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高血圧(2010年1月12日掲載)

畑 芳夫・はた内科クリニック

症状出る前に治療を

沖縄県が長寿県と言われたのは過去の話で、県内では年間1050人以上もの方が脳卒中を発生しています。その中で高血圧の治療の大切さをあらためて認識する必要があります。

血圧が高くても、自覚症状はほとんどみられないのが、高血圧の怖いところです。

われわれの体には休むことなく血液が循環しており、そのため血管の内側には絶えず圧力(血圧)がかかっています。長年、高血圧がつづくと、血圧によって血管は傷つき、硬くなり、動脈硬化が促進されます。しかし、当初は症状はありません。血管の壁にできた血液の塊(血栓)がはがれて血管がつまる時、あるいは急速に血管がつまるほど大きな血栓ができた時に自覚症状が現れます。

さて、問題となる血圧はいくらからでしょうか? 健診や病院で血圧が、140/90以上、または自宅で135/85(mmHg)以上あれば高血圧症が疑われます。そのほかに、朝方の血圧が高い方、血圧を測るたびに毎回差が大きい方は既に動脈硬化が進んでいることがあります。

次は治療ですが、大きく分けて二つに分けられます。

まず一つ目に、急いで薬を始めた方がいい場合。それは、既に糖尿病、脳卒中、心臓病、腎臓病がある方です。なるべく早く、治療を受けることをお勧めします。なぜなら、それぞれの病気がさらに悪くなる恐れがあるからです。

二つ目は、高血圧以外に病気がない方は、塩分をひかえた食生活・運動療法、ダイエットから始めます。それでも効果がみられない場合には、薬物治療が必要です。

多くの患者さんが「一度、薬を飲み始めると一生飲み続けなければならない。薬を途中で止めると、血圧が急激に上がり、以前より悪くなる」と言われたりしますが、むしろ自覚症状が現れるまで治療を受けない方が危険です。

また、生活習慣の改善で薬を減らしたり、止めたりすることも可能となります。その時は主治医の判断のもとで行ってください。