常任理事 真栄田 篤彦
去る6月4日(月)、パシフィックホテル沖縄 において標記会議が開催されたのでその概要に ついて報告する。
冒頭、宮城信雄会長から下記のとおり挨拶が あった。
沖縄県医師会長 宮城信雄
沖縄県内を巡る医療の状況、あるいは日本の 医療を巡る状況は非常に大きく様変わりしてき ている。昨年6月に成立した医療関連改革法案の 影響も出てきている。療養病床削減や、7対1基 準看護が昨年4月から導入される等色んな問題が 出てきている。また、来年の4月1日から後期高 齢者医療の全く新しい医療保険制度が待ったな しで実施されることになっている。この件につい ては保険料の徴収方法については決まっている が、どんなサービス提供になるのか等、中身が 全く見えてきていない。このような状況のまま、 来年の春頃に突然出され賛成・反対も言えぬま ま実施されてしまう可能性もある。医師会とし ても情報を掴んでいないため、どんな医療制度 になるか注視していかなければいけない。
また、保険者に課せられている特定健診・特 定保健指導についても医師会が取り組まなけれ ばいけない非常に大事な事項である。日本医師 会としては、各地区医師会が各自治体、保険者 と委任契約をするよう勧めている。窓口は地区 医師会に置くことを前提にして交渉を始めても らいたいとのことであるため、各地区医師会に おかれては先頭に立って情報を集めながら契約 の段取りを進めていただきたい。
本日は主に会館建設の問題について論議をす ることになっているが、土地の等価交換については、当時の県福祉保健部長から、新川の土地 が医療福祉ゾーンになっているため、そこに会 館を造ることを検討してはどうかとの提案が出 てきたため、医師会として検討を行い最善策と して等価交換を行うことを決定し、その後福祉 保健部や総務部等行政側の配慮により、等価交 換が実現した。
ついては、本日は来たる6月27日開催の代議 員会を前に、各地区医師会長にお集まり頂き、 会館建設に係る諸案件についてご審議賜りたい と思うので、よろしくお願いしたい。
以上の挨拶の後、引き続き、宮城会長の進行 で協議が行われた。
1)沖縄県医師会館建設実施設計(概要)の件
真栄田常任理事から概ね下記のとおり説明が あった。
会館建設検討委員会はこれまで12回の委員 会を開催し、結果についてはその都度各地区医 師会へ報告して、必ず地区医師会の理事会でも 協議頂いた上で、更に委員会で検討を重ね進め ており、その結果、機能・規模を検討した結果 3階建てになった。
各階の面積はそれぞれ、1階1,178.71m2、2階 881.99m2、3階770.22m2、屋上12.19m2で述べ 2,843.11m2(861坪)となっており、駐車場は136 台収容である。近隣の薬剤師会、小児保健協会の 駐車場も互いに有効利用することになっている。
以上の説明の後、宮城会長より本件の承認が 得られれば来たる27日(水)開催の臨時代議 員会に上程したい旨の説明があり、特に異議無 く承認された。
2)沖縄県医師会館建設工事業者の決定の件
真栄田常任理事から概ね下記のとおり説明が あった。
工事業者の選定について検討した結果、建築 工事業者、電気工事業者、衛生・空調工事業者において、それぞれ最低価格を提示した業者に 絞り込んだ。
合計が4億8,993万5,000円となり、その他の 諸費用を合計すると会館建築工事費の総額が5 億7,222万2千円となっている。
3)「沖縄県医師会用地特別会計」の廃止並びに 「沖縄県医師会館建設特別会計」の新設の件
4)沖縄県医師会館建設にかかる借入金の件
5)沖縄県医師会館建設負担金賦課徴収賦課額 の件
上記3)〜5)については関連しているため真栄 田常任理事より一括して説明があった。
会館建築工事費の総額5億7,222万2,000円に 対し、会館建設のための自己資金として、用地 特会1億9,990万円と一般会計の会館建設積立 金4,200万円の合計2億4,190万円があり、不足 額が3億3,032万2千円となる。
そのため、会員の負担を少なくするため、共 済会特会から1億5千万円、銀行から1億5千万 円を借入れて賄うことにしている。銀行からの 借入れについては4,397万7千円の利息(年利 率2.675%)の返済を予定している。
