副会長 玉城 信光
下記の出席者と議題で会議を持った。議事録 をもとに報告をするが出来るだけ生の声を会員 に届けるようにした。福祉保健部と県医師会は 会員の声を聞きながら行政と密に連絡を取り政 策の実現を目指している。
日 時:平成18年8月9日(水)13:00〜14:00
場 所:県庁3階第2会議室
出席者:
<県医師会>
<福祉保健部>
<病院事業局>
玉城副会長:「産婦人科医師不足は、深刻であ り緊急に解決しなくてはならない。医師会で は、8月31日に産婦人科関係者が集まって対応 を検討することにしている。今後のスケジュー ルを含め、県の今後の進め方について伺いた い。」と提案理由の説明をした。
【議題1の回答】
呉屋医務国保課長:本県は、離島等において産 婦人科医師等の専門医の確保に課題があり、今 年度は「離島・へき地医師確保対策検討調査事 業」を実施している。これら地域で不足する産 婦人科医師を含めた専門医等の確保策を検討し ているところである。
当面の医師確保対策としては、「専門医養成の 拡充」、「全国組織や民間医療機関を通じた専門 医派遣事業」等を行うことが効果的としている。
県としては、今後とも県立病院の臨床研修事 業における「後期臨床研修事業」を充実する 他、新たな医師確保対策として、離島等で不足 する産婦人科医師等の確保を推進するため、 「全国組織を通じた専門医派遣事業」の実施に ついて、国とも調整を行っている。
知念病院事業局長:県立病院だけの動きである が、琉大病院との連携をとっていきたい。先日 副知事も一緒に青木教授にお会いし、お願いを した。産婦人科医会沖縄県支部にもご協力をお 願いしたが、全県的な医師不足の中で、すぐ対 応することは難しいとのことである。県立病院 で後期臨床研修13名の産婦人科医を育ててい くことにしている。
【主な意見・質疑応答】
玉城副会長:産婦人科の医師は高齢になると、 お産が負担となってきて、産婦人科を止めてし まう方が多い、例えば9ヶ月だけその先生方に 診てもらって、お産はセンターで行うようにす れば、高齢になってもずっと産婦人科医師のま まで産婦人科医療に携わることができる。
嶺井常任理事:医師を育てるには時間がかか る。長期的なことと、短期的な取り組みもあ る。沖縄県保健医療福祉事業団から育成のため の費用が出せないか。また、助産師も不足して いるので、養成を行いお産に関われるようにす るとよい。
部長:産婦人科医は不足、医師を探すのは難し い、どう克服していくか、全国に発信している が、なかなか情報が集まらない、全国の情報を 集める。
今山理事:自前で育てるため後期臨床研修医を 集めるとのことだが定数はあるのか。
知念事業局長: 全国的に産婦人科医が足りな い、どこを探しても医師がいなければ自前で育 てるしかない。産婦人科を優先に研修医を採用 する。後期研修の数を増やす、枠を専門医の取 れる年数まで延期する制度を作る。数は予算と の関係もあるが、4〜5年後くらいを目途にし て研修医を増やす、延ばすことを福祉保健部と 話し合っている。
仲宗根統括監:県の定数には研修医は入ってい ない。専門医の資格が取れるまで延長する。
砂川病院企画監:指導医の手助けが出来る 5〜6年目の研修医をおくことを予定しており、そ のための指導医の確保の問題はない。
玉城副会長: 医師会では、8月31日に琉大、県 立病院、産婦人科医会等の関係者に集まってい ただいて、産婦人科医確保について検討するこ とにしている。
玉城副会長: 4月の診療報酬改定で病院におけ る看護配置基準(7対1)が設けられたことで、 全国的に看護師の引き抜き始まっている。
また、昨年度本県では第6 次看護職員需給見 通しが策定され、向こう5年間看護師不足 (H18年:約800名H22年約700名)が続くこ とが予測された。医療界では看護師不足に対す る危機感が強まっている。
今後、県内養成校は増えるとのことである が、実質的に厳しい状況が続くものと考えてい る。この問題について県としてどう解決にあた るか見解を伺いたい。
会場風景
【議題2の回答】
