「アガッ!」足の親指をぶつけて思わず叫んでしまい、このケガがきっかけで爪の周りが腫れて膿(うみ)が出て、痛くて靴が履けなくなった…なんて経験はありませんか?
「巻き爪」や「陥入爪(かんにゅうそう)」と呼ばれているようですが、ここでは仮に、爪が丸くまるまってしまった状態を「巻き爪」、爪の周りから膿や汁が出て痛みがある状態を「陥入爪」としましょう。
巻き爪の原因として、白癬爪(はくせんそう)(水虫の爪)、良くない爪の切り方、ハイヒールや先がとがった狭い靴などが言われていますが、はっきりしたことは分かっていません。巻き爪があると陥入爪になりやすくなります。
また正常な爪でも、深く切り過ぎてしまったり、足を踏まれたりぶつけたり、合わない靴で長時間歩いたりしたことが陥入爪のきっかけとなることもありますので、爪の切り方や靴のサイズには注意が必要です。
最近は、できるだけ痛みが少ない巻き爪・陥入爪の治療が行われるようになりました。そのひとつが形状記憶合金ワイヤーを使用した、巻き爪の治療です。
ワイヤーの装着時間は指1本10分ほどで、爪にくっついているワイヤーの真っすぐに戻ろうとする力が毎日少しずつ働き、だんだん爪が平らになっていきます。ほぼ無痛なのがこの治療法の良い点なのですが、残念ながら保険が効きません。
陥入爪の場合、爪が刺さってできてしまった爪周りの傷を治すことが目標になります。この刺さっている爪のトゲを切ってしまえば自然に治ってくるのですが、肉の塊が大きいと痛みが強く、簡単にそのトゲを切ることができません。
そのような場合は、肉の塊の表面を固めるお薬を1週間に1〜2回塗布し(少し痛みがあります)、塊を小さくし痛みが少なくなってからトゲを切る、というような治療法もあります。
以前は手術も主流でしたが、手術をしても再発する患者さんがいるので、切らない治療が広がってきています。また無治療で放置している期間が長いほど、完治に時間がかかる傾向がありますので、早めの医療機関受診をお勧めいたします。