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透析療法(2012年1月24日掲載)

上地 正人・大浜第一病院

変化を受け入れよう

新しい年が始まりました。元旦には「今年も健康でよい1年を…」と願をかけられた方は多数おられると思います。それでも年齢と共に病気を患う方は増えるようです。

私が担当している疾患は“腎臓病”です。腎臓は「おしっこ(尿)」をつくり出すところで、食事で取り入れた老廃物を尿に溶かして排せつするところで、糖尿病や高血圧症といった病気から腎臓病が進行する場合もあります。

私の元にはそのような進行した腎臓病、腎不全の方が相談に来られます。そして、治療法の一つとして“透析療法”をお話しすることが多いのですが、多くの患者さんの反応は「透析ですって!これをするとは、もうおしまいだ」とか「いやだ、嫌だ。知人がやっていたが、大変そうだった…」など否定的なものです。しかしながら私は「透析って素晴らしい治療だ」と感じています。

透析とは、腎臓の代わりに「おしっこ(水分)」「毒素」を処理・排除してくれる治療です。この治療のおかげで、今日も全国で約30万人の方が家族と食事や会話を楽しんでおられます。仕事をして家族を支えておられます。

この治療が日本に入ってきたのは1965年、47年前です。この治療法が導入される以前の医療環境ですと、腎不全患者はみんな亡くなられていたのです。命を支え続ける透析は素晴らしいと思います。

かのダーウインは進化論の中で「強いものは生き残れない。変化できるもののみが生き残れる」と記しています。

視力が低下してきたとき「眼鏡をかける」という変化を受け入れることができれば、新聞が読め運転ができ、元の生活が続きます。歯の悪い方は、「義歯(入れ歯)」という変化を受け入れることができるのなら、栄養失調にならずに楽しい食事時間が持てるのです。

「透析は嫌だ、おしまいだ」と言ってないで、変化を受け入れましょう。針を刺すのが苦手な方は、「腹膜透析」という方法もあります。人生を楽しみましょう。