中村義清先生、日本医師会最高優功賞受賞祝賀会
常任理事 大山 朝賢
去る11月28日、ザ・ナハテラスに於いて中 村義清先生の日医最高優功賞受賞祝賀会が開催 されましたので、その概要を報告いたします。
その賞は全国的な見地からすれば受賞しがた い賞のひとつで・・・と運転中、中村先生のご 功績をあれこれ考えているうちに会場を間違え て他のホテルへ行ってしまった。少々あわてま したが幸い天気もよく、また早めに病院を出て いましたので難なく会場のザ・ナハテラスに着 きました。当日は司会の大役を仰せつかってい ましたので、早速控えの間におられる中村先生 のご機嫌を伺いました。先生はいつもと変わら ずお元気で、話は弾んでいましたが「家内が体 調をくずして・・・」と申し訳なさそうに話さ れていました。会場のアダンの間にはすでに多 くの会員の方々がお見えでしたので、祝賀会は 定刻の開始となりました。宮城信雄沖縄県医師 会長を先頭に会場への入場となりましたが、壇 上には中村先生お一人で、式次第にのっとり宮 城会長の挨拶のあと、永山孝南部地区医師会長 による先生の業績紹介となりました。
中村義清先生は長崎大学大学院で学位を取得 後、昭和42年4月那覇市の泉崎病院内科勤務医 師となり、昭和44 年5月与那原町で「中村医 院」を開業されました。開業と同時に小学校2 校の校医を引き受けられ、その傍ら昭和47年4 月から県立南部商業高校、同57年4月から県立 島尻養護学校、同57年4月から南風原町立北岡 小学校等の校医として活躍され、現在も学校保 健活動をなさっています。その間昭和57年に第 10回沖縄県学校保健・学校医大会においてシン ポジストとして「学校医のあり方」について発 表されています。先生は医師会活動も大変ご熱 心で、昭和51年4月南部地区医師会の役員にな られてから18年（会長8年、副会長6年）の長 きにわたりがんばられ、同59年4月医師会長に 就任されるや9月には南部地区医師会の社団法 人の認可を取得されています。医師会長8年の 間に現在の医師会館や老健「東風の里」建設の 礎を築かれました。昭和53年4月から同63年まで沖縄県医師会代議員、南部地区医師会長の重 責をおいながら昭和63年4月には沖縄県医師会 の医療保険担当理事に就任されています。平成 6年から常任理事、同8年から14年3月まで副会 長。昭和47年から今日まで与那原警察署の嘱託 医、平成11年から現在まで沖縄県内科医会会長 と一開業医としては八面六臂のご活躍とすばら しい業績をあげられました。日本医師会最高優 功賞は先生のように、昼夜を問わず地域保健・ 学校保健・医師会活動等に全身全霊をうちこん だ医師に捧げられる賞と心得ました。
お忙しい中、喜友名朝春沖縄県福祉保健部長 もお見えになり祝辞を頂きました。
花束贈呈のあと、県医師会主催の祝賀会に対 する謝辞では、中村先生はこれまでの輝かしい 業績を「会員・医師としてあたりまえ」として とらえ淡々と話されていました。しかし我々後 輩には足元にも及ばない、すばらしい見識とス ーパーパワーとして、頭がさがる思いがします。
新垣善一沖縄県医師会代議員会議長による乾 杯の後、フロアで来賓や医師会員等との懇親会 となりました。懇談の途中、中部地区医師会副 会長の中田安彦先生から、「この受賞を機に引 退されるのではなく、これからも医師会のため に、医師連盟でも力を発揮してほしい」とエー ルのスピーチを頂きました。
喜友名朝春県福祉保健部長祝辞
喜友名朝春沖縄県福祉保健部長
本日、中村義清先生の日本医師会最高優功賞 受賞祝賀会が開催されるにあたりご挨拶を申し 上げます。中村先生、この度の栄えある受賞誠におめでとうございます。心よりお祝いを申し 上げます。中村先生におかれましては、昭和44 年に開業以来、南部地域の公衆衛生・保健衛生 活動の一翼を担い、地域住民に対する疾病の予 防や治療及び健康の保持・増進に尽力され、ま た学校保健活動においても職員や児童生徒に対 する健康教育等の講演、学会発表等を精力的に 行い、学校保健活動に対するオピニオンリーダ ーとしてもご活躍されました。更に社団法人南 部地区医師会長として南部地域の保健・医療・ 福祉活動の支援・拠点となる医師会館、老人保 健施設の開設に中心的な役割を担い、また、社 団法人沖縄県医師会副会長として、各種委員会 を中心とした医師会活動全般に大きく貢献され ております。中村先生の保健・医療・福祉の向 上に対する多大な貢献に対し、心から感謝を申 し上げます。
