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外科医との付き合い方(2012年2月21日掲載)

村上 隆啓・県立中部病院

信頼を築く会話望む

最近、テレビや映画などに登場する医師は、なぜかいつも外科医で、しかもかっこいい俳優さんがさっそうと演じています。そのような皆さんの期待に応えたいと思いながらも、自分たちの日常とのギャップに葛藤する毎日です。

外科医の仕事は手術をすることです。手術を受けたことがある方はお分かりだと思いますが、手術はとても怖いです。私も大学生の時に、膝の手術を受けましたが、怖くて前日は眠れませんでした。

しかし、最近では手術技術や機材も飛躍的に進歩し、手術の安全性は昔に比べて格段に向上しています。まずはご安心ください。また、いくら病気を治すためとはいえ、患者さんの体にメスを入れることに、外科医は大きな責任を感じながら日々謙虚に手術を行っています。ご安心ください。

とはいえ、手術自体が成功しても、傷の痛みやおなかの不快感など、手術後も患者さんは乗り越えなければいけないことがたくさんあります。手術後の回復に時間がかかり「こんなことだったらやらなければよかった」と後悔することもあるかもしれません。

そのような時に大切なことは、どれだけお互いに言いたいことが言い合えるかということです。夫婦や家族と同じです。外科医と患者さんが一緒に話し合い、納得することで初めて手術や病気は乗り越えられます。

外科医の経歴や専門資格はもちろん大切ですが、腹を割って話し合える外科医か、自分の体を任せられる外科医かを自分の目や家族の目で見極めてください。

昔のように外科医に気を使う必要は全くありません。他の外科医の意見が聞きたければ、セカンドオピニオン制度などを利用して、納得するまで話を聞いてください。

それほど手術を受けるということは、患者さんの人生で大きな出来事であるということは、外科医が一番知っています。

そして手術をした以上は、病気の克服に向けて担当外科医とは、一生の付き合いです。とことん話し合いましょう。僕らもそれを心から望んでいます。