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ロコモティブシンドローム(2010年6月15日掲載)

砂川 秀之・南部徳洲会病院

訓練で運動機能改善

ロコモティブシンドローム(運動器症候群、通称ロコモ)についてご存じでしょうか。

最近の調査では49%の方がロコモを知っている、聞いたことがあるとの報告もあり、認知度が高まってきています。

現在、4人に1人は関節疾患や転倒による骨折で要介護や寝たきりになったりするといわれており、転倒、骨折をいかに防ぐかということが大事になってきます。そこで登場してきたのがロコモという概念です。

身体運動にかかわる骨、関節、筋肉、神経などを運動器といい、それらを全体としてとらえるのがロコモの考え方です。

メタボが肥満、高血圧、糖尿病、高脂血症などで心疾患や脳血管障害へとつながるように、ロコモの場合は運動器の障害のため要介護、寝たきりへとつながっていく可能性があるということです。

ロコモと診断するためにロコチェックというのがあります。(1)片足立ちで靴下をはけない(2)階段を上るのに手すりが必要である(3)横断歩道を青信号のうちに渡りきれない(4)15分ぐらい続けて歩けない(5)家の中でつまずく(6)2キロ程度の買い物をして持ち帰るのが困難である(7)家の中のやや重い仕事(掃除機の使用、布団の上げ下ろしなど)が困難である―の七つです。

このチェックの中で(1)は結構難しいと思われます。ただし考えてみるとその時点で対策を取るようにすれば転倒しにくいレベルを維持できるのは間違いないと思います。

該当する方はロコモーショントレーニングを行いましょう。トレーニングは主に開眼片足立ちとスクワットの二つがあります。

開眼片足立ちは左右1分間ずつの片足立ちを、1日3回行います。

スクワットはひざを曲げすぎない程度にかがみ元に戻る―をゆっくり5回程度1日3回行います。

しっかりしたテーブルやいすのそばで行うなど安全策をしっかり取ることが大事で、できない方はテーブルをつかまえて行いましょう。安全に、無理のないように継続して行うことが大事です。