人にとって嗜好品(しこうひん)は肉体的精神的に大切なものと思います。しかし反面、目に見えないウイルスや細菌と似て、長年の間に知らず知らずに体の中に病気を作る原因にもなります。
人は昔から酒やたばこを嗜好品としています。たばこは近年肺がんや心臓病との関わりで比較的敬遠されています。酒も飲みすぎると肝硬変や胃潰瘍の原因になりえます。
今回は過ぎた酒が首に腫れものを作ることの話です。過ぎた酒と首の腫れものにはどんな関係があるのでしょうか
「首」と一言で言っても、首には神経、脂肪、リンパ節などいろいろなものがあります。その中で過ぎた酒と最も関係のあるものはリンパ節の腫れものです。
リンパ節はリンパ液の流れる道の途中にある節のようなもので、リンパ液と一緒に流れてくる細菌や病気の細胞がたまるところです。
口やのどに病気があると病気の細胞が流れてきて首のリンパ節にたまり、そこで細胞が増える結果、リンパ節が腫れてきます。流れてきた細胞が、がん細胞の場合もがん細胞が増えてリンパ節が腫れます。
過ぎた酒で口やのどにがんができるとがん細胞が首に流れ、その結果、首のリンパ節が腫れますが、初めのうちは痛くありません。がんだったら痛いと思うかも知れませんが、実際は初めのうちは痛くないのです。もちろん全部ではありませんが、首の痛くないこりこりの方が怖い病気のことがあります。
のどにがんができても、のどは皮膚ほど痛みに敏感ではないため初めのうちあまり痛くありません。そのためがん細胞が首に流れてリンパ節がこりこりと腫れるまで、のどにがんがあることに本人が気付かないこともあります。
首に痛くないこりこりした腫れものができた時は近くの耳鼻咽喉科を訪ねてみて下さい。そして、口やのどを診てもらうことをお勧めします。
酒を飲めばがんになる訳ではありません。薬も過ぎれば毒となる、とことわざにあります。酒は人生の友であり、程よく楽しく永くたしなみたいものと思います。