現在脳卒中は、がん、心臓病に次いで、日本人の死亡原因の第3位であり、高齢化が進むにつれ、その患者数は増加傾向にあります。
脳卒中には3種類あります。一つは「脳梗塞」で脳血管が詰まること、二つ目は「脳出血」で脳血管が破れて出血することです。三つ目が「くも膜下出血」で、脳血管のこぶ(脳動脈瘤(どうみゃくりゅう)といいます)が破裂することで発症します。
およそ脳梗塞が全体の6割、脳出血が3割、くも膜下出血が1割を占めています。
脳卒中を発症すると、脳内の障害を受けた部分によって、程度の差はありますが、日常生活に大きく支障を来します。例えば頭痛、麻痺(まひ)、痺(しび)れ、めまい、物が二重に見える、呂律(ろれつ)がまわらない、言葉が出ないなどの症状が現れる場合があります。
時には意識障害や生死に関わる状態に陥ることもあります。特にくも膜下出血は、死亡率が50%と怖い病気です。
脳卒中を起こす原因としては、高血圧、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病が挙げられます。これらの病気があると、次第に動脈硬化が進み、脳血管がもろくなってしまい、脳卒中を発症します。したがって、生活習慣病の管理をしっかりすることが、脳卒中を予防することにつながります。
生活習慣病の管理で重要なことは、薬を欠かさず服用するとともに、カロリー、塩分、脂肪分、糖分など過度に摂取しないよう食事内容に注意することや、毎日の30分以上のウオーキングなど適度な運動を心掛けることも重要です。
さらに脳卒中において重要なことは、早期発見、早期治療です。先に挙げた症状(頭痛、麻痺、痺れ、めまい、物が二重に見える、呂律がまわらない、言葉が出ないなどの症状)を感じた際には、早めに病院を受診し検査(頭部MRI=磁気共鳴画像装置)を受けることをお勧めします。早期発見、早期治療により、症状の進行を抑えることが可能です。
また、最近では、30代〜40代の脳卒中も増えてきています。脳の健康診断という意味で、定期的に脳ドックを受診することをお勧めします。