散歩中どこからともなく「トゥームチコーラー(唐人もちください)」と聞こえてきました。人だかりの先に見慣れないフチャギが店先に積まれていて隣の人が、この店のフチャギはとてもおいしいとのこと。仏壇にお供えした後、いただきましたが、おいしいフチャギでした。とても小さなお店であったのですが、アイデアがあれば小さいお店でも集客力を持てることを実感した十五夜でした。
このように職種が異なれば案外その職業の内容は分からないものです。医療に関係するなら、なおさら分からないことが多いと思います。この紙面を借り、病院を取り巻く環境、特に診療所を取り巻く環境についてお話させていただきたいと思います。
この数年で診療所と総合病院の関係はだいぶん変化してきました。大方の患者さんは病院間の関係を、やや閉塞(へいそく)的にとらえている印象がありますが、病院間の関係は開放的になっています。診療所と総合病院の連携は病診連携といわれ、定期的に会を持ち、相互の情報交換が緊密になされています。
診療所で診断が困難な場合、また入院治療が必要な場合は、各総合病院の地域連携室と呼ばれる部署を通じて外来や入院の予約を行い、さらに診断時の検査内容、治療経過などは診療情報提供書と呼ばれる書類を通し知ることができます。送る側はその情報を元に送ったときに処置が適切であったか、また今後の自分の診療に生かすことができます。
さらに特筆すべきは、これらの連携関係の強化により、診療所から総合病院のより精密な検査、コンピューター断層撮影(CT)検査、磁気共鳴画像装置(MRI)検査などが直接依頼することができる環境が整いつつあるということです。通常レントゲン写真のみで診断不可能な症例はCT検査、MRI検査を加えることで、より正確な診断をすることが可能となります。
自分の病院にない診療機器をお互いに共有し地域全体で疾病治療に当たることで、よりよい医療を提供することができると考えています。皆さまも気軽に診療所の門をたたいてみてはどうでしょうか?