平成18年度九州各県医師会学校保健担当理事者会
理事 野原 薫
会場風景
去る11月25日（土）、博多都ホテルにおいて 標記学校保健担当理事者会が開催された。
宮崎県医師会副会長の大坪睦郎先生より、開 会の挨拶が述べられ、慣例により、担当県であ る宮崎県医師会の大坪睦郎先生が座長に選出さ れた後、協議に入る前に、長崎県医師会の赤司 常任理事より、去る7月29日（土）30日（日） 長崎県にて開催された「第50回九州ブロック学 校保健・学校医大会並びに平成18年度九州学 校健診協議会」について、お礼の言葉が述べら れ、協議に移った。
協議
（1）第51回九州ブロック学校保健・学校医大 会並びに平成19年度九州学校検診協議会 （年次大会）について（宮崎県）
宮崎県医師会より、来る平成18 年8 月4 日 （土）、5日（日）宮崎観光ホテルにて開催され る「第51回九州ブロック学校保健・学校医大 会並びに平成19年度九州学校検診協議会（年 次大会）」の開催要綱（案）について説明が行 われ、開催内容については各県共に特に異議な く了承された。
福岡県医師会より、当大会は参加費が無料と なっているが、今後検討する必要はないかとの 意見が出され、担当県に負担が出るようであれ ば今後検討していくことになった。
（2）小児生活習慣病健診の義務化について （鹿児島県）
【提案要旨】
九州学校検診協議会小児生活習慣病専門委 員会でも提案させていただいたが、医療費抑制 の流れの中で、生活習慣病の予防には早期に取 り組む必要がある。
ご承知のとおり今回の医療費制度改革によ り、平成20年度から保険者へ特定健診・特定 保健指導が義務づけられたが、小児生活習慣病 健診については、以前から必要性が訴えられて いるものの、学校保健法の健診項目には位置づ けられず、一部の市町村のみが独自の予算で実 施している。
添付資料のとおり鹿児島県医療センター吉永 正夫医師らが鹿児島市の小学生（6〜12歳）を 対象に実施したインスリン抵抗性の検査による と、小学生の軽度肥満児のインスリン抵抗性が 成人の肥満者より高く、将来糖尿病などを発症 するリスクが高いとしている。
こうしたデータからも今こそ国へ強く働き掛 けるべきだと思う。九州医師会連合会として、 日本医師会・国へ要望していきたいと思うが、 各県のご意見を伺いたい。
【各県回答】
各県ともに、小児生活習慣病健診について全 面的に賛成である旨の回答であった。
熊本県より、熊本市では小学生を対象とした 健診を市の予算措置の中で行っていることが報 告され、また、大分県より、大分市では小学校 5年生全員を対象とした健診が毎年行なわれて いることが報告された。各県ともにこのような 小児生活習慣病予防に対応した健診を全県的、 全国的に拡大していくよう取り組む必要がある との意見であった。
また長崎県より、長崎県では小児の生活習慣 病のスクリーニングとして小学生の腹囲測定を 県教育委員会に申し込んだところ、学校保健法 に無い検診業務は行えないと断られた（現在、モデル校を選定することで了承を得ている）と 報告があり、学校保健法改正の必要性が強く述 べられた。
協議の結果、小児生活習慣病検診の義務化に ついて、宮崎県医師会が九州各県の意見を取り まとめ九州医師会連合会へ要望書を提出し、九 州医師会連合会から日本医師会または国へ要望 していただくことに決定した。
その他
（1）九州学校検診協議会心臓専門委員会小委 員会の設置について
福岡県医師会より、先程開催された、九州学 校検診協議会の心臓専門委員会において、心臓 検診の新しいガイドラインに沿った疾病の検証 を行うための小委員会を設立したい旨の意見が あり、また小委員会を運営するための運営費等 についてもご検討いただきたいと提案があった と説明があり、協議が行われた。
各県より、「毎年開催されている九州学校検 診協議会専門委員会の前の時間を利用して小委 員会を開催してはどうか」、「メーリングリスト 等を活用した会議を検討できないか」、「何を検 証するのか具体的に示した方が良い」、「運営に 際しどの程度の予算が必要なのか分からない」 等の意見が挙げられた。
協議の結果、各県ともに小委員会の設置並び に協力することにはやぶさかでないが、心臓専 門委員会委員の本田先生、吉永先生に具体的な 検証内容を示していただいてから再度検討する ことに決定した。
（2）九州学校検診協議会専門員会並びに九州 各県医師会学校保健担当理事者会の開催 日程について
次年度の九州学校検診協議会専門委員会の開 催日について、いくつかの候補日が示されたが 各日程ともに九州各県医師会で既に行事が予定 されていることから、次年度は日曜日における 開催も含め検討していくことになった。