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中部地区医師会立
「ぐしかわ看護専門学校」の建設

比嘉靖

中部地区医師会広報担当理事 比嘉 靖

本会が、看護学校建設を計画してから早や10 年近くになろうとしている。

平成3 年に「コザ看護学校」と「那覇看護学 校」が合併し「沖縄看護学校」となり、それ以 降は本会管内の看護師養成は琉球大学保健学科 のみとなった。コザ看護学校の廃校に対して本 会は反対活動を展開したが、その賛否について 沖縄県議会採決で反対、賛成同数となり、議長 採決でコザ看護学校の廃校が決まったとのこと である。

さて、沖縄県の実施する県看護師需給バラン スの調査は10年毎(現在は5年毎に)実施され、 いずれの調査結果も10 年後には充足するとの調 査結果にも関わらず、その間充足された事がな く、一昨年に初めて県が看護師は当分の間、不 足するとの見解を発表したが、これまでの調査 結果を踏まえての施策で、県立沖縄看護学校の 県立看護大学への移行、県立那覇高校衛生看護 学科の廃止等により看護師充足は、ますます先 が見えない状況となり、そこで本会では本会管 内での看護師養成所の必要性を痛感し、当初は 「県立浦添看護学校」の中部移転を県へ要請し たが予算難との返答で、これにより移転実現は 不可能であると判断し、本会立看護師養成所の 開校を計画したのである。その過程の中で「人 材養成は県がすべきである」との会員からの意 見もあったが、本会総会において看護学校開校 の承認を得て計画を進めているところである。

このような中にあって、今後新たな看護師養 成所の計画は、本会80 名、名桜大学80 名、那 覇市医師会看護専門学校40 名、浦添看護学校 40 名であるが、全ての計画が実現し卒業生を輩 出するまでには5 年間を要し、その上、急性期病床の看護配置見直し、在宅や介護施設、ター ミナルケア、生活習慣病予防や介護予防等の強 化による看護師の需要が増加することが予想さ れることから、沖縄県の看護師需給バランスが 取れ、看護師充足はいつになることか予測不可 能な状況である。

最後に本来、社会保障の一翼を担う看護師養 成は官が行うことが基本であるにも関わらず、 我々民間団体が看護師養成を行い、そこで育て た看護師を官の組織の一部である県立や国立病 院等が採用する事には多少不満を感じるところ であるが、せめて民間看護師養成所への運営補 助金の増額、建設費の補助、積極的な講師派遣 を前向きに検討して頂き、看護師養成の一翼を 官には担って欲しいところである。

尚、本会看護学校計画は、平成18 年度に学 校予定地の造成工事、平成19 年度に校舎・講 堂の建設を行い、平成20 年4 月に開校するスケ ジュールで、学校の概要は下記の通りです。

[計画概要]

  • 建設地:うるま市昆布地内
  • 敷地面積: 21,577u
  • 校  舎:1)主体構造:鉄筋コンクリート造3階建て
          2)延べ床面積: 5,362u
  • 講  堂:1)主体構造:鉄筋コンクリート造、一部鉄骨造
          2)延べ面積: 752u
  • 駐車台数: 242台