副会長 宮城 信雄
去る1月26日(木)午後1時より、沖縄県庁においてみだし会議が開催されたので、下記のとおり報告いたします。
【當山副会長説明】
本連絡会議において、本会より「沖縄県医療対策協議会を早期に開催し、医師確保対策を推進していただきたい」旨求めているが、未だ明確な回答をいただいていない。離島・へき地の医師確保のため、医療対策協議会の早期開催を再度提案・要望するので、協議会の設置の予定はいつなのか、第1回目の協議会開催はいつなのか、今後のスケジュールを具体的・明確にお示しいただきたい。
2008年には、新医療計画の策定がある。協議会の立ち上げ、予算等どうなっているか。
【県回答】
地域における医療対策協議会については、平成16年3月の国の通知に基づき、設置に向けて県医師会や琉球大学と調整を行ってきたところである。要綱の内容決定は終わり、現在、メンバー構成はどうするかを調整しているところである。県としても早急に立ち上げたいと考えている。
【質疑・意見交換】
當山副会長:
医療制度大綱には、「各都道府県に医療対策協議会を設ける」ことになっている。肥満・たばこ・予防医学、地域のへき地だけではなく、法律的に国から指導されたりする。沖縄県が率先してやって欲しい。我々も医療人としての責任があるので積極的に提案していきたいと思っているが、その場がない。ここで議論しても始まらない。
呉屋課長:
地域医療対策協議会の位置づけについて、国からは具体的な説明はない。県としては、医療審議会の下部組織と考えている。
仲宗根統括官:
医療制度大綱について、全国の担当部長会議があった。医療計画は、健康増進計画、介護支援事業計画、医療費適正化計画など他の計画との整合性を確保することになっている。来る2月20日に、担当課長会議が開催されることになっており、具体的に説明があると思う。
當山副会長:
三者で何とかできないか。
安里常任理事:
大学からの代表の方、地域医療支援病院、今度出来る社会医療法人、僻地医療支援病院が、へき地医療を担うということになると思う。全員一緒になって取り組まなくてはならない。
喜友名部長:
今、琉大との関連では、まず膝を交えて情報を共有する。団体の思惑はあると思うが調整しながらまずはスタートさせたい。
當山副会長:
各団体の思惑はある。しかし、現状は逼迫しており、社会的ニーズがある。二十年も同じような対応ではなく、しっかりと纏めていただきたい。
是非筋道をつけていただきたい。
【伊礼健康増進課長説明】
国の計画に基づいて昨年12月に策定した。行動計画説明(省略)。
国の基準に照らして策定しているが、特に、沖縄県の地理的特性を考慮して、「3.対策の基本方針の2」行動計画のフェーズの定義及び対策の推進体制」に、下記のように追加した。
「・・なお、東南アジアに近接している本県の地理的特殊性にかんがみ、国内非発生時であっても、本県への感染拡大が懸念される地域における新型インフルエンザの発生を考慮して対応することとする。」
今後、本計画に基づいて対応していくこととしているので、ご協力をお願いしたい。
【質疑・意見交換】
真栄田常任理事:
潜伏期間が短かいので、県内に急速に流行した場合に、スピードを要する。FAX・メール・電話等スムーズに連携システムの構築をお願いしたい。
伊礼課長:
より多くの患者が想定され、急速に広がる可能性もある。連携して対応していきたい。
喜友名部長:
平成18年度にタミフルを備蓄したい。
友寄常任理事:
対策本部長は知事か。
喜友名部長:
協議中ではあるが、危機管理対策ということになると知事になる。
【呉屋医務・国保課長説明】
今回の医療制度改革において、平成20年度に全国一斉に見直すことになっている。本県においても、見直しに向けて、平成18年度に医療機能調査、19年度に同調査を基に見直し検討等必要な作業を行っていきたいと考えている。
これまでの基準病床数の設定に加え、がん等9つの主要事業対策については、目標値の設定と具体的実施方策を盛り込む必要がある。
県としては、沖縄県保健医療協議会や地区保健医療協議会を活用して、平成18年度当初から具体的な見直し作業を行いたいので、沖縄県医師会並びに各地区医師会には、各医療機関の医療機能調査や計画策定づくりについて、ご協力をお願いしたい。
【質疑・意見交換】
當山副会長:
