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勃起不全(ED)(2009年3月3日掲載)

仲間 ベンジャミン・国頭村立診療所

若者にも増加傾向

近年、生活習慣病やメタボリックシンドロームなどに関連して、男性の勃起(ぼっき)不全(ED)が増えています。

日本人のED調査によると、40―70歳代の約50%以上が年齢を重ねるにつれて何らかの原因でEDになっています。若者にもEDおよび予備軍が増えており、年齢を重ねるごとに増加しています。別の調査によると、国内におけるED患者数は約1130万人と報告され、アンケート調査を全国で実施したところ、既婚男女の3人に1人が自覚・認識しているという結果も分かりました。

さて、EDとは性交時に少なくても行為時間の25%以上、勃起を維持することができずに満足な性交が行えない状態のことです。健康な場合でも時折、勃起が維持できないことがありますが、それは一時的であり、普通に現れる現象です。しかし、進行性の「勃起機能障害」「勃起障害」は、隠れた別の疾患の兆候でもあり治療が必要です。

EDのタイプ別で軽度だと、たまに勃起ができない状態です。中等度では十分な勃起ができず、時々、性交ができない場合もあります。重症になると、全く勃起できない完全型まであります。症状はさまざまで(1)性欲は有り余るが興奮しても勃起しない(2)勃起するが十分に硬くならない(3)勃起して挿入しても持続せずに抜けてしまう―などです。

原因は、身体的原因、心理的原因、あるいは両方の混合型の3つに分類することができます。そのうち身体的原因には糖尿病や高血圧症、肥満などが考えられます。たばこ、お酒、薬の乱用、脊椎(せきつい)の損傷、前立腺や腸の手術なども挙げられます。これらは病気が進行するにつれて、勃起機能も低下していきます。

心理的要因としては、日常のストレス、うつ病、不安、過労、パートナーとのコミュニケーション不足などがあります。これらはEDだけでなく、真剣に取り組まなければ、健康に影響を及ぼす可能性もあります。

しかしEDは適切な治療で改善する疾患です。お悩みの方は一度、医師にご相談ください。