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沖縄県医療推進協議会

真栄田篤彦

常任理事 真栄田 篤彦

去る4月25日(水)ロワジールホテル那覇に おいて標記協議会を開催した。

真栄田沖縄県医師会常任理事の司会のもと開 会が宣され、冒頭宮城沖縄県医師会長より次の とおり挨拶があった。

挨 拶

沖縄県医師会長 宮城信雄

宮城信雄

本日は、時節柄ご 多忙の中を沖縄県医 療推進協議会にご出 席賜りまして厚く御 礼申しあげます。

当協議会は、沖縄 県における医療・介 護・保健および福祉 行政の充実強化を目 指し、積極的に諸活動を推進することを目的に 掲げ、当該趣旨に賛同する26 団体が参加し、 平成16年11月に設立されました。当協議会で は、平成16 年11月の「混合診療の解禁阻止」 のための署名活動や県民集会を開催し、混合診 療の全面解禁は阻止することができました。ま た、平成17年末の「高齢者のさらなる負担に反 対」する署名活動を展開し、政府が進めようと していた大幅な患者負担増を中心とする医療制 度改革に反対の意思を明らかに致しました。

しかしながら、昨年6月に医療制度関連改革法 案が成立し、医療費抑制策の一環として昨年10月 からの高齢者の窓口負担増、長期に療養する療養 病床に入院する高齢者の食費と居住費の自己負担 が実施されております。また、平成24年には38万 床あるこれらの病床が15万床に削減されようとし ており、行き場を失う多くの医療、或いは介護難 民が出ることが危惧されております。

加えて、現在全国各地で産婦人科医をはじめ とする医師不足や看護師不足は、病院閉鎖や診 療科の縮小に追い込まれ、地域医療の崩壊とも いうべき危機的状況を招いております。

かかる状況に鑑み、これ以上患者負担が増え ないよう、国における適正な医療費の確保と、 地域住民が安心できる医療提供体制の再構築並 びに国民皆保険制度の堅持を国民と共に強く求 めていく国民運動の展開が是非とも必要である と思料するところであります。

本日ご参会の皆様には、国民の生活基盤の一 つである医療・介護・福祉を取り巻く環境が非 常に厳しい現状にあることにご理解下さり、沖 縄においても国民運動を展開していくことにつ いてご協力を賜りますようお願い申しあげます。

議 事

(1)新規加盟団体について

新たに、沖縄県老人保健施設協議会、沖縄県 療養病床協会の2団体の当協議会への加盟につい て提案があり、特に異議なく加盟が了承された。

(2)沖縄県医療推進協議会役員選任について

沖縄県医療推進協議会規則に基づき役員につい て協議を行い、以下のとおり新役員を決定した。

  • 会 長:宮城 信雄 沖縄県医師会長
  • 副会長:高嶺 明彦 沖縄県歯科医師会長
         神村 武之 沖縄県薬剤師会長
         大嶺千枝子 沖縄県看護協議会長
    理 事:その他の団体から選出

(3)国民医療を守る沖縄県民集会(仮称)開 催について

続いて、会長に選任された本会の宮城会長が 進行を行い、今回の県民集会を開催するに至っ た趣旨説明として、政府の政策である「高齢者 患者負担の増額」、「療養病床再編」、「リハビリ 日数制限打ち切り」、「高齢者医療制度創設」等 について、又、沖縄県の小児科医師・産婦人科 医師・看護師不足について説明があり、安い医 療費で世界一の評価を受けている日本の医療制 度を守るべく県民集会を開催したい旨の提案が 行われ、来たる5月30日(水)にロワジールホテ ル那覇において開催することが了承された。

なお、当日の司会と寸劇については会長に一 任することになり、意見表明は沖縄県療養病床協会、沖縄県老人クラブ連合会にお願いするこ とになった。

また、決議案については、会長・副会長で調 整のうえ作成し、事前に各団体にご確認いただ くことになった。

※当協議会の活動に関して各委員より以下のと おり意見があった。

○75歳以上の高齢者を対象とした新しい後期 高齢者医療制度が来年の4月から導入される にあたり、地域の医療費の状況によって保険 料が変わることから沖縄県での保険料の更な る引き上げが危惧される。更に診療報酬にお いても、包括払いが導入されるようなことに なると本当に必要な医療が提供できなくなる 恐れがある。これらの問題と併せて、医師・ 看護師不足問題についても医療推進協議会と して声をあげる必要がある。

○沖縄県における小児科・産婦人科医の不足、 看護師・助産師不足が延々と続く恐れがある 中で、県立浦添看護学校を廃止して民営化す る動きがあることから、これを撤回させるべ く沖縄県医療推進協議会として要望書を県知 事に提出するよう提案してはどうか。

○新設された県立こども医療センターが時間外 診療で患者が殺到している現状を鑑み、当セ ンターが本来の機能を十分に発揮できるよう 県知事に要請してもらいたい。

○全日本病院協会では、地域一般支援病院とい う言葉を使って超急性と療養病床の間の病床 を確保して医療の継続性、連続性を維持した いと主張しているが、医師会あるいは当協議 会も本件を一つの話題として取り上げてご検 討頂き、可能であれば措置の主張をしていた だきたい。

○沖縄県民の声であるため、県民がこの医療制 度に対して強い意向を持っていることを示す 意味でも沖縄県知事にも決議は送付したほう がいい。