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新臨床研修医と沖縄県医師会との懇親会
〜琉球大学医学部附属病院及びRyu MIC研修医〜

理事 玉井 修

玉井修

平成19年4月2日(月)午後6時より琉球大 学医学部がじゅまる会館において琉球大学医学 部附属病院新臨床研修医およびRyu MIC(Ryukyu Medical Interactive Collaboration) 研修医、沖縄県医師会との懇親会が開催されま した。懇親会に先立ち、宮城信雄会長から「医 師会の役割」に関して、また、真栄田篤彦常任 理事より「医師会の事業・医師賠償責任保険」 に関して研修医に対しレクチャーを行いまし た。研修医の皆さんは身の引き締まる思いをさ れたと思います。

懇親会の司会は、私玉井が務めました。私自 身、平成2年に琉球大学医学部附属病院第一外 科に入局し、研修医生活を送った先輩として、 どうしても一言後輩の研修医に言っておきたい 事がありました。飲酒運転撲滅が叫ばれている 昨今、懇親会という晴れやかな席でも飲酒運転 は厳禁であること。また、社会人として法令遵 守は当然であることです。医師国家試験合格を 受けて今回参加した研修医は31名、どの顔も 若さに溢れ、これ からの未来に対す る希望に満ちてい ます。貴重な医師 としての自分を大 切にして欲しいと の老婆心から先ず はそのあたりを研修 医に希望いたしま した。

宮城信雄会長

沖縄県医師会 宮城信雄会長

まず、宮城信雄沖縄県医師会長のご挨拶から 始まりました。宮城会長は、初期研修において 医師としてどのように歩み出すかが非常に重要 であること、またその意味において初期研修の 中で優れた人と出会うことがいかに大切である か。患者さんとの関わり方に関しては、インフ ォームド・コンセントの重要性について話さ れ、実り多い研修を修め、沖縄県の医療を担う 立派な医師になって欲しいとの愛情溢れるお話 をされました。

須加原一博副院長

琉球大学医学部附属病院 須加原一博副院長

続いて、琉球大 学医学部附属病院 副院長の須加原一 博先生よりご挨拶 を頂きました。ご挨 拶の中で須加原先 生は、臨床研修に おいて琉球大学医 学部附属病院、沖 縄県医師会、県立病院、各協力医療機関の連携 が不可欠であることを強調されました。研修医 に対しては、医師としてスタートを切った今か らは、これまでの医学生時代の成績などは関係 なく、いかに真剣に患者さんに接するかが重要 であるとお話して頂きました。また、「平静の 心」の著者で有名なウイリアム・オスラー氏の 「医師にとって最高の教育者は患者自身である」 という言葉を引用し、患者さんから学ぶことに 心して研修に励んで欲しい、立派な医師になっ て沖縄の医療に貢献して欲しいとお話になりま した。

続いて、琉球大学医学部附属病院研修医を代 表して宮城拓也先生にご挨拶を頂きました。新 臨床研修医制度も4年目を迎え、多くの情報、 多くの選択肢からR y u M I C を選びました、 RyuMICこそが自分にとって有益な研修ができ る場所だと思っています。私たちも日々努力し て参りますので、ローテーションの際には厳し くも優しいご指導、ご鞭撻をお願いしますと、 非常に落ち着いたご挨拶でした。

坂梨又郎医学部長

琉球大学医学部 坂梨又郎医学部長

続いて、琉球大学医学部長の坂梨又郎先生よ り乾杯のご挨拶を頂きました。医師としてスタ ートを切ったからには、もうごちそうを口まで 運んでもらうまで待つのではなく、自分で行っ て取って食べるという行動をとって頂きたい。 学生時代にはどうしても、「与えられればやる」 という部分があったかも知れません。医師とい う仕事は、皆さんが一生の仕事としてやって行く訳ですから、指 示待ちは完全に卒業をしてほしいと 思います。研修中にはいろいろな問 題が生じますが、自分自身がその問 題をどう活用するかによって、この 二年間で差がついてしまう事は間違いないと思 います。今日は、門出の日でありますので、今 後に心を活かし、多くの先輩方が温かく見守っ て下さっているこの有り難い状況を決して無に しないよう、おおいに頑張って頂きたいと思い ます。医師会の先生方へのお礼が最後になって 恐縮ではございますが、よろしくご指導、ご鞭 撻の程お願い申し上げますと、研修医へ餞の言 葉を頂き、乾杯!の御発声のあと、懇談に移り ました。

