沖縄県立中部病院
40期インターン(1年目研修医) 山田 直樹
早いものでここ沖縄での研修が始まって4ヶ 月になる。怒涛のようなこの4ヶ月を私なりに 振り返ってみる。中部病院の名物(?)ともい うべき、朝の採血、救急当直、病棟当直の3点 について述べることにする。
忘れもしない研修初日、4月10日、朝5:45、 まだこの頃はいくら沖縄とはいえ日は昇ってお らず薄暗い中、初めて担当する病棟へと足を運 んだ。仲間の顔も心持ち不安げでまたやや高潮 していた。病室もまだ暗く、より一層不安にな ったのを覚えている。
採血実習で習ったばかりで未熟なまま突入し たため、時に「へたくそ」と怒鳴られ、時に反 対の手でたたかれ、時に患者さんの「あがー。 あがー」をありがとうの意味と勘違いし、「ど ういたしまして」と返答していた。
研修開始から2週間経った頃に初めての救急 当直があった。初めの2ヶ月は先輩が付きっ切 りとはいえ、最初から救急車で来院した外傷患 者を診たりと緊張の連続であった。いまだに気 の小さい私は救急車からのコールは不安になっ てしまう。
ここ沖縄では珍しいことではないのだろう が、熱中症、ハブ咬症やクラゲの対応に戸惑う ばかりである。
中部病院では原則病棟ナースからのコールは 最初、すべてインターンと決まっている。薬の 処方漏れから、病棟CPAまでありとあらゆるコ ールが来る。日曜日の当直などは40件程度のコ ールを受けることになる。「ナースさんは私の ことが気に入らないのか?」などと若干被害妄 想しながら、病棟から病棟を駆け回っていた。
当直明けも仕事をし、やりきった後のオリオ ンビールは格別だが、アルコールの回りが早くたくさんは飲めず、脱水を助長し幾度となく明 け方に足がこむら返りをおこした。
こうして激しくも楽しく研修できているのは 温かく見守ってくれている方々のおかげである。
いつも壁にぶつかると一つ上のレジデント (二年目研修医)に助けてもらっている。先輩 方の「はじめなんだからいいよ」という言葉に 何回も励まされ、その振る舞いに素直に憧れ、 いつかこんな風になれたらと思っている。尊敬 する先輩や上司が近くにたくさんいることは、 何にも代えがたい財産である。
コメディカルの方々も上の先生に頼めばすぐ 済むところを私達にわざわざ連絡をくれ、いつ もその尻拭いまでしていただいて頭があがらな い。また、いつも愚痴を言い合う同じインター ン、遅く帰っても晩酌に付き合ってくれる家内 には助けられている。
忘れてならないのは、ここ中部地区の患者さ んの心の寛容さである。これに私はもっとも感 謝したい。
これからも感謝という謙虚さを忘れずに研修 に励むつもりである。これからもご指導のほど よろしくお願い申し上げます。
内科(呼吸器)研修中 二年目研修医と共に(見るからに 一年目の一番手前が私。)