調査の費用は18年度の予算で出さなければならず、地域のクリティカルパスを作り、さらに診療所も含めてやるとなると相当大掛かりなものになると考えられる。3計画(健康増進計画、介護支援事業計画、医療費適正化計画)も作ることになっている。かなり厳しいスケジュールになっており、早めに進めていかないといけない。
また、これまで、地区保健医療計画の検討になかなか入れず、県全体の改訂だけで出来上がってしまった。
各県もかなり困っているようである。
仲宗根統括官:
国が事例として示しているのは、例えば医師会が中心となって作ったところ、国立病院が中心になって機能を調整したところ、ばらばらである。しくみとして事例を集めて紹介している。
當山副会長:
地区ごとにばらばらなので、公的病院が中心でクリティカルパスを作ってということもありえるので、是非医師会と密接にやっていただきたいと思っている。
平班長:
今回の医療計画はもう少し詳しくなると思う。各病院の機能、人員体制、業務内容、地域連携については、二次医療圏を越えての連携が想定されている。医療機能調査できちんと調べてどういう形で連携が必要なのか、協議する場が必要なので、地区保健医療協議会だけではできない部分もある。
友寄常任理事:
19年の調査で、過剰な医療機能や不足している医療機能の把握とあるが、不足は想像がつくが、行政が過剰ではないかと思っていることは何か。
呉屋課長:
具体的に何を想定して書かれているか、今はわからない。
安里常任理事:
肥満度が全国一位とか、検診受診率が低いなど、恐らく数字として出てくるかと思う。それに対する対策をどう展開していくかが課題である。また、医療費適正化とリンクされたら困るが、これをよい機会として取り組んでいけたらいいと思う。
【呉屋医務・国保課長説明】
沖縄県では、平成18年度に県内の医師や医療機関を対象とした離島医療に関する意識調査や医学生・研修医を対象とした離島医療体験セミナーを実施すると共に、地域勤務への動機付けとなる条件や新たな医師確保対策について検討するみだし事業を実施することにしている。検討委員会への参加等、県医師会の協力をお願いしたい。
なお、既に琉球大学からご協力いただけるとの返事をいただいている。
【質疑・意見交換】
當山副会長:
医療制度大綱には、医師不足に関して医療対策協議会を設置して、医学部入学定員の地域枠を拡大すると言っている。琉球大学との調整になるが、そのような意見が医師会から言えればいいと思っている。
稲冨会長:
地域枠をすでに採用している大学がある。
宮城副会長:
沖縄県として地域枠で要請するという計画はあるのか。琉球大学としては、要請があれば考えてもよいと言っている。
喜友名部長:
医療対策協議会を立ち上げてその中でも検討していきたい。
宮城副会長:
新聞報道では、へき地に勤務した医師でないと開業できないと出ていたが、県としてどう考えているか。
仲宗根統括官:
果たして知事が指定できるものなのか、国としてはそこまで打ち出せないようである。国が本腰入れて検討しているとは思えない。
【伊礼健康増進課長説明】
保健所では、新興染症対策業務・エイズ対策業務・結核業務を強化するため、一般健康診断業務を終了することになったのでご理解いただきたい。中部・南部・中央の3保健所については、平成18年3月末をもって、北部・宮古・八重山については、当面の間実施する予定。なお、地区医師会にも説明に行く予定にしている。
【質疑・意見交換】
宮城副会長:
入学時の健康診断書に保健所が公的医療機関で受けるようにとなっているが、実態はどうなっているか。
伊礼課長:
このことは以前から指摘があり、保健所では、様式を作成している関係者に対して、法的に根拠がないことを指導している。
◇「沖縄県看護職員需給見通し」(平成18年〜平成22年)について、資料の提供があった。
印象記
副会長 宮城 信雄
離島・へき地医療や産婦人科、小児の医療の問題等数多くの難問題を抱えている沖縄県は、医療関係者が一致協力して問題解決のための知恵を出しあう必要がある。県医師会は連絡会議の席で医療対策協議会の早期設置を幾度か提案してきた。今回はスケジュールを明確にするように求めた。福祉保健部として琉大と数回調整し、要綱の内容決定が終わりメンバー構成で調整中との返事をいただいた。産婦人科問題は県立北部病院だけでなく県立八重山病院でも表面化してきた。もし八重山病院から産婦人科が無くなればその影響は北部病院どころではないと思われる。離島・へき地医療は急を要する。お互いの立場を尊重しながらも問題解決の場を早急に開催する必要があるのではないか。