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九州医師会連合会平成18年度第1回各種協議会

2.介護保険対策協議会

副会長 小渡 敬

会場風景

会場風景

協議

<地域包括支援センターについて>

(1)地域包括支援事業と介護予防につ いて(福岡県)

今回の介護保険制度改正では、介護予防が重 視され、65 歳以上の高齢者については基本健 康診査に生活機能評価が加えられることになっ た。特定高齢者の選定のために「基本チェック リスト」が用いられるが、現行の判断基準が厳 しいために、該当する対象者が少ないという意 見がある。

また、基本健康診査を受ける人は比較的元気 な方が多く、生活全般が不活発で閉じこもりが ちな高齢者へのアプローチについても検討すべ きという意見が多い。

住民への周知が徹底されていないため、患者 の理解が得られず、さらには、行政や地域包括 支援センター、医療機関の理解もまだまだ不十 分であり、周知の徹底と関係者への研修の実施 も検討すべきである。本件について、各県の現 状並びに日本医師会の見解をお伺いしたい。

(2)地域包括支援センターの各県の設 立状況等について(長崎県)

本県では、36 の地域包括支援センターが設 置されている(内、郡市医師会立は4 医師会、 5 カ所)。

しかし、運営状況や地元医師会との連携につ いては各地域で様々である。

各県の状況をお伺いしたい。

(3)地域包括支援センターの運営状況 について(佐賀県)

本県では、7 保険者23 市町全てに地域包括支援センターが設置されている。

地域包括支援センター運営協議会について は、6 保険者で既に設置済みで、1 保険者にお いては、委員の選考中(8 月現在)である。

いずれの運営協議会へも医師会から委員とし て参画している(未設置の保険者については参 画見込み)。

しかし、保険者によっては地域包括支援セン ターの体制整備が遅れており、地域支援事業に おける特定高齢者施策に遅れが生じているよう である。

1)地域包括支援センター運営協議会への医師 会からの委員参画の有無、2)地域支援事業にお ける特定高齢者施策の実施状況について、各県 の現状をお伺いしたい。

(4)地域包括支援センターについて (福岡県)

介護予防の導入に伴い、地域包括支援センタ ーが設置されたが、本来期待されていた機能が 果たせていないという現状がある。

本県で郡市医師会にアンケート調査を実施し た結果、地域包括支援センターの職員の人数に 対し、事業が多岐に渡り、業務量も多いため増 員が必要であるという意見が多く見られた。そ の他に、介護予防プランについては民間の介護 支援事業所へ委託したいが、報酬が低いため に、受託を拒否されたとの意見も多い。平成19 年4 月以降は経過措置が切れ、介護支援専門員 1 人当たりの委託件数が8 件までと制限される 予定であり、このままでは「ケアプラン難民」 の発生が懸念される。

また、地域包括支援センター運営協議会につ いては、地元医師会の積極的な関与が求められ るが、保険者によりその体制に温度差がある。

各県の地域包括支援センターの現状・課題及 び医師会の関与についてお伺いしたい。

※協議事項(1)、(2)、(3)、(4)は一括協議

【各県回答】

各県ともに、地域包括支援センターの設置は 進められているもののセンターに求められてい る機能は果たしきれていない状況との意見であ った。また、地域包括支援センターを効果的に 機能させる役目をもつ運営協議会においても、 センターを具体的にどう動かしていけばよいの かが明確にされておらず保険者の意図する運営 は行われていない状況であることが報告された。

地域包括支援センターの主な仕事となってい る介護予防事業については、各県ともに、基本 健康診査の受診率の向上、生活機能評価の住民 への説明、並びに医療機関への研修等を繰り返 し行う必要があるとの認識であった。

地域支援事業については、各県ともに現状で はほとんど実施されておらず、今後、保健師、 民生委員、自治会等が関わる「地域のネットワ ークシステム化」が非常に重要であるとされ、 併せて保険者は住民への周知と理解が得られる ように務める必要性が示された。

