津軽平野はすでに秋の風情にみち、田畑に刈り取られた稲穂が稲掛(いなぎ)に並ぶ。
心地よい風に吹かれながら、目的地に向う。わずらわしい日常の診療をはなれ、日々、心ゆくまで旅が 出来たらと思う。
山あいの道を進み、一度訪ねてみたいと考えていた白神山地のブナ林を逍遙し、翌朝、次の目的地の八 甲田山をめざす。
道すがら岩木山山麓のリンゴが雪国の少女のほっぺのように色づいていた。
長嶺胃腸科内科外科医院 長嶺 信夫
写真家新報カルチャーセンター講師 新嘉喜 祐司
幸福(幸せ)。
りんごが見ている人を招いて、温かみを感じ させる。
表紙写真に投稿する先生方の写真が毎年、レ ベルアップしているので選ぶのに苦労したが、 最終的には、写真を見る人に温かみを感じさせ てくれて、幸せな気持ちにさせてくれるものを 選んだ。
今後、より一層、会員の先生方が写真に親し んでくれれば幸いである。
編集委員長 村田 謙二
今回の長嶺信夫先生の受賞には大きな意義が あると考えています。我々は写真というととも すれば名所や旧跡など日常めったにみられない 場所を上手に写して良しと思っているところが あります。今回の作品はリンゴ園であればどこ にでもありそうな風景を先生の美的感覚で一部 切り取っただけの写真です。しかしこの一葉の 写真がプロのカメラマンに「見る者の心を暖か くするような写真」との評価を受け受賞するに いたりました。
日常の中にも題材はあると教えて下さった長 嶺先生に感謝致します。長嶺先生受賞おめでと うございました。
読者の皆様今後も応募をよろしくお願い致し ます。