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第1回沖縄県社会保険事務局・
県医務国保課・県医師会連絡会議の報告

今山裕康

理事 今山 裕康

標記連絡会議が4月21日(金曜日)に開催さ れたので報告する。

参加者

  • 沖縄県社会保険事務局
  • 沖縄県福祉保健部 医務国保課
  • 沖縄県医師会

議題

  • 1)平成17年度個別指導の実施結果
  • 2)平成18年度個別指導の予定
  • 3)県からの連絡
  • 4)社会保険事務局より
    • a.後発医薬品について
    • b.療養病床の再編について
議題1)平成17年度個別指導の実施結果
  • (1)個別指導 → 新規34医療機関・新規以外4医療機関
  • (2)集団的個別指導 → 38医療機関
  • (3)集団指導 → 55医療機関

個別指導の結果は、概ね妥当、経過観察、再 指導、監査の4段階に評価される。平成17年度 の結果は、概ね妥当2医療機関、経過観察35医 療機関、再指導1医療機関であった。

経過観察とは具体的にいうと、保険請求上の 誤りや算定要件を満たさず、一部返換になった 場合等が相当する。個別指導は何か悪いことを 行ったとか、医学上誤りを指摘するといったと ころではなく、あくまでも保険診療上の指摘に とどまるので、特に新規の医療機関にとっては 有益ではないかと思われる。また、再指導は、 保険診療または請求上重大な誤りがある場合で あり、監査は不正行為が発見された場合と理解 している。個別の指摘事項については別途まと めて掲載したい。

議題2)平成18年度個別指導の予定
  • (1)新規 → 32医療機関
  • (2)新規外 → 23医療機関
  • (3)集団的個別 → 43医療機関

平成18年4月11日に選定委員会が開催され、 指導大網に沿って選出した旨が報告された。

県医師会より、院内・院外処方による区分等 について、どのように配慮されたかを質問した ところ、県内の医療機関を11の診療区分に分 け、それぞれに院内・院外処方および透析の有 無で補正し、選定しているとのことであった。

本年は5月24日(水)より個別指導が開始さ れた。


指導を受けることは何ら恥ずかしいことで も、不名誉でもないと考える。また、指導に際 しては、社会保険事務局、県医務国保課といっ たところと直接話をする滅多にない機会なの で、日頃の疑問を大いに質問し、議論していた だきたいと思う次第である。

議題3)県からの連絡 (県医務国保課)

後期高齢者医療制度の立ち上げに向けての取 り組みが始まり、県としても体制を強化してい るところであり、県医師会に対し新制度の立ち 上げに協力していただきたいとのことであった。

県医師会より、高齢者医療適正化推進検討委 員会の活動との関連を尋ねたところ、当委員会 の活動は継続中であり、新制度との整合性を計 りながら両立して検討していきたいとのことで あった。

新しい制度がうまく立ち上がるように、積極 的に関与していきたいと考えている。

議題4)社会保険事務局より

a.平成18年4月改定で始まった後発品への 変更可の処方箋取り扱いについて

保険薬局が処方箋に従い薬を変更した場合の 注意事項として、後発品に変更された場合、薬 局が処方箋を発行した医療機関に報告すること になっているが、医療機関はその変更された医 薬品の名をカルテに記載していくように依頼が あった。(表1参照)

表1.

表1.不備な処方せんとして、発行保険医療機関に申しいれる よう指摘された事項

保険薬局に対しては医療機関に報告すること が義務であるのに対し、医療機関に対しては診 療録に記載することが望ましいという表現にな っている。しかし医療機関ではカルテに記載す るということで指導をお願いするとのことであった。県医師会としてはこの旨を全会員向けに 広報し、周知をはかる予定である。

b.療養病床の再編について

今度の医療制度改革により療養病床が再編さ れることになっている。厚生労働省は先だった 4月23日、社会保険事務局、県福祉保健部に対 し説明を行った。それによると、医療療養病床 25万床、介護型療養病床13万床が、2012年に 医療療養病床15万床へ削減されることになっ ている。それに伴い介護療養施設は13万床→ 23万床へ増加され(?)、老人保護施設、ケア ハウス等の居住系のサービスへの転換が見込ま れている。このような大幅な編成を行うため に、厚労省は様々な援助成事業を計画している とのことであった。

これに関連して、該当医療機関にどのように 伝達したら良いのか協議した。これは後日“医 療機関に関する説明会”として5月25日に開催 したところである。


診療報酬の問題も非常に大切な問題ではある が、保険事業を都道府県単位にすること、後期 高齢者医療制度、療養病床の再編問題といった これから取り組まなければならない問題は山積 している。

医療機関の方向性なり方針は、最終的には自 己責任であるが、沖縄県として医療供給体制を 整備していくためには、県を中心に社会保険事 務局、県医師会が協働して対応していかなけれ ばならず、お互いの情報を共有していく必要が あると考える。