外来での診察や校医として健診する中で「あまりにも間違った靴選びが常識になっている」ことに、がく然とすることが多々あります。今日はあなたにとってどんな靴が「いい靴」かを一緒に考えていきましょう。
多くの患者さまの足を計測し思うのはほとんどの方が自分の正確な足のサイズを知らないという事実です。測定して足のサイズを告げると「エーッ、私の足って、こんなに小さいの?」。多くの患者さまがそのような反応をします。自分の足にとって大きくて、幅広い靴を履いている方が多いのが現実なのです。
また多くの学生さんは靴ひもをゆるめズルズルと靴を引きずって歩いています。外国人からみると「日本の若者は足が悪い人が多いんだ」と感じるようです。来院した患者さまに正確なサイズの靴を履いてもらい、かかとを合わせ、ひもを締めて歩いてもらうと「歩くのが楽になった」とビックリする方が数多くいらっしゃいます。
靴は全身をささえる足の大切な土台です。どんな靴を選べばいいのでしょう?(1)かかとまわりがしっかりしている靴(踵骨(しょうこつ)というかかとの骨をまっすぐに保つためにとても大切です)(2)足の前から3分の1の位置で曲がる靴(足の中で最も動く部分で、歩く時や走る時に地面をけるのはこの部分より先です。この位置と、靴の曲がる位置が一致することが大切です)(3)靴底が平らで安定している靴(傾いた靴を履けば、足が傾き、歩きが不安定になり、無意識のうちにそれを修正しようとして足や体に負担がかかります)(4)つま先に1〜1・5センチの余裕がある靴(これは足を圧迫せず、変形を起こさせないために必要な余裕です)(5)足が前滑りしない靴(つま先の余裕を保つために靴ひも、もしくはバンドをきちんと締め、足の甲の部分で動かないように留められていることがとても大事です)(6)靴の形、機能が目的にあった靴(一つの例をあげるとバスケットシューズはバスケットをするために作られた靴であり、普段の歩行に用いるものではありません)―。
これらを参考に自分の足に合った靴を選び、足のトラブルを予防しましょう!