北部地区医師会病院
成人病検診センター検診センター長 山城 章裕
『周囲の人のことや状況を考えずに、一つの 事に向かって猛烈な勢いで突き進むこと。』
このエッセイが載る頃は、4回目の干支が来て いると思います。思うに私は干支の亥通りの人 間です。大学進学が迫るまでは世界は自分中心 に動いていると本気で思っていて走り出したら 止まらない人間でした。少なくとも大学に入る までは。しかし、大学受験から大学の進級にか けていろんな壁にぶつかっているうちに次第に 性格が変わってゆき、石橋を叩いて引き返して くる人間になっていました。というのも人間と いうのは、厄介なもので一度壁にぶつかると次 第に臆病になってゆくもので、今までいつも一 跳びで乗り越えていたのが乗り越えられなくな ってしまうものです。すると前だけ見ていたの が、自分自身の内面を観るようになってきます。 そして、よくよく自分を観てみると生来の不器 用さがはっきりと判って来るようになります。
仕事と家庭と趣味を世の先生方が上手にやっ ていらっしゃるのを拝見しますと大変頭が下が ります。私は、仕事場に迷惑を掛け、家族に迷 惑を掛け、こそこそと趣味に打ち込んでおりま す。趣味は諸々の事情のため秘密です。後少な くとも2回ほど干支を迎えると思うので、不器 用さを何処まで人に知られずにいられるかが勝 負と思っています。今後自分としては今歩いて いる道を足元だけ見詰めて進んでゆきたいと願 っております。
先行き不透明な世の中、願わくば、今向かっ ている方向が間違いでないことを祈るだけで す。何故なら私は亥生まれで簡単には軌道修正 できない習性は残っておりますので!