風邪は万病のもとと言いますが、冷えも万病のもとと言われます。体の不調を訴える女性には冷え症の人が多くいます。体が冷えると血の巡りが悪くなり、免疫力が低下し、感染症、アレルギー性疾患、がんなどいろいろな病気にかかりやすくなります。頭痛、肩こり、めまい、立ちくらみ、便秘、下痢、生理不順、生理痛、不妊症等さまざまな症状を訴えますが、これらの不調を医学的に検査しても異常がないことが多く、原因不明とか気のせいだとか言われます。うつ病と言われる人もいます。
一年中暖かい沖縄でも冷え症の女性が多くいます。現代の生活様式、環境は体を冷やす要因が多いのです。あまり体を動かさず、肌の露出の多い服を着て、美容のためにと野菜や果物、さらに菓子など体を冷やすものを食べる−。一般に野菜や果物は体を冷やし、肉類や根菜類は温める作用があります。夏を乗り切るために身近なゴーヤー、ヘチマなどをほどほどに食べるのは理にかなっています。冬の寒い日に大根、ニンジン、ゴボウや肉、魚などを鍋物で食べると体が温まります。
人間の体は汗を出したり止めたりしながら体温を保っていますが、冷暖房により体温の調節機能が低下しています。暑いからとクーラーで体を冷やし、冷たいものを飲み過ぎたり食べ過ぎたりすると身体が冷え体調を崩します。
冷え症を治すためには、生活環境や食習慣の改善を図ること、筋肉運動をして熱エネルギー産生を促して血液循環をよくすることが大切です。治療法として、個人の体質を重視する東洋医学(漢方薬や鍼灸(しんきゅう)等)は温める治療を最も得意とします。漢方薬を服用後、冷えが取れ長年の身体の不調が良くなったり、生理痛や生理不順が治り、おまけに赤ちゃんができたり、うつ症状が良くなった例は数多くあります。
体を冷やさない生活を心がけ、免疫力を高めて健康を取り戻しましょう。