古今東西いつの時代も、女性は概して美しくなりたい、またいつまでも美しくいたいと思うものかもしれません。
ただ、何を美しいとするかは、時代や場所、個人の好みなどによって異なるので、一定の基準など無いと言えますが、最近の若い人には小顔で目が大きく細身、手足はスラリと美脚が好まれているようです。
クリニックには、月経についての悩みを持つ若い女性がたくさん来院します。そのなかでも治療に苦労する問題の一つが、10代を中心に見られる体重減少に伴う無月経です。
体重減少の原因はさまざまですが、きれいになりたいから、みんながダイエットをしているからと、安易に不健康な痩せ方をして、月経が来なくなってしまうのです。
若い女性は、月経に無関心だったり、面倒に思っていたりする人も多いので、病院の受診が遅れ、無月経も長く放置されてしまいがちです。
痩せて無月経になってしまった時には、できるだけ早く体重を元に戻すことが必要ですが「せっかく痩せたのに」となかなか受け入れてもらえません。
体重減少の程度が大きいほど、無月経の期間が長くなるほど、月経の回復に時間がかかり、時には体重を戻しても治らないという状態になってしまいます。
女性ホルモンは、女性の健康にとって非常に大切です。ホルモンが低下すると、無月経になり、コレステロール値が上がり、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)になりやすくなります。皮膚の乾燥やしわ、たるみ、脱毛が目立つようになったりもします。
いわゆる老化現象のような好ましくない身体の変化が進んでしまうのです。もちろん、妊娠しづらくなり、不妊治療を受けることにもなりかねません。
女性がいつまでも若々しく美しく健康であるためには、ホルモンが重要な鍵となっています。ダイエットをして無月経になるなどあってはならないことです。
若い人には、今だけの“美”ではなく、生涯を通して「健康的な美しさ」を目指してもらいたいと思います。月経の大切さは忘れずに!