沖縄県は長寿で有名ですが、最近はお酒の飲み過ぎで、長寿が脅かされています。「酒は百薬の長」と言いますが、度が過ぎると健康に悪影響を及ぼします。
2000年、男性は長寿第1位から26位まで順位を落としてしまいました。糖尿病、肥満が全国一多く、生活習慣病の死亡が増えています。特に、肝疾患による死亡は全国ワーストで、アルコールによる肝疾患の死亡率は全国平均の約2倍です。
では、いったい飲酒量をどれだけ減らせば健康を保てるのでしょうか? 厚労省は「一日ビール500ml(泡盛だと0・5合)まで。週に2日は休肝日を」と呼び掛けています。皆さんが思ったよりずっと少ないのではないでしょうか。
お酒の飲み方についてのテストを紹介します。WHO(世界保健機構)が開発した「AUDIT」という簡易飲酒問題テストです。(興味のある方は当院HPから行うことができます。http://www.hosp.go.jp/~ryukyu1/sinryo/alcol/e-audit.html)。
このテストで10点以上であれば、飲み過ぎが疑われます。一日平均泡盛1・5合程度飲酒する人は、多量飲酒者と言われ、何らかの健康被害が予測されます。
当院が昨年、今帰仁村の特定健診受診者に対して行った調査では、AUDITで10点以上の人(問題飲酒者)は、9点以下(正常)の人に比べ、肝障害4・9倍、高尿酸血症2・9倍、メタボリックシンドローム2・4倍、高脂血症1・6倍、肥満1・3倍、高血圧1・2倍の倍率で病気にかかっていました。
お酒の飲み過ぎが生活習慣病の大きなリスクであることが分かります。逆に、お酒を減らすことができれば、これらの病気をよくすることができます。
「HAPPYプログラム」という、お酒を無理せず楽に減らすための方法があります。今帰仁村では、特定健診受診者でAUDIT10点以上の希望者に、プログラムを受講していただいています。
今後、プログラムを県内各地で受講できるようにし、長寿日本一の復活を願います。