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沖縄県社会保険診療報酬請求書審査委員会審査委員長
屋良 勲 先生

屋良勲先生
P R O F I L E
昭和42年
鹿児島大学医学部卒
昭和43年 鹿児島大学医学部第2外科入局
昭和52年
宮崎県立宮崎病院心臓血管外科医長
昭和56年 鹿児島大学医学部第2外科 助手講師
昭和57年
琉球大学第2外科 講師
昭和60年
沖縄赤十字病院外科部長
平成元年
沖縄赤十字病院 副院長
平成19年4月
沖縄県赤十字血液センター所長

診療側、保険者側が十分 納得する審査をしたいと思 います。

Q1.支払基金の審査委員長にお伺い致します。 審査委員長としての抱負をお願いします。

沖縄県社会保険診療報酬支払基金は全国規 模の健保組合、共済組合などの診療報酬請求書 に対して、公正、中立を基本として審査し、迅 速な支払いを行うことであります。従って、一 次審査委員会での審査を診療担当規則および諸 規定に照らし厳重に行い、診療側、保険者側が 十分納得する審査をしたいと思います。

Q2.これまで長年、審査委員をなされてこら れましたが、現在の問題点など多くあると思い ますが、特に問題点を挙げていただきたいので すが。

平成7年4月に審査委員を委嘱され、平成9年 6月の専任を経て、平成17年6月、審査委員長 になりました。最近の先端医療技術の目覚まし い進歩、新薬の開発、新医療器材の進出、従来 の薬剤の適応症の制限、そして最も面倒な2年 ごとの診療報酬の改定など、絶えず審査基準を 適正なものに修正しなければなりません。その 点で審査委員も努力しています。全国審査委員 長会議、支部間差異解消検討委員会で、実例を あげて討論しています。

Q3.審査をとおして沖縄県における特徴とか ございますか。院との連携など課題を教えていただけま すか。

特に沖縄県のみの特徴はありません。不明の 点は全国から本部に登録されているイントラネ ットで確認したり、直接、本部または厚労省に 問い合わせて解決しています。

Q4.医療者側、保険者側からの問題点、要望 はどのようなものがありますか。

審査は、県医師会、支払基金、国保連合会で 合議された審査基準に基づいて厳密に行われま すが、両審査会に少しばかりの審査のずれがあ ることは承知しています。医療者側からは、う っかりミスで診療内容の50%以上が査定される ようなケースでは、再審査して欲しいので、返 戻するようにしています。保険者側からの要望 (再審査の形でレセの提出となりますが)は、検査、投薬の過剰、薬事法で決められた薬剤の 上限を超えての投薬、病名もれ、療養担当規則 の違反等が多く見られる事への是正です。

審査は原則書類審査ですが、名審査委員は名 探偵コナンのように、レセの裏側を見透かすよ うです。

Q5.医師会の先生方への要望をお願いします。

よくレセは金券のようなものだといわれま す。診療の明細書ですので、患者に渡すことも あります。診断のための検査、治療のための投 薬、注射があります。傷病名の記載漏れ、偶発 の合併症に対する適切なコメントがないと不適 切なレセプトとなってしまいますので、提出前 に是非点検をお願い致します。また、審査委 員、保険者に分かり易いようなコメントの添付 もお願いします。不明な点は支払基金にお電話 をください。

Q6.日常の診療に、審査にご多忙と思います が、気分転換の方法とか、趣味は?

二水会、三水会、以前は一金会など医師会の 仲間とtalk and drinking、その後カラオケ大 会。へたなゴルフとテニス。休みに似たりの 碁、麻雀等です。

Q7.座右の銘がございましたらお願いします。

時々心頭に浮かぶのは、「人間いたる所青山 あり」。実にいたる所で諸先輩に引き上げて貰 いました。万謝申し上げます。

インタビューアー:広報委員 久場陸夫