沖縄県医師会 > 健康の話 > ドクターのゆんたくひんたく > ドクターのゆんたくひんたく2011年掲載分 > 専門医、指導医とは

専門医、指導医とは(2011年11月15日掲載)

伊佐 勉・浦添総合病院

医療高度化で細分化

最近「専門医」という言葉を新聞、雑誌やテレビなどで見たり、聞いたりする機会が増えていませんか? 医療が高度化するにつれて、医療機関や医師には高度な専門性が求められるようになっていることや、医療に対する社会的な関心も高まっていることから、より信頼できる医師や、医師の専門分野を知りたいという患者さんやご家族の希望が増えています。

ある国語辞書には、専門医とは「特定の臨床医学の分野に精通している医師。日本では学会の認定医をさす」と記載されています。

わが国では、医師国家試験に合格した医師は自由に診療科目を選ぶことができ、現在は専門医に関する国家資格はないのが実情です。つまり、現在の日本での専門医は、学会認定専門医のことをさします。

そして、「指導医」は、高度な知識や技量、経験を持ち、認定医や専門医などを指導する立場にある医師をさします。

これまでは、学会によって専門医の認定基準に格差があったため「日本専門医制評価・認定機構」が設立され、専門医制度の確立、専門医の育成・認定およびその生涯教育などを行い、より社会から信頼されるような制度を目指しています。

雑誌やインターネットなどで名医や病院のランキングなどが紹介されていますが、それは一部の人の意見や評判、手術症例数などに基づいて判断されたものであるのに対し、学会認定専門医は、各学会の厳格な資格審査や専門医試験に合格して、学会によって認定された専門の医師です。

また、学会認定の専門病院を認定施設または修練施設と言います。

専門医も医療の高度化に伴い、細分化されています。例えば、外科医はまず外科専門医・指導医を取得しますが、胃・大腸、肝臓・胆道(胆のう、胆管)・膵臓(すいぞう)などの消化器専門の外科医は、消化器外科専門医・指導医を取得します。

そして、さらに専門性の高い肝胆膵(かんたんすい)外科学会や胆道学会などの専門医や指導医を取得します。そのような制度も知っていると、病院を受診する際の参考になるかと思います。