基本チェックリストについては、判定基準が 厳しく特定高齢者の選定が難しいとの意見が多 く、かかりつけ医がサービスを必要と判断した 場合でもサービスを受けてもらえない状況が見 受けられるとのことであった。

大分県医師会の田代先生より、地域包括支援 センターに関する協議事項の総括として、現時 点では運営協議会の機能が明確にされておら ず、また、厚労省自体がセンターを効果的に機 能させたいという意思があるのかが見えないと 意見され、非常に準備不足の感は否めず、介護 保険費用を削減するための単なるジェスチャー に見える。今後、主治医として、できる範囲で センターを動かしていくしかないと意見される とともに、センターの機能を検討し直す必要が あるとまとめられた。

その他各県より、地域包括支援センターのス タッフの増員、在介センター等への介護予防事 業の委託、介護支援専門員一人当たりの委託件 数が平成19 年4 月より8 件までに制限されるこ とへの危惧等について追加発言され、今後、こ れらの課題についても検討していく必要がある とされた。

【日医コメント】

飯沼日医常任理事より、地域包括支援センタ ーの機能は非常に難しい問題だと認識している との話があり、個人的には、センターは平成20 年4 月までに設置すればよい事であるため、そ れまでにしっかりモデル事業を行うべきと考え ていたと意見された。

介護保険は市町村が行う事業であり、各地域 で特色のある取り組みが出されることが一番良 い方策であると考える。また、センターの人員 等については、現状のままでは“これだけしかで きない”ということをはっきり示していただけれ ば、それなりに改善が図られると説明された。

飯沼日医常任理事からのコメントを受けて、 小渡副会長より、厚労省は軽度の要介護者を介 護保険適用から外すという過程の中で地域包括 支援センターを創設している。また、介護保険 自体を市町村の老人保健事業で実施してほしい と考えている。日医は介護保険のこれまでの5 年間を総括し、もっと積極的に考えていかなけ ればならないと発言があった。

これに対し、飯沼日医常任理事より、日医か ら厚労省に意見するためのデータがほしい。年 金、医療保険、介護保険と、それぞれ保険者が 違うため、各方策を模索する必要があるとコメ ントされた。

<介護療養病床について>

(5)介護療養病床の廃止について (福岡県)

平成23 年度末をもって介護療養病床が廃止さ れるが、多くの課題を抱えており、本会の会員 はその方向性が見えず混乱している状況である。

今後の方向性としては、選択肢として、医療 療養型病床、回復期リハビリテーション病棟、 緩和ケア病棟への転換があるが、それには、マ ンパワーの問題がある。また、老健や特養、有 料老人ホーム等の施設、経過型介護療養病床と いう選択肢もあるが、職員配置の問題に加え、 参酌標準や経営面での問題がある。いずれにし ても6 年後の方向性が明確ではないため、会員 も混乱している状況である。

本県では、「療養病床に関する緊急調査」を 実施し、現在その分析を行っているところであ り、それによって今後の対応を検討することと した。

また、介護療養病床廃止によって、帰る場所 の無い介護難民が出たり、高齢者の孤独死が増 加したりする。

本件に関して、各県並びに日本医師会の見解 をお伺いしたい。

(6)療養病床の再編について(大分県)

厚生労働省は2011 年末までに介護療養型医 療施設(介護療養病床)を廃止し、老健や有料 老人ホームに転換させることと、医療療養病床 の対象患者を大幅に削減する再編計画を打ち出 した。当県では、医療区分1 に分類される患者 や要介護度の低い認知症の患者など1,000 人以 上がマンパワー不足の在宅へ短期間に誘導され ると推測している。このような患者は、常時の 状態観察や対応が必要と考えられ、転倒事故や 認知症の重症化等様々な弊害は避けられず、医 療依存度は一層高くなると予想される。今後は 療養病床を有する会員を対象にした懇談会を定 期的に開催し、再編に伴う課題について幅広く 検討する予定である。各県の取り組みについて 伺いたい。

(7)療養病床再編に伴う転換について (鹿児島県)