呉屋医務国保課長:平成18年4月の診療報酬改 定に伴い、看護職員の実質配置基準7対1が新 設されたことや10対1の点数が上がったことか ら、今後医療機関において看護職員の配置変更 が増えていく傾向にあると考えている。
今後、看護職員の確保を図るため、民間養成 所等においては、名桜大学(H19年4月開校予 定)、中部地区医師会(H20年4月開校予定)、 那覇市医師会(H21年課程変更予定)が看護師 を養成する学科・課程の設置を進めている。
また、県においても浦添看護学校の課程を変 更し、看護師3年課程の設置(H21年4月過程 変更予定)を進めている。
これらが予定どおり設置されれば、県内の看 護養成校の入学定員は平成17年の470名から平 成21年には720名となり、増員(250名)が見 込まれる。
また、県としては、昨年度実施した需給見通 しの中で、離職防止について今後強化すべきと の確認がなされたことから、ナースセンター事 業の充実・強化を図りながら、再就業を促進す る対策等も併せて実施し、引き続き看護職員の 養成確保に努めていきたい。
更に、今後、沖縄県、県医師会、県看護協会 の3者で離職防止についての検討会を設け、 種々検討していきたいので、その折は是非ご協 力頂きたい。
【主な意見・質疑応答】
玉城副会長:県内養成校どうしの連絡会や病院 どうしの情報を交換する場があれば、離職防止 について種々意見を出し合い、色々改善出来る 点はあると思う。そう言う点で先ほど話しのあ った検討会を設けることは良いことだと思う。
宮城会長:昨年需給計画を立てた際、今回開設 が予定されている養成校の養成数は算定されて いるのか。
呉屋課長:新設は反映されていない。
宮城会長:需給計画で折角見通数を算定して も、国の制度が変われば見通し数が一変する。 本土では新設された看護配置基準により看護師 の争奪戦が始まっている。幾ら養成しても、次 から次へと制度が変わるため、不足の解消が図 れない。今後は法改正も見据えた看護養成を行 なって頂きたい。
また、沖縄県は県立病院が多く存在する。民 間は自前で看護師の養成に努めているが、県は 今独自に養成している浦添看護学校を数年後に 民間委譲しようという動きがある。県立病院が 多く存在する特殊事情をしっかり認識して頂 き、自前の看護師は自前で養成するような政策 を展開して頂きたい。
今山理事:新卒者の県内定着率はどうなってい るか。定着率をあげることが看護師不足の解消 に繋がると思うが如何か。
呉屋課長: 平成16年度統計によると県外に就職した方が12.5%であった。17年度は16.5%で 対前年比が4%も上昇しており、県外へいく方 が増えている。
大山常任理事:琉大・看護大学には地域推薦枠 があるか。また、実際に卒業して県内に残る数 はどうなっているか。
呉屋課長:県立看護大学のみ地域推薦制(20 名)がある。県外への流出数は、平成17年度 統計で43%を占めている。しかし、試験で合格 した学生と地域枠で推薦された学生では勉強に 差が出ることもしばしばあり、退学する学生も 存在する。
今山理事:本県の療養病床再編を検討するに際 し、高齢者福祉介護課、医務国保課、社会保険 事務局、県医師会との4者による連絡会議を開 設し、互いの情報を共有してはどうかと提案さ れた。
また、小渡副会長より、受け皿が整えられてい ない状況で療養病床の再編という政府案が示さ れ、医療機関は混乱の中岐路に立たされている。 迅速な情報提供をお願いしたいと補足された。
【議題3の回答】
城間高齢者福祉介護課長:国は療養病床再編 についての指針を今年度中に策定するとしてい るが、現時点では情報は全く示されていない。 国からの新たな情報が提示された時点で、当連 絡会議(福祉保健部と県医師会との連絡会議) 等を活用し情報交換を行いたい、また別途情報 交換の場が必要な場合は、その都度必要に応じ て開催していきたいと回答された。
また、現時点における県の取り組みとして、 療養病床の再編に係る医療機関や患者等からの 相談窓口(県福祉保健部高齢者福祉介護課に設 置予定)の設置計画について報告があり、当窓 口に寄せられた相談等は毎月厚生労働省に報告 されると説明があった。