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放射線治療の副作用(2009年11月3日掲載)

足立 源樹・那覇市立病院

誤った情報に注意

「放射線治療をしましょう」と主治医に告げられたとしたら、皆さんはまず何を考えるでしょうか? 「髪が抜けるって聞いたけど…」「皮膚がただれるって本当ですか?」など、きっと副作用のことが真っ先に浮かんでくることと思います。

患者さんたちは周囲の人たちから怖い話をたくさん聞いてきているせいか、わたしの外来でも「不安のあまり昨夜は一睡もできませんでした」などと患者さんが言っているのをよく耳にします。

放射線治療の副作用というものは基本的には体のどの部分に放射線をあてるかによって内容は大きく異なるし、患者さんごとに症状の程度も違います。

皆さんが一番気にしている脱毛も、頭部に放射線を照射した場合には副作用として生じてきますが、頭部以外の部位に放射線を照射する場合では絶対に髪は抜けません。脱毛と同じように怖がられている皮膚の副作用も、放射線治療を行った部位にしか出てきません。

個人差はありますが通常は日焼けのように赤くなり、ほてった感じがしたり、衣服がこすれると痛かったりするといったものです。赤くなった皮膚が過剰にこすられたりすると表皮がむけて痛々しくなってしまいますが、治療終了後には徐々に赤みも取れてきます。

放射線治療の待合室など患者さんたちが集まる場所ではさまざまな情報交換がされているようですが、病気が異なれば治療部位も異なりますからお互いの副作用の話は全くかみ合わないこともあるわけです。どのような副作用が出るのかは放射線科の外来で放射線治療担当医からきちんと説明があります。

出るはずのない副作用を怖がって治療の時期を逃してしまうことのないように、担当医から放射線治療を勧められたら、放射線科外来がある県内6病院(琉球大学医学部付属病院、国立病院機構沖縄病院、県立中部病院、県立南部医療センター、沖縄赤十字病院、那覇市立病院)のいずれかを怖がらずに受診してください。