女優の森光子さんが舞台「放浪記」(林芙美子原作)で、当時88歳にもかかわらず舞台の上を飛び回り、前転前回りをしたことは有名な話です。このような体力を維持できた秘訣(ひけつ)は、実はスクワットにあったのです。
森光子さんは76歳のころからスクワットを始め、徐々に回数を増やし朝夕75回ずつ計150回を毎日続けてきました。
そして、このアドバイスをしたのが今年100歳になる聖路加国際病院理事長の日野原重明先生でした。先生は高齢にもかかわらず、エレベーターは全く使わず階段を2段ずつ上がるといった生活を続けている方です。先生の若さも筋トレにあります。
運動・スポーツが体力保持のために良いことは誰でも知っていることです。しかし、日常生活の中で時間をとって持続することはなかなか困難なことです。ウオーキングと違って筋トレは短時間、5〜10分ほどの筋肉負荷で効果があります。
私は以前にボランティアを募り、ウオーキング、筋トレのメニューを6カ月間実践して体力測定をし、データを発表したことがありますので紹介します。結論だけをまとめますと以下の通りです。
(1)普段運動を全くやらない人は、実際の年齢より体力が10歳年老いていた(2)普段からウオーキングなどの有酸素運動をやっていた方は実年齢と体力年齢は同等だった(3)普段運動を全くやらない人が3カ月間ウオーキングなどを始めたら実年齢になった(4)普段からウオーキングなどの運動をやっていた人が新たに筋トレを追加したら、なんと実年齢より10歳以上若い体力年齢に変身した、という結果でした。
私が健診・人間ドックなどでお会いする、健康的で筋肉質の方にお話を聞いたらほとんどの方が何らかの筋トレをやっている方々です。
特に下半身を強化するスクワットはお勧めです。私は朝の寝起きに布団の上で腕立て伏せや腹筋運動をし、そして歯磨き中にスクワットをやっています。みなさんも日常生活の中に筋トレをぜひ取り入れてください。