琉球大学医学部附属病院新臨床研修医21名 とRyuMIC関係者、琉球大学医学部附属病院の 指導にあたる先生方も多数参加し、総勢103名 と盛会でした。医師不足の中、多忙を極める日 常診療をこなしつつ、指導医として研修医の指 導に当たっている多くの先生方と率直な意見交 換ができました。卒業後直ぐに入局という形が なくなり、身内意識を持ちにくい研修医との関 わりの中、大きな視点に立って、熱い情熱を持 って日々研修医の指導に当たっている事をお聞 きし、ただ頭が下がる思いが致しました。新臨 床研修医制度が始まって4年が経過し、医師の 育成は、どこか大きな施設に任せておくのでは なく、自分のできる事があればほんの少しでも 良いから関わる時代に変化していると認識させ られた懇親会でした。

当日は3人の新研修医にインタビューをしま したので、その内容を以下に掲載します。

宮城拓也先生

研修医:宮城拓也先生

質問1.医師を目指した理由についてお聞かせ下さい。

小児の頃に骨腫瘍を患ったため。

質問2.研修施設として琉球大学医学部附属病院を選択された 理由をお聞かせ下さい。

自分の目標のために必要なことを最も修得しやすいと思っ たから。

質問3.ご自分の将来をどのように見ていますか?将来像につ いてお聞かせ下さい。

研究職

質問4.現時点で将来目指している科がありましたら教えて下 さい。

外科系

高松岳矢先生

研修医:高松岳矢先生

質問1.医師を目指した理由についてお聞かせ下さい。

高校生の時に1つ技術を身につけて、世界中どこでも役に立 つ人になろうと思ったからです。(当時は、その意味では、医 師でなくても良かった。)

質問2.研修施設として琉球大学医学部附属病院を選択された 理由をお聞かせ下さい。

琉大卒業で、琉球大学、沖縄県に愛着があり、後輩も友人 も多いので、楽しく研修ができると思ったからです。

質問3.ご自分の将来をどのように見ていますか?将来像につ いてお聞かせ下さい。

将来像は1つでなく、考えながら進んでいこうと思っていま すが、家族や友人との時間を大事にしつつ、医師として、自 分の能力を開花させ社会に貢献したいです。家族と友人と楽 しければうまくいくと思っています。

質問4.現時点で将来目指している科がありましたら教えて下 さい。

現時点では、救急、内科、精神科などを考えています。 ローテしながら科、自分にあった病院(特定機能、地方、ク リニックなど)考えたいと思っています。

服部真歩先生

研修医:服部真歩先生

質問1.医師を目指した理由についてお聞かせ下さい。

純粋に、困っている人を助ける仕事はいいなと思ったから です。

健康であることは、本当に幸せなことで、そのお手伝いを する仕事は大変ですが、やりがいがあると思います。

質問2.研修施設として琉球大学医学部附属病院を選択された 理由をお聞かせ下さい。

病院見学をした際、研修医の先生が、上の先生方に見守ら れながら腹腔穿刺をする姿を見ました。こんなに丁寧に、や さしく研修医を指導していただける病院はないと思い決めま した。

質問3.ご自分の将来をどのように見ていますか?将来像につ いてお聞かせ下さい。

自分の将来について深く考えたことはないのですが、何を 専門として進むにせよ、患者さんの気持ちをいつも考えられ る医師になりたいです。

質問4.現時点で将来目指している科がありましたら教えて下 さい。

まだありません。研修中に考えるつもりですが、在宅医療 や、リハビリ、ホスピスケアに興味があります。