御紹介して下さいました。2)初 代生化学教授(後に学長)須藤憲三先生の業績 と人物を御自分で資料を発掘して一作品として 発表して下さいました。その中で、明治時代の ドイツ留学中の一葉のモノクロ写真は技術的に も驚異に価し、又芸術的にも品位ある格調の高 いものでした。更には3)糖尿病の血管病変の発 症機構について御自分のお仕事を中心として最 先端の知見を解り易くさわやかに御説明して下 さいました。AGEによる血管症の発症・進展 の機序を独自の理論で証明するものでした。
ところで当日は山本教授を中心として奇遇に も、この席で3名の同期生が全く久しぶりに再 開するという不思議な機会ともなりました。
というのはY氏はかの地、能登の方で縁あって 沖縄公立久米島病院に赴任されております。I氏 は当地、沖縄の方で金大を卒業され帰郷し、現 在では市立病院の要職にあります。この御三方 がホテル20階のラウンジに席を移し、那覇の夜 景を眺めながら学生時代に戻り、昔話に花が咲 いたとの事を後日伝聞した次第です。これも金 沢が取り持つ縁ということになるでしょうか。
来年の3月に再開を期して、三三五五と散会 しました。
金沢大学医学部十全同窓会沖縄県支部総会及び懇親会