借入れ金及び銀行からの借入金の利息4,397 万7千円(年利率2.675%)の返済に係る会員 への賦課額については、会館建設検討委員会で 検討した結果、20年間徴収することにし、A会 員36万円(月額1,500円)、B会員24万円(月 額1,000円)、C会員12万円(月額500円)とい う案となった。
また、会館建設特別会計は20年間で収支を 賄うことが出来るが、当面は単年度資金が不足 するので、平成19年10月から負担金を徴収し たいと考えている。
なお、昭和50年度から58年度の間、用地特 別会計拠出金を納付した会員については、その 納付額に応じた賦課徴収を行う。また、会員種 別を変更した場合は変更後の会員種別の負担金 に達するまで徴収することにしている。
資金計画については、不足が生じた場合には一 時的に共済会から借り入れすることも考慮する。
以上の説明を受けて協議を行った結果、特に 異議なく原案どおり承認され、来たる6月27日 に開催する代議員会へ上程することに決定した。
なお、本件に関し概ね下記のとおり質疑があ った。
会員への負担金について確認があり、既入 会・新規入会問わず20年間支払っていただく との説明があった。また、維持管理費について も確認があり、負担金同様に高齢77歳になる まで徴収するとの説明があった。
負担金の徴収方法についてはしっかり検討し て欲しいとの要望があると共に、現在の会費に 加えて徴収する方がよいとの意見もあった。
以上の質疑の後、真栄田常任理事から負担金 徴収方法については10月の引去までに検討した いと説明があった。
6)沖縄県医師会館維持・管理費負担金賦課徴収 額の件
真栄田常任理事から概ね下記のとおり説明が あった。
会館建設負担金とは別に、会館を維持するた めの必要経費として、会館維持・管理費負担金 を全会員から高齢会員になるまで徴収すること にしている。収入として医師会、各事業所から 医師国保組合、医師協同組合、沖医商事、医師 連盟の年間負担金を予定し、合計年間1,200万 円受けることにしている。年間維持費について は2,306万7千円を予定しており、その収支不 足分1,106万7千円を会員から徴収することに している。(A 会員月額1,000 円、B 会員月額 500円、C会員は500円)
以上の説明の後、宮城会長より各事業所から の負担金については了解を得ているとの説明が あり、原案どおり承認された。
幸地理事から概ね下記のとおり説明があった。
本会共済会特別会計の積立金については、会 館建設資金への運用と中部地区医師会から看護 学校建設に伴う学債購入資金への運用依頼があることから、理事会にて共済会特別会計積立金 運用について協議した結果、共済会としては沖 縄県医師会館建設資金として、沖縄県医師会へ 1億5千万円貸付けることとし、中部地区医師 会の学債購入資金に1億円を充てることを考え ている。但し、学債購入については、中部地区 医師会の学債償還開始時である平成23年度を 目処に共済会積立金の残高を見て購入額を決定 したいと思う。
共済会積立金運用については、来る6月27日 の代議員会に上程することにしているため、予 め地区医師会長会議においてご説明申し上げ、 ご了承いただきたい。
以上の説明を受けて協議した結果、原案どお り承認され代議員会に上程することに決定した。
金城中部地区医師会長より、去る5月17日に 行われた日医での説明会において、日本医師会 が公益社団法人に移行することを勧めているこ とを受け、今後、地区医師会として作業をして いくにあたっては、各地区医師会に共通するこ とであることから、日医からの情報については 県医師会で取りまとめ、事務局連絡会等におい て勉強会を進めて頂きたい旨の提案があった。
本件について真栄田常任理事より、今夏制定 予定である新法の詳細となる「政省令」「布令」 並びに、年末発表予定の税制内容、来年3月に 提示予定の「制度運用指針」の内容を確認した うえでタイムスケジュールを立て、各地区医師 会と情報交換を行いながら新制度への移行手続 きを行いたい旨の回答があった。
