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「健診」の勧め(2013年4月30日掲載)

宮平守博・ひろ内科クリニック

疾患の早期発見重要

ついに沖縄県の女性の平均寿命が1位から3位に後退してしまいました。男性は今回も30位と低迷したままです。後退した理由は、平均寿命の伸び率が男性は47位、女性は46位と全国で最も低かったからです。

沖縄県では、心筋梗塞、脳出血、糖尿病による死亡率が男女共に全国平均を上回り、特に40代から50代の働き盛りで、男性は脳出血、女性は糖尿病による死亡率が全国ワースト5に入っています。この働き盛りの死亡率の高さが、平均寿命の伸び率を鈍化させた原因と考えられます。

心筋梗塞、脳出血、糖尿病は、いずれも生活習慣の偏りから起こる生活習慣病です。過食や運動不足により余分なカロリーが、内臓脂肪として蓄えられます。内臓脂肪からは、アディポカインと呼ばれる物質が分泌され、血圧や血糖、中性脂肪などの異常を引き起こします。その異常が複数重なった状態がメタボリックシンドロームであり、動脈硬化を加速させ、心筋梗塞、脳卒中などの致死的病気を起こします。

沖縄県の肥満率は男女共に全国1位です。メタボリックシンドロームも各世代で全国平均を上回っています。そのため、働き盛りの死亡率は、今後とも高い水準を維持していくことが危惧されます。

長寿県を復活させるためには、働き盛り世代の生活習慣病による死亡率を低下させる必要があります。そのためには、40代からではなく、もっと若い世代から定期的に健診を受け、生活習慣病を早期に発見することが重要です。異常が軽ければ、生活習慣を改善することで発病を予防できます。また、たとえ治療が必要でも薬でコントロールできる段階ならば、心筋梗塞、脳卒中など致死的な合併症を予防できます。

生活習慣病にはがんの一部を含む多くの病気があり、誰でもかかりうる病気です。将来それで倒れないようにするためには、定期的に健診を受け、絶えず自分の健康状態を管理しておくことが大切であることを、今一度強調したいと思います。