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結核予防週間(2011年9月20日掲載)

久場 睦夫・国立病院機構沖縄病院

咳など続けば受診を

近年、本県を含めたわが国の結核は減少してきてはいますが、その減少速度は鈍化しており、まだまだ中蔓延(まんえん)国の域を脱し得ていません。

わが国の人口10万人に対する結核の罹患(りかん)率は18・3(2010年度)であり、前年より0・8%減少していますが、新規の結核患者数は2万3261人といまだに2万人を超えています。

罹患率を先進諸国と比べると、アメリカの4・4倍、スウェーデンの3・3倍、デンマークの2・7倍となっており、先進国の仲間入りにはほど遠い現状です。

さて本県の人口10万人に対する結核罹患率は06年度20・8、07年度18・4、08年度20・1、09年度17、10年度18・7とほぼ全国平均であるが、年ごとに増減があり減少の一途をたどっているわけではなく、むしろ横ばいです(図1)。

年齢別には、10年度の70歳以上は60%を占め全国平均に比べ、高齢者の割合がより高くなっています。

筆者の所属する沖縄病院についてみると、09年度の結核入院患者数は104人(男性70人、女性34人)で、年齢は18歳〜95歳、平均68・5歳でした。

発見動機別には、咳(せき)が41%、ついで発熱が35%と多く、そのほか、血痰(けったん)、体重減少、息切れなどです。

大多数の方は軽快しましたが、重症結核による死亡が5人みられました。

このうち2人は50代とお若く、症状発現より受診まで60日、120日と長期間経過しており、来院時は超重症結核でそれぞれ入院9日目、5日目で死亡されました。やはり早期受診・早期治療が最も大切です。

死亡に至らずとも、治療の遅れは、後遺症による苦しみ、他者への広がりなど問題が大きくなるのは自明です。

24日から結核予防週間が始まります。咳や発熱、風邪症状が2週間も続く場合は結核も念頭に入れ、近くの医療機関を受診しましょう。