国は、療養病床再編の受け皿づくりに、地域 ケア整備構想をまとめ、2009 年度からの第4 期 介護保険事業支援計画等に反映させる考えだが、 現場では、施設転換を含めた今後の方向性につ いて不安が広がっている。本県では、現在の参 酌標準では療養病床から他の介護施設への転換 は困難な状況にあるが、各県の療養病床の介護 保険施設への転換状況をご教示願いたい。又、 今後の見通しについて日医の考えを伺いたい。

(8)地域ケア整備に関わる介護療養型 療養病床の再編問題(熊本県)

平成22 年まで、介護療養型医療施設が廃止 されるとの地域ケア整備構想の中にあって、現 在の介護療養型医療施設の方向又は在り方をど のように考えるべきか。

特に診療所における病床転換がかなり困難で ある。

(9)療養病床の介護施設への転換につ いて(宮崎県)

政府は、2011 年度末で介護保険適用の療養 病床を廃止し、医療保険適用を含めて38 万床 ある療養病床を老人保健施設などに転換するこ とで、15 万床に削減する方針を出しているが、 現在のところ、さまざまな理由から転換が進ん でいない。医療機関は目まぐるしく変わる医療 政策に不安を感じている。市町村は、介護保険 の財政的理由から乗り気ではない、施設を認可 しない。各県の状況、対策について伺いたい。 また、日医のご見解を伺いたい。

※協議事項(5)、(6)、(7)、(8)、(9)は一括協議

【各県回答】

各県ともに、療養病床の再編は不透明であ り、現場では将来が見えず不安・不信を持ちな がら転換の方向性を模索している状況であっ た。日医の今後の方向について強い指導を期待 するとともに、受け皿作りの早急な対応を求め たいとの認識であった。

今後の方向性として、各県ともに、病院の療 養病床については、医療療養病床への転換は医 療区分の導入により運営が困難とされ、老人保 健施設への転換は参酌標準の問題により対応は 難しい状況となっているとのことであった。ま た、併せて、有床診療所の療養病床について は、転換先がなく大変厳しい状況であることが 報告された。

患者に関する問題としては、退院が困難な患 者の受け皿作りが早急の課題であるとされ、現状のままでは医療難民、介護難民、高齢者の孤 独死等が危惧されるとの認識であった。

このような状況を受け、医師会の今後の対応 として、療養病床の枠の確保を都道府県に要望 するとともに、市町村の計画策定、都道府県の 「地域ケア整備構想」へ医師会の意見が反映さ れるような働きかけが重要とされた。

福岡県、熊本県、鹿児島県では、療養病床再 編に関するアンケート調査を独自に実施してお り、その調査結果も併せて報告された。

福岡県の調査結果によると、22,000 人の療養 病床入院患者(有効回答数上の数字)のうち病 状が比較的安定しており在宅に戻れる可能性の ある患者数は1,200 人と少なく、逆に独居や家 族が犠牲になる場合であっても在宅復帰をせざ るを得ない恐れのある患者が相当数になること が結果として示された。また、今後の施設のあ り方や医療機関経営の観点に関する調査結果か ら、現場は非常に厳しい状況に置かれている、 またはおかれる可能性があることが示されてい ると報告された。

熊本県、鹿児島県の調査結果からも同様の結 果が示されていることが報告された。

その他各県より、療養病床の再編は中医協の アンケート調査が大きな試案になっているが、 アンケート調査そのものに疑問を感じる。同じ アンケート調査をもう一度行うと全く違うデー タが出るのではないか。日医が同調査を実施し てはどうかと提案された。

【日医コメント】

飯沼日医常任理事より、中医協の基のデータ を全て取り寄せて調べたところ調査した総数が 少ないことが分かったが統計学的に問題無いこ とが説明された。しかし、福岡県の調査結果に よる療養病床入院患者22,000 人のうち在宅へ 戻れる可能性のある患者数が1,200 人であると いう数字は少ない数字であり、当協議会(介護 保険対策協議会)から日医に対し療養病床再編の検証と見直しについて提案していただきたい と述べられた。日医ではこれらの提案を受け、 厚労省に意見していく姿勢であることが説明さ れた。また、既に療養病床の廃止等をされてい る先生方がいるので、少なくとも日医が厚労省 に対して動き始めたということを伝えていただ きたいと加えられた。

