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目の充血(2013年10月1日掲載)

真栄田義敦・まえだ眼科

持続なら受診を

日常よく見られる目の症状の一つに充血があります。充血の原因として代表的なものは結膜炎です。

結膜炎と聞いて皆さんがすぐ思い浮かべるのが、集団的に発生する急性の結膜炎、いわゆる“はやり目”でしょう。ご存じのように伝染力が強く、感染拡大の予防のため自宅待機(隔離)が必要です。完治するのに10日ほどかかります。

非伝染性の結膜炎には、細菌やウイルスなどの微生物による感染性のものと花粉症やほこりなどのいわゆるハウスダストによるアレルギー性のものがあります。これらの結膜炎は点眼薬で治癒することが多く、視力的な後遺症を起こすことはほとんどありません。

一方、結膜炎と似ているものに、“ぶどう膜炎”があります。聞きなれないと思いますが、これは眼内(がんない)に炎症が生じる疾患で、症状の一つとして充血がみられます。かすみやまぶしさを伴うことが多く、適切な治療を受けないと視力障害をきたすことがあります。

ぶどう膜炎の原因としては、細菌やウイルスなどの外因性のものや、膠原(こうげん)病やリウマチなどの内因性のものがありますが、原因不明のことも多いです。

これらは点眼薬のみならず、内服薬や時には注射薬を併用して治療しますが、再発することが多く、こじらせるといろいろな合併症が起こって治りにくくなり厄介です。

この他にも充血が見られるものとして、角膜(黒目)の傷や疲れ目、翼状片(よくじょうへん)などがあります。翼状片とは、結膜(白目の膜)により黒目が覆われるため、充血が目立ちやすくなったものです。

ちなみに充血とよく間違われるものに結膜下出血があります。これは結膜の血管が破綻し結膜が出血で覆われるものです。見た目は派手ですが症状は軽く、1週間ほどで自然に症状は消えます。通常視力への影響はありません。

充血と言ってもその原因は多岐にわたり、持続する場合はお近くの眼科に受診することをお勧めします。