皆さん「家庭医」をご存じですか? 初めて聞く方も多いかと思います。家庭医(ファミリードクター)とは、簡単に言えば、「あなたとあなたの家族のかかりつけ医」のことです。循環器内科医の専門は「心臓」、脳外科医の専門は「脳」と答えるように、家庭医の専門は「あなた(患者さん)」と答えます。家庭医は、ちょっとした体調不良でも、紹介が必要な時でも、どの専門科に受診するか迷った時でも、往診が必要となった時でも、家族の問題でも、あなたの状況にあわせてケアしていきます。つまり、あなたの医療コンサルタントでもあります。
具合の悪い時はもちろん、元気になっても生活習慣や病気の予防の相談を行い、普段からあなたの体質を理解し健康管理を行っていきますので、突然、体調が悪くなった時でも適切な対応ができます。また、介護や在宅医療が必要となれば、社会、福祉、医療の調整役となり関連する地域のスタッフと協力し、往診・訪問診療を行います。
しかしながら、家庭医はスーパードクターではありません。専門的な診断・治療が必要な時には、迅速に適切に専門医に相談・紹介いたします。
大きな病院(総合病院)の専門医が、それぞれの専門の臓器をしっかりみて診断し最新の治療を行うように家庭医は「あなた」をしっかりみて最善の診断・治療・ケアを行います。すぐに大きな病院(総合病院)へ行くことが必ずしも良いこととはかぎりません。緊急の問題でなければ普段からあなたや家族のことをよく知っている「小さな診療所の家庭医」にまず相談してみましょう。
家庭医は、地域の中で、家族ぐるみで、「あなた」の健康にかかわりたいと考えている医師です。あなたにとって、近くに何でも相談できる医師がいることは、日々の健康管理に役立ち、また、緊急時や、家族の方が病気にかかった時にも安心して治療が受けられると思います。
あなたと家族のために信頼できる家庭医をお持ちになることをお勧めします。