医療区分とADL 区分に応じた療養病棟入院 基本料の元になったコスト調査の結果と実際の 点数が乖離していることについても説明があり、 厚労省が作為的に数字を出しており厳重に抗議 を申し込むことにしていると報告があった。

小渡副会長(左)、大山常任理事(右)

小渡副会長(左)、大山常任理事(右)

<介護サービス他>

(10)地域密着型サービスの中核とな る「小規模多機能型居宅介護事業所」 の各県の状況とかかりつけ医の役割 について(宮崎県)

平成18 年4 月より介護保険で新設された地域 密着型サービスの中核を担う小規模多機能型居 宅介護事業所については、地域の在宅で生活し ている認知症の方々の介護支援に重要な役割を 果たすと考えられるが、かかりつけ医のサービ ス概要・内容に関する理解について、及び、今 後の小規模多機能型居宅介護事業所との関係の 構築についてお伺いしたい。

また、事業所に設置される運営推進会議への かかりつけ医の関わりについて各県の現状をお 伺いしたい。

【各県回答】

各県ともに、小規模多機能型居宅介護事業所 については、医療機関は積極的に参加、総合的 な関与が必要であるとともに、事業所に配置さ れる看護師やケアマネとの連携が重要であると の認識であった。

沖縄県としては、厚労省は推進していた事業 を都合が悪くなったら簡単に廃止することがあ り、この小規模多機能型居宅介護事業所もその 可能性は否定できない。日医は厚労省のこうい うやり方を追求すべきであると意見し、小規模 多機能型居宅介護事業所は経営が難しいため株 式会社が参入していないこととも関連して、厚 労省が介護保険への株式会社参入に関する調査 を行っていない点に触れ、日医は日医総研を活 用し市場原理が導入されたことで結果どうなっ たかのデータを調査し厚労省に突き付けるべき であると提案した。

(11)介護サービス(施設サービス、居 宅サービス)における疾病治療のか かわり(熊本県)

医療保険と介護保険の機能分担においてかなり支障があり、シームレスな運用がなされな い。特にリハビリテーション医療を中心として 急性期リハ、回復期リハ、それに維持期リハへ の流れが充分理解されていないし、対応がなさ れていない。今後、地域連携の立場からも医療 保険と介護保険の連携が重要である。

【各県回答】

各県ともに、医療保険と介護保険の機能分担 が行われている状況であってもシームレスな運 用が行われるべきであるとの意見であり、リハ ビリを軸にした、急性期、回復期、維持期とい う流れをシームレスな医療として捉えていくべ きであるとの認識であった。

また、以前から議論されている介護施設にお ける医療の在り方についても、老健であっても 特養であっても必要な医療を提供できるような 対応を望む意見が多く、また介護保険の施設で あっても医療保険が使えるようにしてほしいと 意見された。

(12)介護サービス情報の公表制度に ついて(長崎県)

平成18 年4 月1 日改定の介護保険法に規定さ れる「介護サービス情報の公表」について、各 県の状況及びご意見をお伺いしたい。

本県では、9 月から開始されることとなって いるが、調査及び公表手数料については何ら相 談なく6 万円と条例により規定し、また複数サ ービスを行っている事業者に対しては各サービ スごとに6 万円となっている上、毎年調査が行 われるとのことである。

また、調査機関は4 機関が株式会社、有限会 社などが指定されているが、中立性、公平性、 個人情報保護法の厳守や調査の質の確保などが 担保出来るのかも疑問である。

来年度からは介護療養型医療施設も対象とな り、最終的には全サービスを対象とすることと なっていることから、今後大きな問題になって くるものと思われる。

本制度について、医師会としても対応を考える必要がある。

【各県回答】

各県における調査費用の平均は約45,000 円 (毎年/サービス毎)、公表費用は約15,000 円 (毎年/サービス毎)であった。調査機関は、民 間会社、社会福祉法人、NPO 法人、財団法人、 県社会福祉士会、県医(宮崎県)に委託されて おり、情報公開センターは社会福祉協議会、国 保連合会に委託されている状況であった。

