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生活習慣病と目(2013年11月26日掲載)

舘一男・沖縄協同病院眼科

全身の健康管理を

沖縄県では、生活習慣病が増えているようです。沖縄そば、おいしい豚肉、腹に染みわたる泡盛…。我慢するのは大変です。

さて、たいていの生き物には目が二つあります。普段その事実を意識したり疑問に感じたりすることはありません。

もし、二つのビデオカメラを同時に回して、ブレやずれのないワイドな映像を撮影しよう、となれば2台のカメラをコントロールするスーパーコンピューターが必要になるでしょう。カメラとコンピューターをつなぐケーブルや配線の仕方も重要になります。

目は大事だから、見えなくなったら怖いから、と多くの方が感じておられます。というわけで、目そのものに違和感、異常が出てから慌てて眼科を受診するということになります。

2台のカメラの例え話をしましたが、人間の二つの目をコントロールしているのは「脳」であり、目から送られてくる映像情報を処理しているのも「脳」なのです。目と脳を結ぶケーブル、すなわち「神経」も同じように重要です。

さて、以上のように視力を支えているのは目そのものだけではなく、脳や神経も順番がつけられないほど、すべて大切ということが分かります。そのすべてを良い状態に保つためには、全身的な健康管理に気をつけなければなりません。

全身を流れている血液が正しい状態に保たれていれば良いのですが、暴飲暴食、過労、睡眠不足、心身のストレスなどからバランスが崩れると、血液検査の結果にいろいろな問題が出てきます。血液がドロドロになって小さな血のかたまりができやすくなると、それが目、神経、脳にある細い血管に詰まることがあります。10秒以内に完全失明することもありますし、視野の大切な部分が数分以内に失われることもあります。

生活習慣病の恐ろしさは、こうした突然の変化が現れる点にあります。じわじわと血液検査の結果が悪くなっていくことを放置せずに、先手必勝の対策を心掛けたいものです。