乳幼児から高齢者まで診療していると、あらゆる年齢層の患者さんから質問を受けます。よくある質問について説明します。
認知症の予防―動脈硬化も発症原因になります。動脈硬化の原因になるリスク(高血圧、糖尿病、脂質異常症、慢性腎臓病、肥満、禁煙等)を良好にコントロールしましょう。
脳梗塞―「心臓の不整脈でも脳梗塞の予防薬を飲むの?」という質問 脳梗塞の3割を心房細動が占めています。抗凝固剤で予防できます。
不眠症―「睡眠薬を飲むと認知症になるの? くせになる?」 くせにも、認知症にもなりません。睡眠障害は加齢に伴う現象です。睡眠不足より、薬でしっかり睡眠をとることが大切です。
降圧剤―「高血圧の薬は一生飲むの?」 高血圧と診断された患者さんによくある質問です。食事(塩分6グラム)・運動療法で血圧コントロールが良好になれば、薬の減量あるいは中止することもできます。血圧コントロールが不十分で、脳梗塞などの合併症を発症すると生命にかかわったり、寝たきりなど日常生活の質を落としてしまいます。同じ一生でもまったく違います。
「下の血圧が低すぎるけど大丈夫?」は、高齢者に多い質問です。年齢とともに動脈硬化のため、収縮期血圧は上昇、拡張期血圧は低下します。拡張期血圧の下がりすぎを気にすることはありません。
肥満―「やせる薬はありますか?」 有効薬はありません。就寝前3時間は食べないようにしましょう。
インフルエンザ―「予防接種の効果はどれくらい?」 ことし1、2月の当院での新型インフルエンザ患者(計239人)の接種比率は未接種者が190人(80%)、1回接種者41人(17%)、2回接種者8人(3%)です。
成人肺炎球菌ワクチン―「安全性は?」 当院では1回接種者420人、5年間で2回接種者45人(計510回)だが、大きな副反応は特になく、5年間に1回接種すると予防効果は高いデータが示されています。
皆さんも、病状や薬について質問があれば、遠慮せずにかかりつけ医に聞いてください。