今後の課題として、各県ともに、調査機関並 びに情報公開センターの中立性、公平性、調査 の質の確保が必要であるとの認識であった。

沖縄県としては、これまで介護保険で導入さ れてきた制度が医療保険にも導入されている経 緯から、この介護サービス情報の公表制度と同 様の制度が医療に入ってくる可能性が懸念され る旨、発言し、このことを日医が理解していな いことが不思議である。重大な問題と認識し対 応していただきたいと意見した。

日本医師会介護保険委員会報告

日本医師会介護保険委員会副委員長(大分 県医師会副会長)の島田丞先生より、これまで に2 回開催されている日医介護保険委員会につ いて報告があった。

第1 回目は平成18 年7 月20 日(木)に開催 され、唐澤会長より「地域医療から捉えた地位 ケア体制整備について」諮問されたと報告され た。また当日は委員長、副委員長の指名もあ り、委員長に前日医執行部の野中博先生が就任 され、副委員長に島田先生の他、慶應義塾大学 教授の木安雄先生、新潟県医師会副会長の渡 部透先生が就任されたことが報告された。

第2 回目は平成18 年9 月21 日(木)に開催 され、各委員より提出された「高齢化社会にお ける、在宅医療を担う医師の役割と機能」のレ ポートが各委員よりプレゼンテーションされた と報告があった。

印象記

小渡敬

副会長 小渡 敬

平成18 年度第1 回各種協議会(介護保険対策協議会)が9 月30 日に大分全日空ホテルで開催さ れ、各県の介護保険担当理事の先生方と日医の飯沼常務理事が参加し会議が行われました。会議 の詳細については本文に掲載しました。

今回の会議の中で各県から多く提出されたテーマは、1)地域包括支援センターについて、2)介 護療養病床について、3)介護サービス等についてであった。療養病床の再編については、現在、 日医の方で国会議員も巻き込んで強力に折衝しており、まだまだ暗中模索の状況であるように思 われる。地域包括支援センターについては、すでにメディファクス(2006.10.3 ・5017 号)でも 紹介されているように、センターの運営を不安視する声が多く寄せられ、「何をしていいか分から ない」「市町村でスタッフが揃っておらずやっつけ仕事で何とかつじつまを合わせ、ごまかしてい る。きちんと行っている所は少なく、われわれ医師もどのように活用するかピンとこない」「セン ター職員自体何をしていいか分からないようだ。上手く行っているところは1 ケ所もない」等の 意見が各県から述べられた。さらに介護サービスについては、地域密着型サービスも同様に上手 く運用がなされていない、ないしは先が見えない等の意見があったが、それに対して日医からは、 各県でそれぞれ努力して欲しい旨の話のみで終始しており、あたかも日医が厚労省の出先機関の ようなことを言うので、私としては腹が立ち、このような状況を中央に持ち帰って改善すべきで あり、日医はもっと戦略的に介護保険制度に介入すべきである旨の発言をした。

今回の介護保険対策協議会は、今年4 月に介護保険制度見直しがなされて初の会合であること から、先ずは個別のことより厚労省が行った介護保険施行5 年後の総括を、医師会も議論すべき である。そのなかで、株式会社を介護保険に参入させた功罪については全く議論がなされておら ず、このことを日医総研等で充分な検証を行う必要があると思われる。

これまでの流れを見ると、食費や居室料の利用者負担、情報開示の法制化、介護サービスの制 限等々、先ず介護保険に導入し既成事実を作った後に、なし崩し的に医療保険にそれらを組み入 れる傾向にある。これらを考えると、日医は介護保険の制度改正時にもっと戦略的に取り組むこ とが必要であると思われる。