寒い時期になりましたが、インフルエンザの予防接種は受けましたか? インフルエンザの季節は、同時に肺炎の季節ともいえます。高齢者の肺炎の危険性について、最近はテレビのコマーシャルでも見掛けることがありますね。
2011年の厚生労働省調査で、日本人の死亡原因として肺炎が脳卒中を抜いて、がん、心疾患に次いで第3位になりました。肺炎死亡者の95%以上は65歳以上で、高齢者に多いのが特徴です。とても身近な肺炎ですが、特に高齢者や体の抵抗力が落ちた方にとっては、重症化すると死に至ることもあります。
肺炎の原因となる細菌やウイルス、真菌(カビ)は、人の体内や普段の日常生活の場に存在しています。風邪やインフルエンザに感染すると、のどや気道の粘膜が傷つき肺炎の原因菌が肺内に侵入しやすくなります。
原因として最も多い「肺炎球菌」は、時に重症の肺炎になることがあって、特にインフルエンザの季節では、より多くより重症の肺炎を起こすことが知られています。ですからインフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンの接種を併せて行うことは、危険な肺炎を予防する意味でとても大切です。
インフルエンザワクチンの本来の目的は、高齢者や小児、基礎疾患を持った方々の重篤な健康被害を防ぐことです。またそのハイリスク者を守る観点から、周囲の方々も積極的に接種することが望まれます。
肺炎球菌ワクチンは、肺炎球菌による肺炎、髄膜炎、菌血症などの発症の予防や重症化を抑える効果が確認されています。1回の接種で約5年間有効といわれており、再接種も認められていますが、インフルエンザワクチンに比べてまだまだ接種率は低いのが現状です。小児、高齢の方や慢性の持病をお持ちの方は肺炎球菌ワクチンの接種も併せて行うことが推奨されています。
多くの市町村で、高齢者を対象にインフルエンザ、肺炎球菌ワクチンの接種費用の公費助成を行っています。うがい、手洗い、マスク着用など日頃の風邪予防に加えて、ワクチン予防接種もぜひかかりつけの医療機関で相談してください。