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大腸がん(2009年4月28日掲載)

照屋 寛・八重山地区医師会所属

内視鏡検査で早期発見

近年大腸がんにより亡くなられる方が増える傾向にあります。50年前に比べ大腸がんで亡くなられる方は約6倍にも増加しています。これは食事の洋風化(肉食中心の食事)と関係があるといわれています。大腸がんにより亡くなられる方を減らすには食事の和食化が重要ですが、これにも増して重要なのががんの早期発見です。

現在、検便による潜血反応検査が大腸がん検診に用いられていますが、潜血反応検査では早期がんの約50%、進行がんの約10%が検査陰性になるといわれており、大腸がんの早期発見検査としては十分とはいえません(もちろん大腸がんの早期発見には便潜血反応検査を受けないより受けた方がはるかに有用であることは言うまでもありません)。それでは大腸がんの早期発見に最も有効な検査は何なのでしょうか。それは大腸内視鏡検査です。

大腸内視鏡検査により、進行がんは言うまでもなく大部分の早期がんが発見可能です。極初期の早期がんは開腹手術によらず大腸内視鏡を用いての切除もできます。

また大腸がんは良性のポリープを経てがん化するものもあり、大腸内視鏡検査により良性の段階でポリープを発見しこれを内視鏡下に切除してしまえばがん化予防治療にもなるのです。

便潜血反応検査は大腸肛門(こうもん)からのあらゆる出血を検出する検査ですが、良性ポリープは出血が少ないため便潜血反応検査で発見することがなかなか困難です。同様のことが極初期の早期がんにもいえます。

たまたま痔(じ)があったために便潜血検査陽性となり、大腸内視鏡検査を受けたらがん化する前の良性ポリープや極初期の早期がんが発見され内視鏡下に切除され事なきを得た、というケースはめずらしくありません。またがん、ポリープの有無により大腸内視鏡検査を何年ごとに受ければよいかを決めることもできます。

以上申し上げあげたように、大腸内視鏡検査は大腸がんの早期発見に最も有効ですので、積極的に検査を受けることをお勧めします。