さて、本県における保健・医療の諸課題につ きましては、国や県医師会のご理解やご支援を 得て、その改善に努めて参りました。しかしな がら、急速な高齢化社会の進展と疾病構造の変 化に伴い、県民の保健・医療に対する需要も多 様化しており、一人一人の立場に立ったきめ細 やかな保健・医療の提供が求められておりま す。県としましても関係機関と連携協力し、総 合的な保健医療体制の確立を目指して県民の健 康づくりをはじめとする地域保健の向上医療体 制の整備等に努めてまいりますので、沖縄県医 師会の先生方には今後ともご支援・ご協力をお 願い申しあげます。
結びに、中村先生におかれましては、今後 益々のご健勝とご活躍を祈念いたしましてお祝 いの言葉といたします。
本日は誠におめでとうございます。
中村義清先生謝辞
中村義清先生
お礼のご挨拶の前に、お詫びを申し上げます。
本来ならば、家内と共に皆様にお礼を申し上 げるべきでありますが、少し体調を崩しており まして、それが叶いません事をお許し戴きたい と存じます。
本日は、皆様には公私ご多用の中、私のため にこのような盛大な祝賀会を催して下さり、こ れまでに経験したことのない感激を覚えており まして、心より感謝申し上げます。
この度、図らずも名誉ある日本医師会最高優 功賞受賞の栄に浴しまして、誠に光栄至極に存 じております。
先程、宮城会長並びに南部地区医師会の永山 会長よりの過分なご紹介、そして又、ご来賓の 喜友名福祉保健部長よりのご祝辞を賜りまし て、先ほど来、身の竦む思いでございました。 今月の1日に日本医師会館で開催されました第 59回日本医師会設立記念医学大会におきまし て、都道府県医師会推薦の個人11人の中の一 人として表彰を受けました。その際、日本医師 会の唐澤会長並びに厚生労働大臣よりのご祝辞 も賜りまして、大変感激いたした次第でありま す。私をご推薦下さいました県医師会並びに南 部地区医師会に衷心より感謝申し上げます。
表彰内容でありますが、地区医師会と県医師 会の役員を通算32年間務めさせて戴きました事、また、その役職について回る色々な委員会に委 員として参加させて戴きましたこと、そして又、 学校保健を始めとする地域保健活動への参加等 が評価されたものと思っておりますが、ご承知の ように、これらは決して私個人だけで出来るもの ではございません。地区医師会や県医師会の多 くの会員の先生方のご指導・ご協力の賜物でご ざいまして、心より感謝申し上げますと共に、皆 様と共に喜びを分かち合いたいと存じます。
振り返ってみますと、私は昭和44年に与那原 町で開業し南部地区医師会に入会いたしまし た。当時の南部地区医師会のテリトリーは1市 4町7村の12自治体で、人口19万人でありまし た。これに対し医師会員数は、今でこそ370名 を数えるまでになりましたが、当時、開業して おられた先生方は確か18人でありまして、那覇 に隣接しているにも係わらず医療過疎地域であ りました。このような医療環境でありますの で、地区医師会や県医師会の役員も先輩の先生 方の勧めにより、また時には、命ぜられるまま に、地域を代表して引き受けざるを得なかった 訳であります。
一方、学校保健への対応でありますが、医師 の絶対数が足りない訳でありますので、当然、 多くの学校を受け持たねばなりませんでした。 多いときは小・中・高等学校合わせて7校にも 及び、4・5年ではありましたが、大変、過酷 な時期もございました。
通算致しますと、今日まで37年間、学校医を 務めさせて戴いておりますが、その間、特別な ことをしてきた訳ではございません。校医として 当然の職務を、焦らず、驕らず、こつこつと自 分のペースでやってきただけであります。であり ますので、この度の表彰は、実は、大変な驚き で、誠に身に余る光栄だと思っております。こ れは会員数が少なかった南部地区という医療環 境の中だから出来た事だと思っておりまして、 繰り返しになりますが、多くの会員の先生方の ご指導ご支援に、衷心より感謝申し上げます。
私は、昨日、満70歳を迎えました。最近、物 忘れがひどくこのまま認知症につながらなければよいがと願っています。ただ、肉体的には、 毎週のゴルフで鍛えておりまして、琉球・那 覇・パームヒルズの三つのコースでプレーさせ て戴いておりますが、それぞれのコースで、極 めて稀ではありますが70台で廻る事があります し、時には、コンペでドラコンをとる事もあり まして、肉体年齢は、歴年齢や精神年齢より若 干若いようであります。
今後も微力ではありますが医師会活動を続け て参りたいと思っておりますので、先生方のご 指導ご鞭撻の程をお願い申し上げますと共に、 ご参会の皆様の今後益々のご健勝・ご活躍をご 祈念申し上げ、甚だ粗辞ではありますが、お礼 の言葉とさせて戴きます。
本日は、誠に有難うございました。
中村先生と受賞を祝う宮城会長、永山南部地区医師会長、喜友名福祉保健部長
中村義清先生に贈られた日医最高優功賞の表彰状と盾