沖縄県が知事部局に属する医師に支給してい た医師手当を沖縄県行財政改革プランに従って 廃止することを検討し、特殊勤務手当見直しに 係る調査を総務部長が関係部長に依頼したこと について、沖縄県公務員医師会の大城清会長か らこれまでの対応について概ね下記のとおり報告があった。
5月11日の琉球新報報道では、危険手当の意 味合いが強調されていたが、実際には医師の偏 在(地域・職域)を解消するように配慮されて いる。
沖縄県公務員医師会では緊急アンケート調査 を行い、その結果に基づき意見書を平成19年5 月21日福祉保健部部長に届けているが県側か らの回答は未だ届いていない。
以上の報告を受けて下記のとおり意見があった。
民間と比べても医師の給与が高い訳ではない 反面、コ・メディカルの給与が非常に高い点が 問題視されると共に、玉城副会長(県政策参 与)より概ね下記のとおり説明があった。
県立病院の経営状況の改革と、みんなが夢を 持てるような病院にしなければならないとする知 事の考えがあり、今後、プロジェクトチームを立 ち上げる話が出ていることから、病院事業局内 にそれが出来れば各病院に降りてくると思うの でその中で全体の給与体系が検討されるものと 思われる。知事は決して繰入金を減らそうとい う気を持っている訳ではなく、このままだと方向 性が見えないため、一度仕切り直しをしたいと のことである。現在、繰入れが69億あるが、そ の内20億を減らすことが出来れば10億は有効に 活用して良いと言われている。今年度中には県 立病院の改革の道筋は見えてくると思う。
名嘉眞北部地区医師会長より概ね下記のとお り説明があった。
県の保健医療計画が国の方針により1年間前倒 しで作り上げなければならなくなったことを受 け、今年の5月から10月までに地区の保健医療協 議会で素案が出されるにあたり、北部地区医師 会として医療計画の案となるものを作成したの で、来たる6月27日開催の県医師会代議員会にお いて説明したいとの提案があり、特に異議なく代 議員会当日にご説明いただくことになった。
以上の説明を受けて、玉城副会長(県政策参 与)より、各地区でも同様に対応いただくとあ りがたく、お互いに知恵を出し合って県と数字 をすり合わせて行きたい旨の説明があった。
金城県医師会理事より麻しんワクチンの在庫 調査について下記のとおり協力依頼があった。
本日、県庁にて麻しんワクチンの在庫調査に ついて会議が行われた。本来であれば県医師会 理事会で諮った後にお願いするところであるが、 6月11日から当ワクチンの在庫調査を直ぐに始め たいとのことであったため、この場を借りて協力 をお願いしたい。後日、県医師会から各地区医 師会に調査依頼を行うので、各地区医師会にお かれては各施設への調査票送付をお願いしたい。
山内浦添市医師会長より、今年度の各地区医 師会連絡協議会は浦添市医師会の担当により、 来たる8月12日(日)に開催することが内定し たとの報告があった。
印象記
常任理事 真栄田 篤彦
本年度第1回目の地区医師会長会議の議題は主に県医師会会館建設に関する具体的な宮城執行 部の提案について、各地区医師会長にご説明あげ、質疑応答ののち、実際的な第一歩として、第 184回沖縄県医師会臨時代議委員会への上程を了解してもらった。
沖縄県医師会会館の建設にあたっては、長年に渡って繰り延ばしになってきただけに、正に機 は熟したと思う。これまでの経緯で、会館建設検討委員会は、昨年7月から開催し延べ13回開催 してきた。協議事項に関しては、毎回各地区医師会の理事会でも協議して頂き、その理事会での 協議結果を踏まえて、要望・提案等について検討委員会で会館建設に関する全てを協議した。毎 回、各地区医師会からの了解を取りながら議事を進めてきたので、そのコンセンサスに関しては、 各地区医師会で了解してもらえたと思う。当会館は、学会・研修会・講習会など医師としての研 鑽をつんで頂ける施設であり、その他種々の行事に利用できる施設である。
臨時代議員会で執行部提案が承認いただけた後、いよいよ会館建設の着工が始まる。風格ある、 重厚感のある機能性重視の県医師会館が完成するには、あと1年くらい掛かるが、その建設費用・ 維持費用等にかかるご負担については会員全体でのご理解・ご協力を頂けなければ成立しません。 今後益々全医師会員の厚いご協力・ご支援の程お願いします。